妻と男の物語


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薄い壁(15)

[7149] 薄い壁(15) ボー太 投稿日:2009/08/21 (金) 16:33
「ねぇこっち?それともこれ?」
「うぅん、どっちも今イチ..」
「あなた、ちゃんと考えてよぉ!」
土曜の昼下がり。今夜着る服の候補を、妻が取っ替え引っ替え選んでいます。
「だからさぁ、俺はあれがいいって最初から言ってるのに」
「あれ?..でも、ちょっとエッチ過ぎない?」
「そこがいいんだって!」
「もぉ!何よそれ!」
「横山さんも喜ぶよ、きっと!」
「そんな喜ばせ方っておかしくない!」
横山さんの希望でした。あの晩の、駐車場で会った時に着ていたセクシーなワンピースです。
上半身のデザインが男心を刺激します。胸元からクロスした布生地を、首の後ろを回って蝶結び
のように留めるのです。一見ドレス風な、色は薄いシルバーグレーのとても色っぽいものでした。
下半身は、腰のラインにピタッと吸い付くような曲線で、妻の大きめのヒップを強調します。
「でも、この服料理しずらいわ..」
「何言ってんの!作った後で着替えればいいじゃないか?」
妻のお気に入りの服には違いありません。とはいえ半ば強引な決定でした(笑)

午後6時を回り、予定通り横山さんがやって来ました..
「いやぁ!由佳さん色っぽい!!」
「え、そ、そうですか?」
「いや本当に..綺麗ですねぇ!」
「もぉ、横山さんってば..」
妻も褒められてまんざらでもありません。俯いてハニカミます。
「羨ましいなぁ、新田さん..こんな可愛い、綺麗な奥さんがいて」
「何言ってるんですか?香織さんもスゴい綺麗で..モテそうですし」
「いやいや、そんなことは..でも、新田さんだって心配でしょ?」
「え?何が?」
「由佳さん、浮気しないかって..こんなに色っぽいんですから!」
「またそんなぁ、由佳に言い寄って来る男なんていませんよ、なぁ由佳?」
「何よぉ、その言い方ぁ!?」
妻が頬を膨らませました。
「本当ですかぁ?分かりませんよぉ..知らぬは旦那だけ、なんて、フフフ」
「アハハ、いや香織さんのほうが心配でしょ?..あ、やっぱり今日は仕事ですか?」
「えぇ、残念ながら..せっかくのご招待を、済みません」
「いやいや、でも今度は是非!」
こんな会話の流れも計算です。横山さんのシナリオ通り、互いの妻を褒め合うという作戦でした。
妻がキッチンへ立ち、料理を運ぶ姿を横山さんが目で追います。イヤラしい視線がヒップや胸元に注がれます..
「んん!美味しいなぁ!..由佳さん料理上手ですねぇ?」
「えぇ?そうですか?それほどでも..」
妻がまた照れます。横山さんへの警戒心が見る見るうちに解けていく様子が伺えます。
「でも、いいなぁ..由佳さん」
「またですかぁ?..どこがそんなに?」
私は大げさに話を促します。
「いやねぇ、タイプなんですよ!..二人が越してきた時に由佳さんを見て..」
「嘘ぉ!ホントですか??」
妻が嬉しそうに返します。褒められて嫌がるわけもありません。
「私が独身だったら、即浮気相手に立候補しちゃいます!」
「アハハ、スゴいなぁ..ならどうです?お貸ししますよ、2週間ぐらい」
「本当ですかぁ!?いやぁ、濃密な、濃ぉい2週間になりそうですねぇ!」
「なんか言い方がエッチ..もぉ!」
男二人の際どい下ネタにも、お酒の入ったほろ酔い気味の妻は笑顔で話題に絡みます。
「ならば由佳さん!?..どうです?旦那を取替えっこしてみませんか?」
「おぉ、いいですねぇ!それならフェアです!..私が香織さんと..グフフ!」
「やだぁ!あなた!」
「私は由佳さんで..もぉ尽くしますよぉ!」
「ウフフ、ホント?横山さん..」
「えぇもちろん!好きなもの何でも買ってあげたり..」
「スゴォい!..じゃあ私も尽くしちゃおう!何でも言うこと聞いちゃいますから!」
ここまで煽てられるとさすがに気持ち良いのでしょう。妻の舌も滑らかに動きます。
「どこまで言うこと聞いてくれます??」
「えぇ?もぉエッチ..横山さんったら..あ、そうだ、それじゃ私、横山さんの隣行こぉ!」
妻はヨロッと立ち上がると、そのまま横山さんの隣の席に移動します。
「おっと、危ない..由佳さん、酔いましたか?」
「は、はい、大丈夫ですよぉ..」
さり気なく、横山さんは妻の腰に手を回しました。そしてエスコートするような格好で席に
座らせます。私はその上手すぎる仕草に苦笑しました。
「はい!交換完了ぉ~!横山さんお酒空ですよ?」
「あ、済みません!..」
「グラスはそのままで..お注ぎしますね、あ、な、た..」
「おぉ!堪りませんねぇ!倒れそうです!!」
「倒れたら介抱しますから、いっぱい飲んでくださいね」
手を伸ばしお酒を注ぐ妻。横山さんが目でサインを送って寄越しました。私も薄々は気付いていましたが..
その目はこう言っています。「丸見えです」と。胸元があまりにも無防備なのです。

「もぉ少し近づいちゃおう!」
妻は自ら椅子を移動させ、横山さんと肩がぶつかるほどに近づきました。
二人はお酒を注がれ注ぎ返し、私の倍のペースで飲み続けます(笑)
これはもしかすると?..私は複雑な心境に陥りました。
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