妻と男の物語


スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告


伯爵からの招待(14)<了>

[6066] 伯爵からの招待(14)<了> 角笛 投稿日:2009/02/09 (月) 17:02
28 〝女王さま〟降臨

 新生児室の赤ん坊はスヤスヤとよく眠っていた。赤ちゃんの様子を確認したあと、私と美和と伯爵は談話室に向かった。美和は産後の肥立ちもよく、とても健康そうな顔色をしていた。
「今日はわざわざのお見舞い、ありがとうございます〝伯爵〟」
「美和、〝伯爵さま〟に失礼だろ。どうして〝伯爵さま〟と言わないのだ?」
「あら、伯爵は伯爵よ。それ以上でもそれ以下でもない。ねっ? 伯爵」
「どうやら彼女は、もう私の威圧に屈することがなくなった、ということを強調したいようだね? そういうことだろ?」
「あら、ものわかりが早くて結構ですわね。そうよ、あなたは伯爵。わたしの支配下にあるのよ。おわかり?」
 美和は上から見下ろすような視線で私と伯爵を見ながら、唇の端に笑みを浮かべていた。
「わたし、伯爵には感謝していますのよ。伯爵一族に伝わる優秀な遺伝子をわたしに提供してくれたことを。そして、わたしの失われていた記憶を生理的にも、精神的にも思い出させてくれたことを」
 美和は乾いた唇を舐めてしばらく沈黙した。そして、ニコッと笑うとこう言った。
「わたしは『人類史上最も優秀な遺伝情報を継承した一族――母系で密やかに守り続けられていた一族――の末裔』なのよ。いい? あなたが〝伯爵の力を誇示する一族の末裔〟なら、わたしはさしずめ公爵、いいえ、〝王の力を受け継ぐ一族の末裔〟とでも言っておけばよいかしら。私の精神と肉体は、最も誇り高く淫乱な一族の力を備えているのよ」
 美和はいつのまにか仁王立ちで私と伯爵の前に立っていた。

「心配することは何もありませんわ。今までどおり、普通に暮らしていけばいいのよ。伯爵は〝冴嶋部長〟として私たちの上司であり、また、〝伯爵〟という私の配下でもある。あなたはわたしの〝夫〟であると同時にわたしの忠実な〝しもべ〟。何もむずかしいことはないでしょ? あなたたちはわたしの命令どおりに動けばいいのよ。受精適期――発情期――になると無性にセックスしたくなるから、そのときはあなたたちにいろいろ協力してもらわないとね。あなたは夫だけど、わたしはあなただけに縛られる気はないから。もちろん愛しているわ。たぶんこの世でいちばんね。でも、それとセックスは別よ。ひとの『倫(みち)』を外したくなるときには、思う存分羽目を外すつもりよ。淫靡で妖艶で退廃的に。快楽と悦楽に満ちた官能の世界に。ああ、いまから楽しみだわ。わたしのあたらしい未来」
 美和は、空の向こうの彼方を見つめているような視線で天井の隅に顔を向けていたが、私と伯爵に向き直って言った。
「これからわたしたちだけのときには、わたしのことを〝女王さま〟と呼んでちょうだい。いやねえ、SMの女王といった変な意味ではないわよ。文字どおり、正真正銘、あなたたちを統べることのできる最高の〝女王さま〟よ。いい? わかった!?」
 私と伯爵――冴嶋部長――は、美和の前で頭を垂れて恭順の意を示した。この瞬間から、私も伯爵も、佐伯美和を信奉する忠実な〝しもべ〟となった。

 私、佐伯亮輔にとっては、これからも美和とその娘――〝女王さま〟と〝伯爵〟の血を継ぐ女――に翻弄される日々が続いていくわけだが、淫蕩にして芳醇な快楽に満ちたその物語について話すのはまたの機会に譲るとしよう。

<伯爵からの招待:了>
  1. 2013/08/20(火) 05:49:53|
  2. 伯爵からの招待
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0


伯爵からの招待(13)

[6065] 伯爵からの招待(13) 角笛 投稿日:2009/02/09 (月) 17:01
24 淫蕩の日々、そして……

 美和が妊娠してから安定期に入るまでのあいだは、おとなしいセックスが続いた。といっても、毎夜、伯爵の男根をしゃぶって口唇奉仕していたし、ときには汁男たちがやって来て淫蕩の限りを尽くしていた。
 臨月が近づいてくると、徐々に美和の乳輪の色素が濃くなってきた。淡いピンク色だった乳首も茶褐色を帯び、いよいよ母親となる時期が近づいてきた。
「伯爵さま、いま、赤ちゃんが動きましたわ」
「おお、元気そうでなによりだ。佐伯! 私たちの赤ちゃんは順調に成長しているようだよ。きみも慶んでくれるかね?」
「あなた……ごめんなさい。複雑な気持ちなのは、わかるわ……。でも、どうか慶んで欲しいの。だって、この子は私たちの子として戸籍に登録し、育てていくんですもの。ねっ? お願い、この子を愛して……。勝手な言い分だとは思うけど、この子をあなたの子供として、お願い……」
 美和の切れ長の目からは涙が溢れていた。この瞬間、彼女の言っていることは真実だった。彼女は心から、そうなることを――私が、〝美和〟と〝伯爵〟の子を〝自分の子供〟として愛することを――望んでいるようだった。
「わかっているよ……。いや、わかっているつもりだよ……」
 私は、いまできる最大限の微笑みをもって美和に答えた。
「麗しい夫婦愛だねェ……。いや、失礼」
 伯爵は居住まいを正すと、私と美和に向き直った。
「さて、そろそろ出産も近いからきみたちに言っておこう。これからのこと。よく聞いておいてくれたまえ」
 伯爵はそう言うと、厳粛なる面持ちで話し始めた。


25 伯爵の予定

 美和は、私の遺伝子――わが一族に伝わる誇り高き〝伯爵〟の血――を宿す子を産んでくれようとしている。そして同時に、私の遺伝情報によって美和自身も変わっている。生理的にも、精神的にも、私に感化され、いままでとは全く違う人格に変わろうとしている。わが遺伝情報に対する適合度・親和性が異常に高すぎる点が少し気になるが、だいたい、〝花嫁〟はいつもこんな感じなのだよ。
 そして出産。
 子を産むという行為は、女性を根底から覆す力がある。いままでの価値観とは異なる、コペルニクス的転換を強いる充分たる力が備わっている。
 その〝時〟を迎えた〝花嫁〟は、子を産む瞬間に『私との全ての記憶を失い、リセット』される。私と係わったことをいっさい忘れてしまうのだよ。だから佐伯くん、安心してくれたまえ。私はきみのことを〝佐伯くん〟、彼女のことを〝美和さん〟と呼ぶようになり、彼女は産まれてくる子を〝きみの子供〟と信じて疑うことはない。きみが本当のことを言わない限り、彼女は真実を思い出すことはない。
 わかってくれたかい? きみが口を閉ざせば、真実は闇に葬られ、ウソが新たな『真実』となる。それを守り、子を育てていくことが、〝しもべ〟たるきみの役目になるのだよ。
 では、出産の日までのしばらくのあいだ――私にとっては残り少ない〝きみたちとの蜜月〟の日々――を愉しむとしようか。


26 出産 ~美和覚醒

 美和はとてもかわいい女の子を出産した。彼女に似て目鼻立ちの整った、色の白い女の子だった。この子は将来きっと美人になる。私は、遺伝学的・生物学的な意味での父親ではなかったが、うれしかった。
 出産直後の女性は最高に美しいというが、美和はほんとうにキレイだった。女としての美しさ、母親としての慈愛に満ちた美しさ、そして人妻としての妖艶な美しさ。頬をピンク色に染めて、やさしく赤ちゃんに微笑みかけている美和を見ていて、私は幸せを感じずにはいられなかった。
「あなた、赤ちゃんがいま、わたしを見て笑ったわ。ほら」
「ああ、ほんとだね。かわいいね。ぼくたちの赤ちゃん」
「あら? 違うわよ。赤ちゃんは〝わたし〟と〝伯爵〟とのあいだに出来た子よ。あなたはわたしの愛する〝夫〟であると同時に、わたしの忠実なる〝しもべ〟でしょ?」
「えっ」
 わたしの目の前は一瞬にして真っ暗になった。美和……。いったい、どういうことだ……。


27 伯爵の誤算

「彼女は私のことを確かに〝伯爵〟と言ったのだね?」
「ええ。そして産まれたきた子のことを『伯爵とわたしの子』と言ってました。これはどういうことなのでしょう? 伯爵さまはおっしゃいましたよね。子を産む瞬間、彼女は全てを忘れてリセットされると。それがどうして……」
「やはりそうか……。まさかとは思っていたが……」
「えっ。どういうことなのです? わかっていたのですか?」
 伯爵は厳しい顔つきで私を睨むように見ながら言った。
「前に私が言ったのを憶えているかね? 私の遺伝情報に対する彼女の適合度・親和性が高すぎると言ったことを。私の遺伝子を取り込み、肉体的にも精神的にも、彼女は感化されていったが、異常に早過ぎるのだよ。あれは感化された、影響されたというより、むしろ……」
「むしろ何なんです? 伯爵さま、おっしゃってください」
「あれは、『元々備わっていた特性・能力が呼び起こされて』淫行に耽っていた、と言うのが相応しいような気がする」
「えっ? どういうことです。わかりやすく言ってください」
「彼女は元々、『わが一族に伝わる遺伝情報』を、極めて純粋なかたちで持つ続けていた女――生まれながらにして〝伯爵〟の能力を備えていた女――であるということだよ」
 私は伯爵の言葉を呆然と聞いていた。伯爵はさらに続けた。
「そう考えれば合点がいく。彼女の適応力、セックスに対する積極性、淫乱に耽るさま。そして、普段はそんなことを全く思わせない貞淑な姿。淫乱と貞淑を使い分ける二つの顔を持つ魔性の女。私とのセックスで彼女が変わったと思っていたのは全くの誤解だったんだ。確かに私とのセックスで彼女は変わった。しかし、それは彼女の本来の性質を呼び起こすキッカケにすぎなかった」
 伯爵の声はどこか弱々しかった。いつもの威厳に満ちた、威圧感のある声ではなかった。
「明日、彼女に会いに行くよ。それで全てがわかる」
 私は伯爵のマンションをあとにした。

<つづく>

  1. 2013/08/19(月) 19:49:02|
  2. 伯爵からの招待
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0


伯爵からの招待(12)

[6064] 伯爵からの招待(12) 角笛 投稿日:2009/02/09 (月) 17:00
23 汁男たち

 妊娠してから出産直後までのあいだ、女性はいちばん美しくなるという話を聞いたことがあったが、確かにそれは本当のようであった。伯爵の子を宿した美和は、いつにも増して美しく変わった。子を孕み、大人の女の魅力が加わった美和は、艶かしいフェロモンを周囲に撒き散らしながら自らが育む新しい生命と、〝母〟となる悦びに満ち溢れていた。
 悦び!?
 他所の男――亭主以外の男――の種で妊娠して悦んでいる!?
 私は複雑な気持ちであった。私の存在はいったい何なのだ? 美和にとって、ただ、戸籍上の亭主であるに過ぎないということか? なんなんだ、いったい。

「美和は、私――〝伯爵〟――の子を妊娠した瞬間、〝花嫁〟から〝伯爵夫人〟に地位が変わったと考えてくれたまえ。〝しもべ〟たるきみは、〝伯爵夫人〟にもしっかり仕えてくれよ」
 幸せそうに微笑んでいる美和に笑みを投げかけると、伯爵は私に向かってそう言った。そして、さらにつけ加えた。
「しかし、どうだい? 愛する妻が他所の男の子供を宿しているというこのシチュエーションは。きみの子ではない、全く赤の他人の子を妊娠している妻が、幸せそうにしているのを見るのはツライだろ? 屈辱的だろ? この腹の中には私の子が宿っているんだよ。」
 伯爵は鼻を鳴らしてあざ笑うと、つとめてやさしい笑顔をつくって、私にささやきかけるように言い放った。
「究極の被虐性に満ちた悦楽。きみは、これ以上ないマゾヒストの地位に在るのだよ。心の中では、妻を寝取られたくやしさに憤りながら、どうすることもできずに甘受せざるを得ない屈辱。絶対的な征服者の前にひれ伏す以外為す術のない敗残者。どうだい? 己の境遇を考えたら、また勃起してきたのではないか?」
「イヤーん、伯爵さま。わたしの旦那さまをそんなにいじめないでください」
「すまないねえ。だが、互いの地位はハッキリさせとかないといけないのでね」
「あなた、大丈夫? 伯爵さまの子を妊娠してはいるけど、わたしはあなたのことをいちばん愛しているのよ。ほんとうよ。信じて……。あっ……。伯爵さま……」
 伯爵に首筋をキスされて、美和の言葉は中断されてしまった。目を伏せた私は、自分の股間に目をやった。伯爵の言っていることは本当だった。私は勃起していた。私の男のシンボルはこれ以上ないくらいギンギンに立っていた。

 玄関チャイムの音が鳴って、しばらくすると男たちがぞろぞろと入ってきた。8人いた。その中には、商企一課長の小泉も混じっていた。
「待っていたよ、きみたち」
 伯爵が8人の男たちに向かって言った。伯爵の部屋の鍵を持っているということは……?
「美和、佐伯。彼らも佐伯と同じく私の〝しもべ〟たちなのだよ。今日はその中からも選りすぐりの8人に来てもらった。商企一課長の小泉くんも〝しもべ〟なのだよ。彼の奥さんも、かつて私の〝花嫁〟として、私の子を産んでくれたのだ。」
 伯爵はさらに続けた。
「本日、彼らに集まってもらったのは、懐妊した美和を祝福してもらいたくてねェ。お祝いのセレモニーだよ。これは定番でね。佐伯、そこにあるビニールシートを敷いてくれたまえ」
 私は伯爵に指図されたとおりビニールシートを広げて部屋に敷いた。伯爵は8人の男たちに向かい、
「きみたち、ちゃんと2週間禁欲を守っただろうねェ。しっかり男のエキスを溜め込んだだろうなあ」
 と言った。男たちは皆、首を縦に振った。
「さあ、美和、ここにおいで。そうして、彼らからの祝福を受けてくれたまえ。真っ白なザーメンを身体いっぱいに受けて、トロトロになってくれたまえ。『ぶっかけ』サービスだよ。汁男たちのくさい汁で身体中を汚されて、淫蕩に耽ってくれ。興奮するよ。気持ちいいよ。佐伯はそこで見ているだけだよ。きみの奥さんが汁男たちの精液を浴びて堕とされていくのを『指を咥えて』見ていてくれ」
「伯爵さま、そんな……。イヤッ……。あっ……。ダメッ……。あなた……。ああっ……」
 いやがる美和をシートの真ん中に引きずりこむと〝しもべ〟にして〝汁男たち〟は、既に全裸だった美和の身体を愛撫し始めた。
「あっ……そんな……イヤッ……ああ……あっ……」
 美和が汁男たちの手に堕ちていくのに、そう時間はかからなかった。汁男たちは美和を舐めまわしながら交代で服を脱いでいった。
「いいか、わかっているな。花嫁の『膣』、『子宮』、『陰部』などをおまえたちの精液で汚すでないぞ。彼女が無事出産するまでのあいだ、そこは聖域だ。私以外のザーメンが一滴たりとも触れることは許さない。だが、それ以外の場所は自由だ。もちろん『口』を汚すことも許す。精飲させてもいい。ゴックンOKだ。美和も好きだろ? いろいろな男の、2週間溜め込んだ濃いエキスをいただけるゾ。さあ、好きなように淫蕩の限りを尽くしたまえ!」

 それからの光景は、あまり詳しく話したくない。とはいえ、全く話さないわけにもいかないから概略を言う。
 伯爵はソファーのドカッと坐りこんで美和と8人の汁男たちの淫らな行いを見ていた。美和は8人の汁男たちに、同時にさまざまな部位を攻められていた。キスをする者、オッパイを揉む者、陰唇を舌で舐める者、美しい脚線を下から上まで舐め尽くす者、尻の肉の量感を両手で確かめる者、髪を撫でる者、耳を吸う者、……。彼らは皆、それらの行為のあいまや最中に自分をペニスをしごいていた。そして、臨界点に達するとそれぞれの攻撃目標に向かってザーメンを放出した。
 口、顔、髪、胸、腹、……。ありとあらゆる箇所が、汁男たちの俗悪なる粘液で汚されていった。汁男たちはそれぞれ、何度も何度も、しごいては放出、しごいては放出を繰り返した。2週間以上溜められていたリビドーは、最高のターゲットを得て噴出していた。部屋中が、生臭い雄の匂いに満たされていた。
 最初はイヤがっていた美和は、すぐに堕ちていった。自らペニスを咥え、しごき、口腔内への発射もすすんで受けていた。口中をくさい白濁液に満たされ、恍惚の表情を浮かべていた。直接の上司である小泉商企一課長に飲むように言われると、平気で彼の精液をゴックンした。嚥下する瞬間、美和の喉が大きく動いたとき、私は確かに『ゴックン』という音を聞いた。

 長い時間が経っていた。汁男たちはそれぞれ何十発という放出を繰り返し、美和にくさい汁を浴びせかけた。美和は白濁する粘液でドロドロに身体が溶けかけているように見えた。それは、快楽という蜜に溶けかけている女そのものであった。
 伯爵から命じられる〝しもべ〟の奉仕としては最高のイベントを終え、汁男たちは去って行った。伯爵の部屋は、また、伯爵と美和と私の三人になった。
「佐伯、悪いが美和を風呂に入れてキレイにしてやってくれたまえ。きみも股間をキレイにしてサッパリしたいだろう。そのあとで、部屋をキレイに片付けてくれ。汚れたビニールシートは捨ててくれてかまわん。くさいからしっかり梱包してくれよ。私は少し眠ることにする。では、頼んだゾ」
 剥き出しになった私の股間は精液で汚れていた。美和たちの淫らな行為を傍観しているしかなかった私は、自らの手で屹立した肉棒を鎮めるしかなかった。何発も、何発も抜いた。乱交(ペニスを挿入されたわけではないが、言葉のあやとして)に耽て乱れる美和をオカズに自慰行為を繰り返す私は、『被虐的快楽の淵』に沈んでしまったのかもしれない。もう私たちは後戻りすることはできなかった。

<つづく>
  1. 2013/08/19(月) 15:02:24|
  2. 伯爵からの招待
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0


伯爵からの招待(11)

[5930] 伯爵からの招待(11) 角笛 投稿日:2009/01/25 (日) 15:03
20 受精適期 ~伯爵の推論

「美和はだいぶお愉しみのようだったが、青田くんたちに『中出し』はされてなかったんだな?」
「ええ。たぶん大丈夫だと思います。乱交状態で何度もブチ込まれていたようですが、机の上に中身の入った使用済みコンドームが並べられていましたから。青田さんもゴムで避妊しているから安心しろ、と言っていましたし……」
 伯爵に訊かれて私は見たとおりのことを答えた。青田のマンションを辞したあと、伯爵と美和と私の三人はそのまま伯爵のマンションに直行していた。美和はソファーに身体を横たえて眠っていた。
「口内にも射精されたようだが、飲まされていたのか?」
「いえ、そちらも大丈夫だと思います。吐き出させましたから……。あっ。私が踏み込む前のことは確認できてませんのでわかりませんが……」
「ふーん、まあいい。私の大事な〝花嫁〟の体内に俗物どもの遺伝子が注入されるのは、あまり気持ちのいいものではないからね」
 私の妻を自分がもてあそんでいることは棚に上げて、伯爵は勝手なことをのたまっていた。
 伯爵は眠っている美和の方に目をやったあと、私の方に向き直って言った。
「美和の様子が今日は少し変だったと言っていたねェ。どんなふうにおかしかったんだ?」
「そうですねェ……。なんか身体がやたら熱っぽい、と言っていましたし、自ら進んで青田さんたちの誘いに乗り、そのまま淫らな行為に走ったにもかかわらず悪びれた様子もありませんでした……。ふだんの美和からは考えられないことです。伯爵さまの命令以外のことで……」
「ふーむ、そうか……。思った以上に私との適合度が高いのかもしれないなあ……」
「えっ?」
「ふうむ。美和は、いま『受精適期』にあると思われるんだよ」
「『受精適期』ですか?」
「ああ。きみも知っていると思うが、女性はその生理的メカニズムから、ひと月のあいだに『卵胞期』、『排卵期』、『黄体期』、『生理期』の4つのサイクルを経て生きている。ちょうど『排卵期』から『黄体期』にまたがる時期に受精可能な期間があって、それを『受精適期』と呼ぶのだよ」
「えっ、そうなんですか」
「『受精適期』は、文字どおり『受精に適した期間』であるから、子種を得るために発情した雌となるわけだ。だから彼女は、青田くんたちの誘いに乗ってその膨れ上がった性欲を満たそうとしたのかもしれない」
「えっ、でも、今までそんなことは一度もありませんでしたよ。普通にエッチな感じはありましたが、あんな淫らになることはありませんでしたよ」
 伯爵は窓の外に目をやってしばらく黙っていたが、私に背中を向けた状態のまま口を開いた。
「忘れてもらっちゃ困るが、美和は既に私の精子を体内に注ぎ込まれた女なんだよ。膣内射精した精子は子宮から、口内射精した精子は胃腸から吸収されて血液中へと、侵入した私のDNAは遺伝子レベルで彼女を変革させているのだよ。私の精子を受けた美和は、もう以前の美和ではない」
 私は伯爵の言うことを黙って聞いていた。
「わが一族に遺伝されている〝伯爵の力〟は、遺伝情報を注入した人間を根本から変える。肉体的にも精神的にもね。わが遺伝子に備わった〝力〟によって本能を活性化された女は、その生殖能力に関するポテンシャルを最高の状態に保つのだよ。つまり、セックスに貪欲になるということだ。快楽を求め、種族保存のために最良の雄の子種を得ようとね……」
「そんな……美和が……セックスの虜になんて……」
「心配するにはおよばない。淫乱な状態になるのは基本的に『受精適期』のあいだ、ひと月の中でも約1週間ちょっとのあいだだけだよ。しかし、美和の場合は少し気になる点がある……。変化が早すぎる……」
「どういうことなんです。教えてください」
「ふうむ。〝伯爵の力〟に活性化されたからといって、普通はすぐに変わることはない。セックスを重ね、少しずつ、少しずつ、淫乱性を身につけていく。だが、美和の場合は変化が早すぎる。私とのセックス三昧はこれからだというのに、既に……。わが一族に伝わる遺伝子との適合度が高すぎるか? いや、親和性が良すぎると言ったらいいのかな? いずれにしても変化が早すぎる。まるで元からそういう特性を持っていたように……。まさか!? いや、そんなはずはない。確率的にもほとんどありえないはずだ……。しかし、考えられないことではないか……」
「何が考えられないことではないのですか?」

 私がそう問い詰めたとき、ソファーで眠っていた美和が目を覚ました。大きく伸びをすると、伯爵に向かって口を開いた。
「ああー、よく眠ったわ。さあ、伯爵さま、エッチしましょ! ねえ、早くーン」
 美和は私のことなど眼中にないようで、伯爵にセックスをねだり始めた。
「なんか身体が火照るように熱いんですの。ムラムラして我慢できないわ。伯爵さまー」
「わかった、わかったよ。たっぷりエッチしよう。美和は『受精適期』にあるから、しばらく子作りに専念することにしよう」
 伯爵は下品な笑みを唇の端に浮かべてそう答えた。そして、私の方を向き、
「私と美和は、明日からしばらくのあいだ会社を休む。佐伯は適当な理由を考えて、美和の休暇を明日申請しておいてくれたまえ。商企一課長の小泉くんへは私からも連絡を入れておくから安心したまえ。きみはこれから一度自宅へ戻って、美和の着替えなど身の周りの品を用意したまえ。しばらく美和はこの家で寝泊りすることになるからね。きみにも食材の買い出しや食事の用意、洗濯など、いわゆる家事全般を手伝ってもらうことになるから、なんなら着替えを用意して一緒に泊まってくれてもいいよ。通いは面倒だろうからね。会社にはここから出社すればいい」
「えっ」
「何をグズグズしているんだ。さっさと着替えを取りに帰りたまえ、佐伯! これはこの部屋の合鍵だ」
「……かしこまりました……」
 私はトボトボと玄関へと歩いて行った。背後からは、美和が伯爵に媚びている淫らな声が聞こえてきた。私はその声を頭から振り払い、伯爵のマンションをあとにした。

21 淫乱と服従

 約1週間泊まれるだけの着替えを用意し、私は再び伯爵のマンションに戻ってきた。寝室では全裸になった二人が、セックスの真っ最中であった。仰向けに寝た伯爵の顔の上に、股を開いて美和がまたがっていた。髪を振り乱し、背中を震わせていた。
「佐伯か? 早かったなあ、ご苦労さん」
「ああっー、そこ……。あっ……。伯爵さま……」
 美和のアソコを舐めながら伯爵は言った。
「佐伯よ、美和はクンニも好きなようだねェ。とても気持ちイイようだよ。いまは『蟻の門渡り』を味わっているところだよ」
 伯爵は陰部と肛門を結ぶ敏感な箇所を、やんわりと舌で刺激しているようだった。もちろん、私は美和のそんなところを愛撫したことはない。くやしいが、美和は伯爵の手によってどんどん開発されているのであった。
「あーん、エッチ。今度は美和が伯爵さまの立派なモノをしゃぶらせていただきますわ」
 美和はシックスナインの体勢に変わると、既に勃起して猛り狂っていた伯爵のイチモツをしゃぶり始めた。亀頭を舌で舐め、カリの部分まで口に含むと頬を窄めて吸っていた。さらに喉の奥まで深く咥えこむと、ジュバジュバ音を立てながらストロークさせた。
「おおー、気持ちイイよ、美和。だいぶフェラチオがうまくなってきたねェ。良かったなあ、佐伯。きみの奥さんはとても上達が早いよ。さあ、美和。そろそろ私のシンボルの上に腰を下ろしてくれるかな。騎乗位でグラインドしてくれたまえ。まったりと腰を前後に振ってくれよ」
「ンふっ。伯爵さま」
 美和は伯爵の股間の上に股を開いて仁王立ちすると、ゆっくり腰を下げていった。既に自らの愛液と伯爵の唾液とでトロトロに濡れそぼっていた陰唇に右手を伸ばすと、指で小陰唇を開いて亀頭をあてがった。左の人差し指を口に咥え、媚びる目つきと甘えるような仕種を取りながら、ペニスの先の感触を淫口で確かめていた。
「ああー、伯爵さま。熱くて、とても硬いですわ。私の下のお口に……。ああ……」
 伯爵の巨大な肉棒は、根元深く、美和の蜜壺へと沈んでいった。その光景を見ながら、私はまた、信じられないぐらい硬く勃起していた。

22 懐妊

 伯爵のマンションに寝泊りする日々が続いた。私はソファーで、伯爵と美和は寝室で眠った。朝、私が出勤するときに伯爵と美和は全裸でベッドの中にいた。仕事を終えて買い物をし、マンションへ帰ると、やはり伯爵と美和は全裸でベッドの中にいた。彼らは、食事のときと風呂・トイレに席を立つ以外は、ずっとベッドで過ごしているようだった。
 私が家事を受け持ち、シーツを替えて掃除をしていなければ、きっと寝室は獣の住処と化していたことだろう。雄と雌が、ただ子作りをするためにまぐわっている。美和はひたすら伯爵の子種を受け容れることに執着していたし、満足を得ているようであった。
 寝室を覗くと、あるときは正常位だったり、また、あるときは後背位だったり。騎乗位のときもあれば対面坐位のときもある。フェラチオしていたり、クンニしていたり、シックスナインだったり。オッパイをしゃぶられているときもあった。亭主である私のことを全く無視して伯爵とセックスしている美和を見ていると、とてもみじめな気持ちになった。自分はいったい美和にとって何なのだろう? 夫ではないのか? 私の中の被虐性に火がついた。妻を寝取られたくやしみ。他所の男に身体を開き、夫の目の前で淫行を繰り返す堕ちた人妻。複雑に膨張した私のリビドーは、通常のセックスでは味わえない快感へと昇華し始めていた。何度も何度も、彼らのセックスを見ながら自慰に耽っていた。
 あとで考えると、この頃既に、美和の中では、『私』のことも『伯爵』のことも今までとは全く違う定義の存在に変わっていたように思われる。だが、このときにはまだ、私も伯爵もハッキリとは気づいていなかった。

 1週間ちょっとと思われる『受精適期』が終わっても、あいかわらず伯爵のマンションでの共同生活は続いた。さすがに伯爵も美和も休み続けるわけにはいかないので社には出るようになっていたが、帰宅すると私をそっちのけでセックス三昧に耽っていた。私は彼らの執事であった。召使いであった。小間使いであった。屈辱的な生活に私が完全に適応したころ、美和は懐妊した。もちろん、伯爵の子供である。私たち三人は、あらたな局面を迎えようとしていた。

<つづく>
  1. 2013/08/19(月) 10:07:49|
  2. 伯爵からの招待
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0


伯爵からの招待(10)

[5868] 伯爵からの招待(10) 角笛 投稿日:2009/01/16 (金) 02:11
18 とろける美和

 少し道に迷いはしたが、やっとのことで青田のマンションに辿り着いた。かなり時間が経過していた。
 いざ、ベルを押すだんになって私は躊躇した。なんと言って訪ねればいいのだろう。うちの家内がお邪魔していませんか、とでも言うのだろうか? 考えていてもしかたない。とにかくすべてはベルを押してからだ。私は意を決してチャイムを鳴らした。
 しばらく待っても反応がなかった。再び鳴らすも、やはり反応がない。おかしい。もしかしたら青田の家ではなかったのか? 私は若干のあせりを感じながらドアノブに手をかけた。開いた。鍵はかかっていなかった。私はゆっくり静かにドアを開けて中の様子を伺った。まるで空き巣だな。
 耳を澄ますと奥の部屋から人の声が聞こえてきた。男の声と女の声。その響きには、艶やかで淫靡な波動を感じた。
「こんばんは。すみません」
 私は奥へ向かって声をかけた。

 しばらく待っても反応はなかった。玄関に美和の靴が脱いであるのを確認した私は、勝手に上がりこんで奥の部屋へと向かった。廊下の突きあたり、リビングルームに美和はいた。
 美和は全裸であった。同じく全裸で床に仰向けになっている青田と局部をドッキンングし、騎乗位で腰を振っていた。口には仁王立ちしている赤井のイチモツを咥え、背後からは白川にオッパイを揉まれながら、眉間に皺を寄せて、んぅー、んぅー、と声にならないうめき声をあげていた。傍らに立っている黒木はマスをかきながら美和たちのセックスを眺めていた。
「美和……」
 私が思わず声を発すると、フェラチオしてもらっている最中の赤井が気づき、こちらに目を向けた。
「佐伯……なんで……ここに……」
 赤井のチンポが美和の口から引き抜かれ、美和も私の存在に気がつき声を出した。
「あなた……」
 そのあいだも腰を動かすことは忘れていない。
「佐伯くんか。すまんなあ。ちょっと成り行きで奥さんを借りているよ。まあ悪く思わんでくれ。ちょっとした弾みの出来事さ。とりあえず、ちゃんとゴムはつけているから安心してくれたまえ」
 寝転んだまま、青田がそう言ってきた。
「すまん、佐伯」
 赤井は両手を合わせて、ゴメン、のポーズをとった。人の新妻を寝取っておいて、この男たちは何を言っているんだ。理解に苦しむ。
「美和、これはいったいどういうことだ。説明してくれ!」
「あなた、ごめんなさい……。今日は火照ったように身体が熱くて、我慢できなかったの。とてもエッチな気分で、セックスしたくて、どうしようもなかったの。ごめんなさい……。あっ……。気持ちイイ……。青田さん、もっと腰を……。あぁ……」
 美和たちを引き離そうとしたら、黒木が私の身体を押さえ込みにきた。
「まあまあまあ、佐伯さん。落ち着いてください。ちょっと羽目を外しすぎましたが、大目に見てやってください。ちゃんとゴムは使いますから、しばらく見とってください」
 私はソファーに無理やり坐らされた。目の前の机の上には、さまざまなデザインのコンドームが散乱していた。そしてその横には、使用済みのものも並んでいた。先ほど吐き出されたばかりと思われる精液をたっぷり溜め込んだものが、こぼれないよう慎重に並べられていた。全部で5つあった。
「美和ちゃん――きみの奥さん――は、とっても締まりがイイから、みんな5分ともたないんだよ」
「キツキツマンコに、みんなあっというまに撃沈ですわ」
 青田と白川が口々に言った。白川はさらに背後からのオッパイ攻撃を、鷲づかみで揉んでいる状態から、乳首を指先で弦を弾くように切り替えた。
「あっ、ダメェ……ゥフン……もっと……」
 美和の腰を振る動きが激しくなる。それに呼応するように、うっ、と声をあげて青田が果てた。白川も美和の口の中にザーメンを放出した。
「美和、ダメだ。飲んだらダメだ……」
 私の声が聞こえたからかどうかわからないが、美和は口を開いて口中の精液を吐き出した。まるで生きているかのように、白い液体がトローリと垂れ落ちた。

「そこまでだ!!」
 背後を振り返ると、そこに冴嶋部長――伯爵さま――が、いつのまにか立っていた。

19 伯爵とともに

「もう十分愉しんだだろう。それぐらいにしておきたまえ」
 伯爵がそう言うと、みな口々に、部長!、と声をあげた。
「私の名において命令する。おまえたちは全員、今から私の〝しもべ〟だ。私に従ってもらう」
 〝威〟という文字を名に刻む一族の末裔である伯爵は、凛とした声で厳命した。
「きみたち四人も、いずれ結婚するときにはその伴侶を私に差し出してもらうことになるよ。我が愛しの〝花嫁〟としてね。フッフッフ……」
 そうして伯爵は私の方を向くと、やや厳しい顔つきになって言った。
「佐伯、帰るゾ。美和に服を着せて。さあ、急いで……」
 脱ぎ捨てられて散らばっていた美和の下着――といっても、小さなショーツだけだったが――を拾い上げ、美和に履かせた。そして、薄いグレーの格子模様の入った白のワンピースを着せると、伯爵とともに青田のマンションから立ち去った。

<つづく>
  1. 2013/08/19(月) 05:47:01|
  2. 伯爵からの招待
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0


伯爵からの招待(9)

[5600] 伯爵からの招待(9) 角笛 投稿日:2008/12/14 (日) 17:54
16 美和の評判

 朝いちばんからの会議のため、早めに出勤しようと私は支度を急いでいたが、今朝にかぎって美和はなかなか起きてこなかった。しかたがないので、まだ眠っている美和に声をかけてから今日はひとり先に出かけることにした。美和は熟睡していた。
「起こしてごめん、美和。今日は朝いちから打ち合わせがあるので先に行くよ」
 けだるそうに目を開けると、美和はゆっくりと口を開いた。
「……あなた、ごめんなさい……。ぐっすり眠っていて目覚ましに気がつかなかったわ」
「昨夜はうなされていたようだったけど、大丈夫かい?」
「……ええ……。なんか、少し熱っぽい感じだけど、大丈夫と思うわ。たぶん……」
「風邪か? 具合が悪かったら無理するなよ」
「ええ、ちょっと身体が熱いだけよ。大丈夫。追っかけて支度するわ。あなた、いってらっしゃい」
「ああ、それじゃー、行ってくるよ」
 私は美和にキスをし――この程度の交渉は、伯爵の支配下でも大丈夫だった――部屋をあとにした。

 私が所属している商品企画部――部長が冴嶋威信、つまり〝伯爵〟さまだが――は、商企一課(商品企画一課)から商企六課の六つの課から成り立っている。私はその中の商企三課に、美和は商企一課に属している。
 午後三時少し前ぐらいだったろうか? 休憩がてら、私はトイレの個室で便器に腰を下ろしていた。早い話、大きい方を催していたのである。事をスッキリ済ませ、ウォシュレットで尻をキレイに洗ってパンツを上げようとしたとき、トイレに入ってくる人の声が聞こえてきた。小便のようだったので、彼らをやり過ごしてから個室を出ようと少し待つことにした。

「赤井さんと顔合わせるの久しぶりですね」
「ほんと、久しぶりだな。元気にしてた?」
「ええ、まあ。それより商企一課はいつも調子いいですよねェ」
「二課には負けるよ。そんなことより黒木、今日の美和ちゃん見たか?」
「えっ? 美和ちゃん? 一課の山元美和のことですか?」
「違う。このあいだ結婚したから今は佐伯美和だよ。そんなことはどうでもいいんだ。今日の彼女の服装見たか?」
「あー、見ました見ました。制服のベストを脱いでブラウスだけなんですよね。胸が躍っているって、うちの課(二課)でも午前中にちょっとした評判になっていましたよ」
 うちの会社の女子社員は基本的に制服を着用しているが、ローズピンクのベストとタイトスカートに白のブラウスという組み合わせで、ちょっと可愛くプチセクシーな雰囲気だ。下着が透けるのを警戒してか、夏でもだいたいベストを着ている娘が多い。いまはまだ夏服ではないが……。
 二人のうちひとりは私の同期で商企一課の赤井のようであった。もうひとりは、どうやら商企二課の黒木のようであった。黒木は美和と同期のはずであった。
「黒木くんは表面しか見えていないねえ。今日の美和ちゃん、たぶんノーブラだぞ」
「えっ、うそー!?」
「一課は朝から仕事にならない状態だよ。オッパイの先っちょがうっすら透けていて、おまけに動くたびに揺れるだろ? たまらんよ。元々、美和ちゃんってスゴイ美人じゃん? 結婚して人妻になったら色気がさらに乗って、向かうところ敵なし、っていう感じさ。うちの新人くんなんか、ボオッー、と見とれていたりしてさぁ。あいつの今晩のオカズは美和ちゃんだぜ。まちがいない」
「ほんとですか? ノーブラ!? あとで見に行きますわ」
「ベスト脱ぐとセクシーだよな。ウエストが細くて、タイトスカートのヒップ周りがムチムチとしていて……。あかん、また勃起してくるわ……」
「こんなところでやめてくださいよ……」

 私が入っている個室はトイレのいちばん奥だったので気付いていないのか、それとも無視しているのかわからないが、二人は美和のことで盛り上がっていた。用をたしたあともいっこうに出ていく気配がなかった。私は個室を出るタイミングを逸し、仕方なく息を潜めて会話に耳を傾けていた。
「それでさあ、黒木ちゃんは今晩暇ある? 飲みに行かない? 美和ちゃんもいるよ」
「えっ、どういうことです。今晩は特に予定は入っていませんが……」
「美和ちゃんが妙にエロエロモードでさ、俺たちも我慢できなかったわけよ。青田さんが美和ちゃんに『今晩久しぶりにみんなで軽く内輪の宴会やらないか?』って声をかけたところ、以外にもOKが返ってきたのよ。ダメで元々だったんだけど……」
 商企一課の青田は私より確か2年先輩だったはず。あの青田さんが……。
「行きます、行きます。オレも混ぜてください」
「そう言うと思ったよ。美和ちゃん、キレイで色っぽいよねェ。そのうえ、今日はエロいよ。もしかしたら『ヤレル』かも、なんてね。商企三課の佐伯さんには、このこと内緒だぞ」
「諒解。ところで何人集まるんです?」
「美和ちゃんを囲んで、青田さん、オレ、白川、そして、おまえ」
「宴会はどこで?」
「それがさ……」
 赤井はいやらしく、グフフフ、と笑い声を上げてから言った。
「青田さんのマンションでこじんまりと宴を催すことになっているのよ」
「えっ、マジですか!?」
「だから言っただろ。今夜はもしかしたら、もしかするかもよ」
「それはスゴイですねェ。佐伯さん、美和ちゃんのことをほったらかしにしているのかなあ? ちょっとエッチな感じなんでしょ、彼女?」
「もしかしたら、佐伯さんの手には負えないのかもよ」
 そのあと再び赤井は下品な笑い声を上げ、「今晩よろしく」と言うと、トイレを出て行った。彼のあとを追うように黒木も出て行ったようであった。
 彼らの言っていたことは本当のことなのか? それとも、ただの冗談か? ちょっとエッチな話題に美和をからめて愉しんでいるだけなのだろうか?

17 疑惑のとき

 同じフロアーではあるが、美和の所属する商企一課と私の所属する商企三課は少し離れていた。遠目に見える美和の姿は、確かにベストは着用せず、上半身はブラウスだけのようであった。ブラジャーをしているかどうかまでは、ここからは見えなかった。見に行けば良かったのかもしれないが、そうする勇気はなかった。
 夕方、定時退社の時刻が近づいてくると私はドキドキし始めた。美和から何か連絡が入るのだろうか? 刻一刻と、定時へ向けて時が刻まれる……。

 携帯電話に美和からのメールを着信した。
――今晩、急に商企一課の宴会が入りました。
――伯爵さまの家へは、少し遅れて伺います。
――あなただけ、先に行ってください。
――私もあとから、必ず行きます。
――伯爵さまによろしくお伝えください。
――美和

 商企一課の宴会? 内輪の宴会とは、どこにも書いてなかった。何故それを言わない。美和の様子がおかしい。昨夜就寝中もおかしかったが、そういえば今朝も、何か身体が熱いと訴えていたっけ? どうしたものか。私は対応に逡巡した。
――伯爵さまの命令に背くわけにはいかないぞ。
――宴会をサボれないのか?
――亮輔

――ダメなのよ。
――結婚したてのわたしが主役なの。
――ごめんなさい。
――伯爵さまによろしく。
――美和

 どうやらサボる気はないようであった。私は胸騒ぎを覚えた。美和は状況を正確に私へ伝えていない。危ない。赤井が言っていたように、本当に青田のマンションで彼らだけで宴会するのであればとても危ない。美和の貞操が……。新妻の夫として、伯爵以外の男たちに美和を弄ばれる気は私にはなかった。

「冴嶋部長、ちょっとお話があります」
 私は部長――伯爵さま――に状況を伝え、指示を仰ぐことにした。本日知り得た情報の要旨を伯爵に報告すると、伯爵は眉間に皺を寄せ少し考えてから次のように言った。
「とりあえず、きみは青田くんの家へ行け。部長職である立場上、私は配下社員の住所録を持っている。青田くんの住所は……」
 私は伯爵からメモを受け取るとその場を離れようとした。
「いいか、急いで行きたまえ。イヤな予感がする。まさかとは思うが、もしかしたら……。可能性はほとんどないはずだが、しかし……。うーん……。とにかく、急いで行ってくれ。私もすぐにあとを追う」
「わかりました、部長」
 私は会社をあとにした。

<つづく>
  1. 2013/08/18(日) 19:47:42|
  2. 伯爵からの招待
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0


伯爵からの招待(8)

[5594] 伯爵からの招待(8) 角笛 投稿日:2008/12/14 (日) 09:01
14 精飲する人妻(第三夜)

 美和の体内に欲望を注ぎ込み満足していた伯爵の肉塊はいったんやわらかくなっていたが、再びその硬さを取り戻しつつあった。大きさといい、回復力といい、とても48歳とは思えない伯爵のイチモツであった。
「とても気持ち良かったよ、美和。さあ、体を起こしてごらん」
 やや落ち着きを取り戻したように見える美和であったが、あいかわらずウットリした表情で夢見心地のように思われた。伯爵に背中を抱いて起こされ、ベッドの上に足をくずした正座の状態で坐っていた。目は虚ろで色っぽく、唇は半開きにあいていた。
「……伯爵さま……」
「美和のアソコの中には、たっぷりと私のエキスをぶち込んだよ。私の遺伝子が注入されたんだよ。私の精子は美和の子宮に侵入して卵子と結びつくだけではなく、膣や子宮の粘膜から美和の体内に遺伝情報として吸収されているんだよ。そうして、DNAのレベルで美和と融合・同化していくんだよ。どうだい、すごいだろ? 美和の体の中では受精だけでなく、美和そのものを遺伝子レベルで改変していくんだよ。特に、セックスで快感を得た状態で男のエキスを迎え入れることが重要でね。心身ともに受け容れた状態で子宮に注入された遺伝情報を、女の身体はしっかり記憶するんだよ。次子以降を、他の男の精子で受精した場合にでも、性的満足を感じたときの遺伝子をキチンと取り込んで子供を妊娠するんだよ。ほら、黒い雄犬の子を一度産んだことのある白い雌犬は、次子以降に白い雄犬の子を妊娠・出産する際、何故か黒い毛の混じった子を産むことがある、というアレだよ。きみたちも聞いたことあるだろ? この話は、以前にぶち込まれたことのある遺伝情報――精子、遺伝子、DNAのパターン――を、女の身体が記憶しているとしか言いようがないのだよ。ねっ? だから佐伯、悪いけど、美和は変わってしまうよ。以前の美和とは違う、私の美和にね……」
 伯爵は立ち上がって美和の口許に勃起した肉棒を近づけた。
「さあ、美和、これを咥えなさい。フェラチオするんだよ。私の精子を、きみのその可愛いお口から飲んでもらうよ。私の遺伝子を胃や腸からも吸収して、さらに美しく、そして私の虜になっていってもらうよ」
 伯爵は私の方を向いた。
「悪いね、佐伯。美和のすべてをもらうよ。彼女の体の中で吸収された私の遺伝子は血液中を流れ、体の隅々にたどり着く。すべての細胞に対しDNAのレベルで干渉し、取り込まれていく。また、血液にのって脳にたどり着いた遺伝情報は、彼女の意識をも変える。美和は私の子供を妊娠するだけではなく、生理的にも心理的にも私に融合・同化していくのだよ」
 伯爵がそこまで話し終える前に、すでに美和は屹立した男根にしゃぶりついていた。亀頭を愛おしげに舐めたり、舌でカリの部分を刺激したりしながら、ときに深く咥え込み奉仕していた。美和が左手でタマをころがすようにさすると伯爵は「うっ」と気持ちのよさそうな呻き声を漏らした。
「さあ、しっかりしゃぶっておくれ。おまえを虜にする魔法の肉棒だよ。太くて大きいよ。硬いよ。佐伯のモノより美味しいよ」
「……伯爵さま……ああ……すごい……」
 美和のピストン運動は激しさを増していた。伯爵のイチモツを咥え込んだ口唇部からは、ズチュッ、ズチュッ、と淫猥な音がくりかえし発せられていた。夢中にフェラチオする美和の姿を見ていて、私のペニスはまた硬さを取り戻しつつあった。
「……美和……そろそろ……イクよ……。こぼさないよう……しっかり……口で……受け止めておくれよ……わかったね?……」
 美和は伯爵の猛り狂った肉棒から口を外さず、首を小さく縦に振って応えた。私は無意識のうちに自分のペニスを握り、美和のフェラチオするストロークに合わせてマスをかいていた。
「美和……イクぞ……うっ……」
 と言うと、伯爵は美和の頭を両手で押さえ込み、動きを止めた。どうやら口内射精を終えたようであった。その様子を見ていて、私のペニスもザーメンを漏らした。

「美和、ゆっくり抜くよ……」
 伯爵が少しずつペニスを抜いていった。唇を亀頭が通過する際、美和は汁をこぼさないよう口をすぼめて啜った。チンポが口から離れる瞬間、美和の唇の右端から白い液体が少しだけ、ツー、と垂れて口許のホクロに達した。伯爵は満足げに美和の髪を撫でて言った。
「美和の口の中はどんな感じかな? 佐伯、きみもよく見ておけよ」
 伯爵に促されて美和は口を開いた。2発目とはいえ、大量に発射されたザーメンに満たされて、美和の口の中は白濁する粘液でいっぱいであった。
「佐伯、よく見ろよ! きみの奥さんの口の中は、私の精液でいっぱいだよ」
 美和は恍惚の表情を浮かべていた。
「さあ、美和。佐伯が見ている前でごっくんするんだよ。私の精液をすべて飲み込むんだよ。さあ、ごっくんしてごらん」
 伯爵に言われるまま、美和の喉が大きく動いた。ゴックン、という音が聞こえた。美和はすかさず口を大きく開け、口内にザーメンが一滴たりとも残っていないことを証明した。
「おお、えらいねえ。残さず、すべて『ごっくん』してくれたんだね」
「はい、伯爵さま。濃厚な男の匂いがしましたが、美味しくいただけました……」
「うんうん、美和は偉いねェ。きみが飲み込んでくれた私の精液は、胃腸で吸収されて血液に入り、身体中を駆け巡るよ。脳にも行くよ。私の遺伝情報と融合し、同化していくんだよ」
「……ああ、伯爵さま……とても光栄ですわ……」
 伯爵のザーメンを全身で受け止めて、美和はとても満足している様子であった。膣内射精された分は子宮から、口内射精された分は胃腸から。美和の卵子と結合しなかった精子は、その最も大事な遺伝情報を細胞レベルで美和に融合・同化していくというのか?
 美和が変わってしまう……。昨日までの美和から……。私は、二人のセックスをオカズにして果ててしまった己のペニスに目をやりながら、変わっていくであろう自分に対しても一抹の不安を覚えていた。

15 目覚めの兆候

 伯爵とのセックスで身も心も満足感を味わっていた美和と、屈辱的な快感を得てしまった私は、その日の夜も一緒に自宅へ帰った。帰路、普通に日常会話を交わし、シャワーを浴びてから二人とも寝た。
「……あなた、これだけは信じて……。伯爵さまと何があっても、わたしの心はあなたのものよ。本当よ……」
「ああ、わかっているよ……」
 私はそれだけしか答えられなかった。

 その日の深夜、私は奇妙な声を聞いて目が覚めた。それが、隣で寝ている美和のものであることはすぐにわかった。
「……ああっ……ああっ……熱い……あっ……ダメェ……あっ……」
「美和、どうしたんだ? うなされているのか?」
 私は美和の肩を揺らし、起こそうとしたが、美和は全く目を覚まさなかった。ただ、身体をのけぞらせたり、よじったりしながら、艶かしい呻き声を発するばかりであった。
「……ああっ……もっと……イヤッ……もっと……ああっ……ぁハーン……」
 美和は額に汗をかき、全身が火照っているようであった。快楽と苦悶の表情を交互に浮かべながら身悶えしていた。美和はいったいどうしたんだ……。美和の身体に何が起こっているのだ……。まさか、伯爵が言っていた……。そんな……。本当のことだと言うのか……。

<つづく>
  1. 2013/08/18(日) 15:01:04|
  2. 伯爵からの招待
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0


伯爵からの招待(7)

[5530] 伯爵からの招待(7) 角笛 投稿日:2008/12/07 (日) 14:38
13 受胎強要と屈辱的な快楽(第三夜)

 美和に腕をからめられた伯爵は、舌をからめたフレンチキスに夢中になっていたが、顔を上げると私の方を振り返り、
「佐伯、こっちに来い。せっかくなのだから、ベッド脇のソファーに坐って私たちの行為を間近で観賞したまえ」
 と言って、さっきまで美和が腰掛けていたソファーを指した。
「きみのチンポはギンギンじゃないか!? かぶりつきに坐って、局部アップの光景を堪能してくれたまえよ」
 情けなかった。伯爵に命令されるまま、ソファーに向かう自分の無力に対し、無性に腹が立った。私は美和の亭主ではないか!? 新婚の夫ではないか!? それが、何故、このようなことに……。何故……。わからない……。そして、いちばん理解できないのは、他所の男とまぐわう妻に、何故、私はこうも勃起しているのだ!?
 私はかれこれ三週間近く、美和を抱いていない。結婚直前に冴嶋部長の家を美和と一緒に訪問し、〝伯爵〟さまに禁欲を命令されてからずっと、美和とセックスをしていない。伯爵の呪縛による影響のためか、オナニーをして自分で「抜く」こともできずにいる。行き場を失って蓄積されたリビドーは、私の下半身で欲望の塊となって肥大化の一途をたどっている。ヤリたい……。でも、デキない……。この屈折した思いを、欲望を、リビドーの高まりを、どうやって解放すればよいというのだ!? ああ、悶々とする。私の目の前では……。美和……。私の可愛い美和……。伯爵の虜になりつつある美和……。ああ、気が変になりそうだ……。
 そんな私の苦悩を察してか、美和が首をこちらに向けて口を開いた。
「……あなた……ごめんなさい……わたし……我慢できなくなって……伯爵さまの……ああ……あなた……亮輔さん……あなたを愛しているわ……私はあなたの妻よ……でも……ああ……伯爵さま……」
 薄く開かれた双眸を濡らしながら、美和はかろうじて話しかけている、という感じだった。妖しく動く口許の、右のホクロが妙になまめかしく映った。

 首を横に向けていた美和を正面に向かせると、伯爵はまた唇を重ねた。そして、美和の耳元で囁くように言った。
「美和……。きみの秘密の部分を、少し指で点検させてもらうよ……」
「……はい……伯爵さま……」
 美和は消え入りそうな声でそれに応じた。
 伯爵の右手の中指は、すでに淫蜜で充分潤った陰唇を撫ぜると、ゆっくり膣口へとすべり込ませた。挿入されていく様子は、ヌプリ、という擬音が当てはまるような、そんな感じであった。ああ、美和の大切なところが、伯爵の指による侵入を許してしまった。ヌチャヌチャ音をたてながら、第一関節、第二関節、と、徐々に深みへと伯爵は指を挿入していった。
「あっ……そんな……ああっ……伯爵さま……」
「おおー、膣襞が指にからみついてくるようだ。美味そうだよ、美和。実に食欲をそそる。いや、性欲だな……。佐伯、よーく見ておいてくれよ」
 こうもコケにされながら、私は伯爵に殴りかかることも、止めることもできず、ただ「ああ」と呻き声を上げることしかできなかった。心の中ではヤメてくれ、と叫びながら、一方、堕とされてゆく新妻の姿に興奮している自分がいる。私のキンタマは、性の欲望を吐き出したくて、パンパンに張っていた。

 いましがた美和のアソコを犯していた指を顔の前に持ってきて、伯爵は蜜の具合を確かめているようであった。美和にもそれを見せて、伯爵は「スゴイね」と笑いながら呟いた。美和も恥ずかしそうに微笑み、「……早く……」と言った。確かに「早く」と言った。
 伯爵の分身は大きかった。勃起した彼のペニスは私のそれよりも「ふたまわり」は大きいサイズだった。48歳とは思えない硬さと反り。これも〝伯爵〟を僭称する彼ら一族の能力のひとつなのかもしれない。女を虜にする雄のフェロモン、本能に働きかけて人の心を服従させるオーラ、カリスマ性。彼ら一族は、もしかしたら「雄」として最高の能力を受け継いできた種族なのかもしれない。生を与えられた種として、すべての「雌」にタネをつけ、孕まし、己の子孫を繁栄させていくという、種族保存能力に長けた一族なのかもしれない。

「美和、いくよ」
「……はい……お願いします……伯爵さま……」
 伯爵は肉棒の先端を美和の入り口にあてがった。そうして、巨大な亀頭に愛液を塗りつけながら弧を描くようにまわすと、カリの部分まですべり込ませた。ズブリ、という音が聞こえてきそうであった。しばらく膣口の感触を愉しんだあと、伯爵は一気に根元まで挿入した。
「……んグッ……ああっ……伯爵さま……スゴイ……大きい……」
 正常位のまま、伯爵はロングストロークでピストン運動を繰り返した。カリの部分まで浅く引くと、すかさず付け根まで一気に深く差し込む。浅く、深く、浅く、深く……。結合部からは、ズチュッ、ズチュッ、と淫猥な響きが発せられていた。
「……ああ……イイ……スゴイ……伯爵さま……あっ……あーん……あっはーン……」
 美和は嬌声を上げていた。悦びの声を熱い吐息が漏れていた。それに呼応するように、私の分身はいまにも発射しそうな勢いで猛り狂っていた。ただ見ているだけで、マスをかいているわけでもないのに……。
「膣襞がからみつくように締まって気持ちイイ!! ギュッ、ギュッと攻めてくる! 耐えられん気持ち良さだ。キツキツマンコに負けそうだよ。素晴らしい……」
「……ああ、伯爵さま……奥に……奥に当たって……気持ち……イイ……」
 どうやら男根の先端が子宮の口許に当たっているようだった。おそらく、子宮の口をこじ開けんばかりに刺激しているのだろう……。私はその局部的光景を妄想し、奇声を発するばかりに興奮した。出そうだ……。チンポに触れていないにもかかわらず、妄想のみでイッてしまいそうだった。手で触らずに射精するのは、初めて夢精したとき以来ではなかろうか? 私はそんなことをボンヤリ考えていた。

「次はバックから挿入するよ、美和。まだ、出してあげないからね……」
 美和が四つんばいになり、伯爵は後背位で挿入した。美和が首を仰け反らせて反応した。
「佐伯の方を向いて、美和。佐伯は美和の手をつかんで、彼女の顔を見てやってくれ。気持ち良さそうだろ? キスしてやってもいいゾ」
 私は言われるまま美和の手をとった。少し汗ばんでいた。眉間に皺を寄せて快楽に耐えている美和の顔を間近にとらえて、私は心も股間も張り裂けそうだった。美和……。そんなに気持ちがイイのかい? 伯爵にぶち込まれて、そんなに嬉しいのかい? きみは私の妻なんだよ。新妻なんだよ。結婚してから、まだ一度もセックスしていないけど、きみは私の……。
 私は涙が出てきそうになるのをこらえ、美和にキスをした。伯爵の唾液で汚された美和の唇を、肉食獣が食べ散らかした残滓に群がるハイエナのように、むさぼり吸った。
「……あなた……」
 かすかに目を開けて、美和は私に話しかけてくれた。まだ、私のことを憶えていてくれたようだ。

「さあ、美和。体位を変えるよ。私の大好きな騎乗位に移ろう。さあ、この上においで」
 伯爵はベッドの上に仰向けに寝ると、上半身を起こして美和に促した。虚ろな瞳の美和はゆっくり立ち上がり、伯爵の股間の上に腰を下ろし始めた。股を開き、巨根の先端を陰唇にあてがうと、少しずつ腰を下げていった。
「……ああっ、伯爵さま……」
 美和と伯爵は騎乗位で合体した。
「好きなように動いていいよ。美和の好きなように腰を動かしてごらん。気持ちの良くなる快楽のツボを見つけるんだよ」
 美和は腰を振り始めた。臍より下の部分を艶かしく、まるでベリーダンスを踊っているように縦横に振った。特に、腰を前後に振る姿がエロチックで、実際、伯爵も気持ちがイイようだった。目の前ではFカップのオッパイが文字どおり、ユッサ、ユッサ、と揺れ、ゆるやかにウェーブのかかった肩までの黒い髪を振り乱し躍動する美和の姿態は、見ているだけで男をイカせる力があった。
「……あっ、あっ、あっ、あっ、あっ、あっ、あっ……」
 美和が規則的に悦びの声を発していた。伯爵も苦しそうな表情で快感に耐えているようであった。
「……あっ……あっふーン……」
 前後に振っていた腰を、美和がひとしきり力強く、大きく振った瞬間、私のリビドーはついに暴発してしまった……。三週間溜め込んでいた男のエキスを一気に解放してしまった……。屈辱的な快感であった……。私の生涯の射精の中で、最も屈辱的な射精であった。

 脳髄の奥、体の中心から沸き起こってくる快感の余韻に浸っている私に気付いて、伯爵が言った。
「美和、見てごらん。きみの旦那さんはイッてしまったようだよ。スゴイ量の精液だね。かわいそうに、愛妻が他所の男にオマンコされているのを見ながら射精してしまったんだよ。気の毒にね……。すまんねェ、佐伯。これも〝しもべ〟の役割のひとつと思って我慢してくれ。さあ、このまま私もイカされてしまいそうだから、体位をかえるよ。正常位にね。最初の一発は、やはり正常位で深くぶち込みたいからね」
 股間を精液で濡らし、放心している私に憐憫の目を向けながら、伯爵は体位を変えていった。美和を仰向けに寝かし、再び屹立したチンポを挿入し始めた。
「床を掃除するのはあとでいいから、佐伯。私たちのファーストインパクトをよく見ておいてくれよ」
 すでにグチョグチョになっている股間をぶつけ合いながら、伯爵は美和の奥深く、肉棒を出し入れしていた。激しく……。極めて激しく……。
「……あっ、あっ、あっ……伯爵さま……早く……」
「ああ、私ももうイキそうだよ。一緒にイコウね、美和。佐伯もよく見ておいてくれよ」
 ああ、美和が……。伯爵の精液をぶち込まれる……。ああ……。
「伯爵さま……後生ですから……勘弁してください……それ以上は……」
 私の声は泣いていた。
「〝しもべ〟の分際で何を言っているんだ。私に命令できる立場だと思っているのかい? 〝しもべ〟は〝しもべ〟らしく、分相応の悦びを享受すればいいのだよ。〝花嫁〟には私の子供を受胎してもらわなければならない。いいかい!? さあ、見ていなさい!」
 さらに激しくピストン運動が繰り返された。伯爵の長尺物で子宮の口を開くように攻められて、美和は狂わんばかりに自分も腰を動かしていた。
「……ああっ……伯爵さま……ください……中に……たくさん……ください……」
「……イクよっ……うっ……」
 伯爵は腰の動きをピタリと止めた。背中がビクッと震えていた。美和は艶やかな声で「ああー」と悦びの声を漏らした。二人は抱き合って余韻を愉しんでいたが、伯爵は上半身を起こすとイチモツを右手で握り、ゆっくりとアソコから引き抜いた。
 美和はアソコを中心にして、ビクン、ビクン、と小刻みに痙攣していた。かなりの時間が経ち、淫口からドクリと白濁する粘液が出てきた。濃い目の精液が次から次へと、生きているように溢れ出てきた。膣の奥、子宮の入り口をこじ開けて射精されたはずなのに、そこに到達できなかったザーメンがこれだけ溢れてくるということは、いったい、どれだけの量の精液が美和の子宮に注入されたことだろう? 受精!? そして受胎!? 先ほど伯爵が口にした恐ろしく屈辱的な言葉が、私の頭の中をグルグルまわっていた。

<つづく>
  1. 2013/08/18(日) 10:13:39|
  2. 伯爵からの招待
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0


伯爵からの招待(6)

[5520] 伯爵からの招待(6) 角笛 投稿日:2008/12/06 (土) 18:07
12 堕ちてゆく人妻(第三夜)

 美和は伯爵のなすがままに弄ばれ、肢体をくねらせて快感に耐えているようだった。股を大きく開いた状態でソファーに坐らされていた美和は、ときどき「あっ」とか「あふっ」とか、悦びの声を漏らしながら骨の抜かれた軟体動物のようにグッタリとしていた。半分閉じられた目には艶かしい光が宿り、濡れていた。口許の右のホクロが、妖しくて色っぽい雰囲気を醸し出していた。淫らに半分開かれた唇からは、熱い吐息が漏れ、その様子が伯爵を興奮させているようであった。もちろん、私も、言いようのない興奮に包まれていた。
 伯爵はソファーに坐っている美和の正面にまわり、左のオッパイの先を口に含んだり舐めたりしながら、右のオッパイを指先でこねくりまわして愛撫していた。右の中指では、美和の大切な部分を執拗にマッサージし、美和を少しずつ快楽の崖っぷちへと追い詰めているようだった。陰唇に沿っての指の動きによって、すでにクロッチ部分はグッショリ濡れており、メコスジをクッキリと浮き上がらせていた。
「……ああっ、伯爵さま……それ以上は……ああ……イヤッ……ダメェ……おかしくなっちゃう……あなた……亮輔さん……あなた……助けて……わたし……ダメェ……もうダメェ……ああっー……ぁふン……気持ちイイ……ああっ……あっ……」
「佐伯、きみの奥さんはスゴイことになっているゾ……。見ろよ、アソコがもうグッショリだ。雌の匂いをプンプンさせて、発情しているゾ……。ほらっ。オッパイも水蜜桃のように瑞々しくて甘いゾ……。どうだい、きみも味わいたいだろ? だが、ダメだぞ。きみはそこで見ているだけだぞ。いいな?」
 伯爵は両手を美和のショーツにかけた。
「さあ、〝花嫁〟さん……。これも脱いでしまおうネ?」
「……ダメェ、それだけは……イヤッ……あなた……ああっ……」
 脱がされまいと美和は抵抗したが、伯爵の手で一気にショーツは脱がされた。ついに、美和の秘密の部分が完全に公開されてしまった。薄物一枚もない、完全なムキだし状態となったのだ。恥毛はかなり薄く、三角部分にかすかに分布している程度で、淫口や陰唇のまわりにはほとんど生えてなかった。ほとんど色素沈着していないアソコの周囲は淡いピンク色をしており、扇情的に濡れそぼっていた。
「おおっー、想像どおりの美しさだなあ……。きみの奥さんのオマンコは、とても綺麗だなあ。なあ、佐伯」
「イヤァー、見ないでェ」
「佐伯、悪いけど少ししゃぶらせてもらうゾ!?」
「……伯爵さま……許してください……美和を返してください……」
 私は喉の奥からかろうじて搾り出した。
「ダメだよ。それはできないよ。だって、これだけ美しくて、味も良さそうなんだもの……。私にもしゃぶらせてくれよ。なっ? しゃぶっちゃうよ」
「……イヤッ……ダメェ……」
 伯爵は美和の股間に顔をうずめると、ピチャピチャ音をたてながら舌で愛撫し始めた。小陰唇に沿って舌を這わせたり、クリトリスを舌の先端で突いたり、ときには膣口の中に舌を挿入したりしながら、美和のアソコを快楽でトロトロに溶かそうとしているようだった。
「美和、美味しいよ。きみのアソコからは次々と甘い蜜が溢れてくるよ。エッチな匂いのする、快楽に満ちた甘い蜜だよ。佐伯! 佐伯! 見えるか!? きみの奥さんのアソコは愛液で溢れているゾ。どうだ? 美味いゾ。最高に美味いゾ」
「……あふっ……ダメェ……ああっ……気持ちイイ……もっと……もっと……欲しい……」
「美和!! ダメだよ、耐えるんだ……。伯爵さまの誘惑に負けたらダメだ……」
「……あなた……ダメ……もう我慢できない……ああ……気持ちイイの……とっても……気持ちイイの……ああ……ぁふっ……伯爵さま……わたし……ああ……もっと……」
「そうか……気持ちイイか……美和……私の〝花嫁〟……」
 伯爵は立ち上がり、美和を見下ろしてそう言った。そして、ゆっくりと美和に顔を近づけると、キスをした。そのとき、唇を奪われた美和は、自分から両腕を伯爵の首にまわした。
「……伯爵さま……」
 ついに……美和は……堕ちた……。

 伯爵は起き上がって仁王立ちになると、首だけ私の方を向いた。
「佐伯は美和にフェラチオしてもらったことはあるのか? どうなんだ?」
「……私は……まだしてもらったことはありません……」
「おおっ、そうか。だったら、美和は、家庭教師の子の父親の肉棒しかしゃぶったことがないのか? そうなのか、美和?」
 美和は黙ったまま、小さく首をコクンと縦に振った。
「そうか……。佐伯、悪いなあ……。きみよりも先に美和の口をいただくが、悪く思わんでくれ。〝しもべ〟の立場で、よく見ておいてくれ。きみの奥さんの口に私のペニスをぶち込むゾ! さあ美和、こっちにおいで」
 美和は立ち上がって仁王立ちする伯爵の前にひざまづいた。そして、ブリーフの上から伯爵の股間をやさしく撫でまわした。
「……伯爵さま……大きい……」
 ゆっくりとブリーフをひき下ろすと屹立する巨大な男根が現れた。大きい。確かに大きい。標準サイズの私のモノより、ひとまわり、いや、ふたまわりは太く、長い……。
「……伯爵さま……」
 美和が愛おしそうに伯爵のペニスの先端にキスをした。濡れた目がトローンとしている。唇は淫らに半開きのままだ。チンポの付け根部分を右手で握り、左手でタマをころがしながら亀頭を舌でペロペロ舐め始めた。そして、肉棒の根元部分まで深く咥え込むと、唾液をからめてズチュズチュと音をたてながらピストン運動を始めた。
 美和が男根から口を離すと、亀頭の先端から美和の口に唾液の糸がつながった。粘性の高いその太めの糸を、口を動かして伯爵のチンポにからみつかせると、再び咥え込んだ。
「おおー、美和、スゴイなあ。気持ちイイよ。佐伯、見ているか!? きみの奥さんのフェラチオは、なかなか素晴らしいゾ。たまらん……」
 美和がこんなに淫乱でエロい姿態をあらわすとは……。正直、驚いた。私の知らない美和の隠された顔を垣間見る気がして、悲しいような、嬉しいような、複雑な心境だった。

「佐伯、きみも服を脱いで裸になりたまえ。いますぐ、早く! さあ、脱ぎたまえ!」
 伯爵は強い口調で命令してきた。私は逆らうことができず、服を脱ぎ始めた。上着、ズボン、ワイシャツを脱ぎ、下着を脱いでいった。パンツを脱いで全裸になったとき、伯爵が声を上げた。
「美和、見てごらん、きみの夫の股間を。勃起しているよ。私たちの痴態を見て、興奮しているんだよ、きみの夫は……。自分の妻が他所の男に可愛がられている光景を見て、勃起しているんだよ」
「……あなた……そんな……ヒドイわ……」
 伯爵の言うとおり、私の男のシンボルはこれ以上ないぐらいに勃起していた。目の前で美和が玩具にされているのを見ていて、性的な興奮を覚えていた。今までに味わったことのない、極めて高いレベルの興奮を覚えていた。伯爵の言う「男にとっての究極の性的快楽は『愛する女が自分の目の前で凌辱されるのを指を咥えてみているしかない』ということ」というのは本当なのかもしれない、と私は感じていた。
「さあ、可愛い美和よ。ベッドにおいで。さあ……」
 先にベッドに上がった伯爵を追うように、美和はベッドに上がった。
「伯爵さま、もうダメです……わたし……我慢できません……欲しい……」
「わかっているよ、我が愛しの花嫁よ。さあ、おいで……。佐伯、すまないね」
 仰向けに寝ている美和に覆いかぶさるように伯爵が体位を変えた。ついにヤラれる……。私の愛する妻が……伯爵に……ぶち込まれてしまう……。私よりも先に、美和の口で奉仕を受けた伯爵によって……屹立したチンポを……挿入されてしまう……。しかも、ナマで……。
「伯爵さま、待ってください」
 と私が声をかけようとした瞬間、伯爵の下に体を横たえていた美和がこちらを向いて、
「……あなた、ごめんなさい……わたし……。伯爵さま……ああっ……伯爵さま……」
 と言うと、伯爵の背中に両腕をまわして抱きついた。
 美和は……完全に……伯爵の手に……堕ちてしまった……。

<つづく>
  1. 2013/08/18(日) 05:45:26|
  2. 伯爵からの招待
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0


伯爵からの招待(5)

[5517] 伯爵からの招待(5) 角笛 投稿日:2008/12/06 (土) 02:23
11 〝花嫁〟の男性遍歴(第三夜)

 〝伯爵〟――冴嶋部長――に導かれて、私と美和は寝室に入った。もちろん、服はきたままで。今日の美和は、紺色のスーツを着用していた。ウエスト部分がけっこう絞り込まれたデザインの上着と膝丈のタイトスカート。スーツの下には、襟元にフリルをあしらった白のブラウスを着込んでいた。アップにした髪をヘアピンでしっかりまとめてあり、あらわになった白いうなじがとてもセクシーだった。
 〝伯爵〟は美和に、ベッド脇のソファーに坐るよう指示した。
「美和、上着を脱ぎなさい」
「あっ、はい……伯爵さま……」
 言われるまま美和は上着を脱いで〝伯爵〟に手渡し、ソファーに腰掛けた。ブラウスの胸元が一瞬揺れた。〝伯爵〟は、美和の上着をハンガーに掛けながら、私に向かって命令した。
「佐伯は寝室の入り口横に立って、こちらを見ていなさい」
 私は言われるまま移動した。

「美和、これからきみは夫の目の前で少しずつ私に抱かれていくのだよ。少しずつ……」
「伯爵さま、もう許してください。……あなた……助けて……。お願い……」
「美和……。伯爵さま、もう勘弁してください。どうか私たちを許してください……」
「だめだよ、佐伯。きみはこれから目の前で、愛しい妻を奪われていくのだよ。その屈辱的な快楽を味わってくれなくちゃ。ねっ? 気持ちいいよ」
 〝伯爵〟がソファーに腰掛けた美和の横に立った。そして、美和を見下ろしながら、やさしく語りかける。
「さあ、美和。私にキスしておくれ。ブラウスを脱いでくつろごうね。私がボタンを外してあげるから、ちょっと立ち上がってくれるかい?」
「……ダメェ……伯爵さま……イヤ……。あなた……あなた……。あっ……」
 立ち上がった美和の肩をやさしく抱きとめると、伯爵は唇を重ねた。硬くなっていた美和の肩から、みるみるうちに力が抜けていく。伯爵は唇を離すと、ブラウスのボタンを上からひとつずつ、ゆっくり外していった。そして、右腕、左腕の順で袖を抜いてブラウスを完全に脱がせた。白いブラジャーに覆われた豊満な胸があらわになった。
「ほおー、あいかわらず素晴らしいボリュームだねェ。つづけて、スカートも脱いでおこう。皺になったら困るからね」
 〝伯爵〟はホックを外すと、紺色のタイトスカートを脱がそうとした。ウエスト部分が充実したヒップを通過するとき、なかなか通せず少しモタモタしていた。
「こうやってあらためて見ると、ウエストが細いねェ。そして、いい腰つきだ」
「あっ、ヤメてください……伯爵さま……」
 伯爵は美和の腰回りを撫ぜまわしていた。

「もう一度、ソファーに腰掛けてくれるかい? オッパイを揉みながら、きみに少し質問させてもらうよ」
「えっ?」
「美和は、佐伯が何人目の男だ? つまり男性経験何人目の男にあたるのだ?」
 伯爵はブラジャーの上から胸を揉みながら、とんでもない質問を美和に投げかけた。私も知らないことだ。訊きたくても訊くことのできない、夫婦にとってある種タブーの話題だ。知ってしまうと、互いの関係がギクシャクすることになるかもしれない。
「伯爵さま、勘弁してください。結婚する前の、妻の男性遍歴など聞きたくありません」
 私は思わず抗議した。
「佐伯、何を言っているのだ。私が知りたいのだから、きみがどう思っていようと関係ない。さあ、美和、答えなさい!」
 ブラジャーの隙間まら指を差し込まれ、乳首をころがされていた美和は、一瞬眉をしかめたあと、ゆっくりと口を開いた。
「……三人目です……」
「ほおー、佐伯で三人目か。他に二人の男を知っているのだな? 26歳で夫以外に二人の男か。意外と少ない人数だったな。良かったな、佐伯」
「……ああっー……」
 乳首を攻められている美和が声を上げた。ブラジャーの両方の肩紐は既に肩から落ちていた。頬がやや上気していた。
「では、初体験はいつ、誰とだったのか答えなさい」
「……えっ……許してください、伯爵さま……」
「さあ、答えなさい!!」
 伯爵の言葉の力には逆らえない。彼の特別な能力には、反抗することなどできない。
「……大学二回生のときに、ひとつ上の大学の先輩と……」
「ヤッてしまったのか?」
 美和はだまったままコクリと首を縦に振った。
「どのぐらい付き合っていたのだね?」
「……約一年ぐらい……。彼が大学を卒業する直前に別れました……」
「佐伯、聞いているか? そういうことだそうだよ。では、二人目の男について言ってもらおうか」
「……もう許してください……」
「ダメェ、許さない。さあ、言いなさい、美和。私には逆らえないはずだよ。さあ!」
 ブラジャーのカップがめくられ、ピンク色の乳首と乳輪があらわになっていた。
「……三回生のときに、高校受験を控えた中三を家庭教師していて、そのとき……」
「なに!? 教え子とヤッちゃったのか!?」
「いえ、違います……教え子は女の子でした……。合格のお礼にと、その子のお父さんに食事に連れて行ってもらって、そのときに……」
「教え子の父親とエッチしたのか?」
「……はい……」
 私は後頭部を殴られたような錯覚に陥った。理由はどうであれ、学生のときに不倫。教え子の父親と不倫。中年のオヤジと不倫。
「どのぐらい続いたのだ? まだ続いているとか?」
「いえ、もうとっくに別れました。一年半しか付き合っていません」
 てことは、入社一年目の途中まで不倫していたわけか……。私と付き合い始める半年ちょっと前まで……。なんてこった……。
「妻子持ちとのエッチか。けっこういろいろなことをしこまれたのではないか? 美和、正直に言いなさい」
「……そんな……特にアブノーマルことはしていません。……お口ですることを……教わったぐらいです……。本当です……」
 私は美和に、まだフェラチオをやってもらったことはない……。一度も……。なのに、不倫相手の中年オヤジのチンポをしゃぶっていたというのか……。あの愛らしい唇に、中年男の汚らわしい肉棒が突き刺さっていたというのか……。口惜しい……。無性に口惜しい……。しかし、この屈辱的な状況で、私の男のシンボルはいつも以上に硬く勃起していた。いったい、どういうことだ!? これが、伯爵の言う『究極の快楽』のひとつだというのか!?

「美和、正直に答えなさい。ナマでチンポを受け容れたことはあるのかい? まさか、中に出されたことはないだろうね? 正直に言いなさい!」
 いつのまにかブラジャーは剥ぎ取られていた。伯爵は左手で美和の乳輪を愛撫しながら、右手で白のショーツごしにクロッチ部分をさすっていた。
「……いつも、ゴムを着けてもらっていましたから……中に出されたことはありません……。本当です……。あなた……本当なのよ……信じて……」
 私は一言も発することができなかった。きっと、とても恐い表情をしていたのではないかと思う。伯爵がにこやかに口を開いた。
「よろしい。では私が、美和の膣内射精一号になってやろう! 異存はないな、佐伯!」
 私に答えられるわけがない。私が無言でいると、伯爵は「沈黙は異議なき証」と言って、勝手に納得していた。
 美和のショーツにはうっすらと染みが生じていた。それを強調するように、伯爵は美和のクロッチ部分――陰裂――に沿って、強く指先を動かしていた。ときどきクリトリスの辺りをコリコリと掻くようにころがしながら、美和を嬲っていた。美和は濡れたうつろな目でこちらを見ていた。焦点は定まっていなかった。
「……あっ……ああ……あっ……あん……あハン……ああっー……」
 美和は伯爵の手によって、完全に落される寸前であった。自ら快楽の淵の底へ堕ちていこうとしているように見えた。

<つづく>
  1. 2013/08/17(土) 19:45:49|
  2. 伯爵からの招待
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0


次のページ