妻と男の物語


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親友の妻 5

[Res: 4371] 親友の妻 りゅう 投稿日:2008/08/01 (金) 11:33
俺は、香織ちゃんの横に座った。そして、廊下の扉の方を見るとヒロと目が合った。
そこで、廊下の方から見える様に!香織ちゃんの足を広げながら、また唇を重ねた。そして指先で足先から焦らす様に上に這わせて行った。
「香織ちゃんどうだった?気持ちよかったの?」
「凄かった。りゅう君の指も舌も気持ち良すぎて何度逝ったか分からない。」
俺は、胸を揉みながら「次はどうしようか?」
「りゅう君お願い!ちょうだい!」そう言いながら、手を俺のズボンの上へと置いた。
「だから、ちゃんと言わないと分からないよ!」そう言って乳首を摘んだ。
「はぁっ。りゅう君のオチン・ンを入れて欲しいの」
俺は、指を香織ちゃんのオマ・コに一気に入れて「何処に?どうやって欲しいの?ちゃんと言わないとね」
「あぁぁ。りゅう君の意地悪!りゅう君のこの堅くて大きくなったオチン・ンを香織のオマ・コに入れて激しく出したり入れたりして欲しいの!お願い。」
「香織ちゃんは、そうやってヒロにお願いしてるの?」
「ヒロ君はそんな事言わないもん」
俺は、何かヒロのさせていない事をさせたと!勝ち誇った気分だった。そこで立ち上がって裸に成った。そして、廊下から見える様に横向きに成って仁王立ちに成った。
「香織ちゃん!入れる前にこれ!舐めてくれるよね」
香織ちゃんはうなずいて、チ・ポの先から舌を這わせてから口に入れて頭を前後に振り始めた。

  1. 2012/12/31(月) 20:16:57|
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親友の妻 4

[Res: 4371] 親友の妻 りゅう 投稿日:2008/08/01 (金) 09:57
俺は、指を少しづつ早く動かしながら背中に、視線を感じていた。そして、
「香織ちゃんて!やらしいんだね。いつも、そうやってヒロにお願いしてるのかな?」
「あぁっ。いぃっ。違うっ。あぁぁ。ダメっ。逝っちゃうっ」
指を早く動かしながら
「いいよ逝って。ほらっ。気持ち良いの?指がいいの?香織ちゃんの逝く時の顔を見ててあげるよ!」
「はぁぁっ。ダメッ。指でっ・・気持ちぃぃっ。あぁぁぁっ。恥ずかしい。あぁ。あぁぁっ。イクッッ。はぁぁっ。アァァァッ。」
香織ちゃんは、腰を激しくヒクヒクとしながら逝った。
俺は、指をゆっくりと抜いて香織ちゃんの目の前でその指を舐めた。そして、
「凄いね!香織ちゃん。こんなに濡らして。指がビチョビチョだよ!オマ・コの中も吸い取らないと大変だね」
そう言って、肩で息をしている香織ちゃんの足元に座り込んで両足を上げて俺の肩に上げてスカートの中に顔を埋めた。そんな行動にビックリした香織ちゃんは
「はぁぁっ。ダメ!まだ、そんなっ。あぁぁっっっ」
俺は、太股を両手で押さえて腰を動けないようにして、舌をパンツの横から滑り込ませてクリ・リスを転がしたり吸い付いたりした。
「ダメッ。りゅう君。あぁっっ。ダメっダメつ。はあぁぁっ。」
香織ちゃんは、またすぐに逝ってしまった。俺が、この態勢をしていれば!ヒロからは、香織ちゃんの顔がよく見えているはずだ!俺は、香織ちゃんの太股を押さえたまま、それから何度か逝かせた。

  1. 2012/12/31(月) 16:34:16|
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親友の妻 3

[Res: 4371] 親友の妻 りゅう 投稿日:2008/07/31 (木) 15:16
俺は、香織ちゃんの抵抗が無くなったのを確信した時に振り向かせて、唇を重ねて舌を絡ませた。香織ちゃんも、俺の舌を吸い始めた。
そして、俺は香織ちゃんを抱き抱えてリビングのソファーへと移動した。その時に廊下の扉を見ると、暗がりからこっちを見ている気配が有った。
俺は、この状態に以上に興奮をしていた。親友の妻を抱くだけでなく、親友の目の前で抱くのだ。
ソファーに座らせて、上着を脱がせてまた、唇を重ね合った。そして、ゆっくりと唇を離してから首筋、胸へと舌を這わせてから乳首を吸いながら、胸を揉んだ。
香織ちゃんの息遣いも、少しづつ荒く成りだした。
そのまま、もう片方の手でスカートを捲り上げながら太股の内側から徐々にオマ・コへて滑らせて行った。
「あれ?香織ちゃんパンツが凄く濡れてるよ!」そう言ってパンツの横から指を入れて「ほら、凄い濡れてるから指が2本簡単に奥まで入ったよ」
「はぁぁっ。イヤ。言わないで恥ずかしいよ」
俺は、香織ちゃんがMの素質が有ると実感した。
そして、香織ちゃんの顔を見ながら指を早く動かしながら胸を揉んだ。
「あっっ。はぁぁっ。だめっ。そんなに早くっしたらあぁぁっ。」
そこで指を止めた「だめなんだ?それじゃ抜く?」そう言って指を入り口まで抜いた。
香織ちゃんは、俺の顔を見てスカートの上から俺の手を押さえて「はぁぁっ。お願い・・もっと」
「もっと?抜いてほしいの?」
「りゅう君、意地悪しないでお願い。」
「どうして欲しいの?はっきりと言わないと分からないよ」そう言いながら俺は、指をゆっくりと動かした。
「あっ。指をもっと奥に・・・早く動かしてっ」
「奥?どこの奥にして、早く動かすのかな?」
香織ちゃんは、恥ずかしそうに「指をオマ・コの奥に入れて・・・早く動かして・・」

  1. 2012/12/31(月) 11:15:28|
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親友の妻 2

[Res: 4371] 親友の妻 りゅう 投稿日:2008/07/31 (木) 14:03
電話をしていたので、すぐに出てきた。
私よりも先に、奥さんの香織ちゃんが
「ごめんね!たまにこの人飲み潰れてしまうみたいなの!よかった、りゅう君が送ってくれたから。」
「いいよ。起こすけど起きないんだよ!どうする?布団に運ぶ?」
そして、ベットに横にして下に降りると香織ちゃんがビールを出してきた。
それから、暫く二人で話をしながら!様子を伺っていた。香織ちゃんが、ビールを取りに行った時に俺は行動を起した。
ゆっくりと近付いて後ろから抱き付き腕を動かせないようにした。
「えっ?ちょっと!りゅう君!冗談はやめて離してよ!」
俺は、そのまま後ろから耳元で「前から香織ちゃんが好きだったんだよ!」
そう言ってうなじから耳元へと唇を這わせ耳たぶを甘噛みしながら舌を這わせた。
「ダメ!冗談はやめてよ。早く離して・・・」
「香織ちゃんて耳感じるんだね!」そう言いながら、後ろから抱き締めたまま胸を揉んだ。
「ブラジャー付けて無いんだね。ほら、乳首が堅く成ってきたよ。」
「違う。やめて・・・」
香織ちゃんの抵抗する力が徐々に薄れてきた。

  1. 2012/12/31(月) 06:44:49|
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親友の妻

[4371] 親友の妻 りゅう 投稿日:2008/07/24 (木) 17:01
親友のヒロに仕事帰りに呼び出された。居酒屋で、飲みながら世間話をしていた。
暫くしてから、ヒロは真面目な顔をして聞いてきた。「りゅう。うちのをどう思う?」
私は、意味が分からず「何が?」
「何って、女としてみた時だよ!どう思うかだよ」
「はぁっ。女としてって。そう言われてもな。まっ、十分じゃないか!だいたい何を言いだすんだ?」
ヒロは半分残ってたビールを飲み干し「実はな、俺達夫婦は!刺激が欲しいんだよ。だから、あいつと寝てくれないか!」
私は、また何を言いだしたのかと思い「何を馬鹿な事を言ってるんだ?」そう言いながら、枝豆を食べた。
「馬鹿じゃ無いよ!あいつと話して、お前だったら良いって納得してるんだよ!だから、寝てくれよ。俺は、あいつが他の男とセックスして感じてる所を見たいんだよ!いいだろ!」
私は、確かにヒロの嫁さんには魅力を感じていた。でもヒロの嫁さんだからと女として見る事は無かった。「お前、酔っ払ったんだろ!帰るぞ」
しかし、ヒロは真剣な顔つきでそれ迄の経緯を話した。
「なっ。どうだ?」
私は「俺は、お前がそこ迄言うなら全然いいけど、本当に後悔しないか?」
「しないよ!それなら、今から家に電話してくれ。そして俺が酔っ払って寝てしまったから送って行くってな?そしたら、あいつはお茶くらいは出すはずだから!その後は任せるよ。俺はこっそり見てるからな!」
それから、私は電話をして家の前に着いた。そして、呼び鈴を押した。
  1. 2012/12/30(日) 19:13:05|
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清楚妻の下半身7

[4664] 清楚妻の下半身7 澤野幸志朗 投稿日:2008/09/07 (日) 10:55
タケシは涼子の食い込んだ縄の横からクリトリスを剥き出させると、縄から刺激の強い部分が解放され、涼子は大きく呼吸をし安堵しました。


剥き出されたクリトリスを更にタケシは剥き、舌を這わせ始めると涼子は目を閉じ眉間に皺を寄せ、頭を左右に振り、嫌がる事数分・・・・

涼子は左右に振っていた頭を今度は上下させ始めると「はぁあぅうぅっぅぅぅぅぅぅ・・・・」と声を上げ始めました。

タケシも涼子の感じてくれる声に嬉しくなり「おいっ!気持ちいいみてぇだな!え?この淫乱め!」

とクリトリスを舐めるのをやめると、小道具としておいてある剣道の竹刀で吊るされた涼子に打ち込み始めました。

もちろん、初めは軽くでしたが、どんどんエスカレートし尻は竹刀で叩かれ赤くなり、叩かれるたびに、涼子は悲鳴と嗚咽を上げていました。

タケシは公認プレーと思っていたので、臨場感出るように「お前俺の顔見てるから・・・分かるよなぁ・・・俺は捕まりたくねぇからアンタ次第で生きるも死ぬも決まるぜ!おらぁ!」恐怖におびえる涼子の顔を平手で叩き、「生きる為にフェラチオでもするか?おいっこらぁ!」

涼子は震えながら頷きました・・・
涼子は今自分に起きているこの強姦行為にパニック状態でした、何も考えきれないほど死の恐怖に脅えていたのでした。


それに引き換え、タケシはこの臨場感溢れるレイププレーに浸っていました。


涼子を縛ったままベットに寝転がらせると涼子の口元にペニスを持っていくと、

タケシ「舌をだせっ!」と一喝。
涼子「ヒィッ・・・ぅぅぅぅう・・・」

タケシ「すぐに咥えずに、舌先でチンポを丁寧になぞれっ!」
 

涼子は舌を震えながら尖らせてタケシのペニスを舌先でカリ首から袋まで舐め始めました。

タケシ「おぉ・・いいぞっ・・・よし、ノド奥まで咥えろっ!」

涼子「・・うっ、むっぐぅっぅぅっぅ・・・・」

タケシ「おらっ、ピストンしろっ!」と涼子の頭を掴み、思いっきりノド奥にペニスを押し込むと、

「うげっえっぇえっぇぇぇぇぇっぇ・・・」

タケシはそんなモガク涼子にお構いなしにローションを尻に垂らすと、すぐにアナルに指を押し入れました!

涼子「ひぃっ・いやっいやっいやっ・・・だめっそこはっ!!!!!!はぅぅぅあぁぁっぁ・・・」


タケシの太い指は涼子のアナルの根元まで入り込ませ、掻き回して涼子が仰け反る姿を楽しんでいました。



その頃、英明は掲示板のもう一人の男と接触していたのでした・・・・。

その男自称ゼロ「完全奴隷・廃人製造のスペシャリスト」

英明はゼロに「廃人でお願いします、普通の生活は望んでいません」そう伝え、自宅に向かっていたのでした。
  1. 2012/12/30(日) 16:29:40|
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清楚妻の下半身6

[4573] 清楚妻の下半身6 澤野幸志朗 投稿日:2008/08/21 (木) 20:51
タカシは涼子の身体を紐で縛る用意をし始めると、涼子は隙を見て部屋の外へ出て掃除機に手を掛けて、タカシに反撃!タカシはソレを手で押さえていましたが、涼子のあまりの形相に、タカシは英明に言われた「本気でレイプしないと本人が納得しないから、ガツンとやっても構わない」の事を思い出し、本気で涼子の腹に蹴り込むと・・・

涼子「・ふっうぅ・・ぐぅぅぅっぅぁぁぁあああぁああ・・・」

タカシは女性にこれほどの苦痛を与える声を聞いた事無かったのですが、さらにそこまでしても抵抗する涼子に平手で顔面を何度も叩き、涼子が膝から崩れるように鼻血を出してしゃがみこむと、腕をとり引きずりながら、ベットへ戻すと置いてあった紐ではなく、麻縄を手に取ると亀甲縛りを涼子に施し始めました。


涼子は力無くされるがままでしたが、処理されていない麻縄はイガイガで柔らかい色白の涼子の肌は縄で擦れ赤くなり、痒みと痛みで声にならない「ひぃっっ・・ぅぅぅうはぁぐぅぅ・・・・ふんぐぅぅぅぅ・・・」悶絶。


更にお構いなしにタケシは縛り上げ、股間のクリトリスに当たる部分に縄玉を作り、締め上げると「いひぃぃぃっぃぃぃぃいっぃ・・・・あっぅぅぎゃうっぅっぅぅぅっぅぅぁぁっぁ~~~~~」



涼子は眉間に皺を深く入れてもがき苦しみました。


タカシは縛りあげた後ろ手に縄を掛けて、天井にあるフックに掛けました。

そして英明が用意した摩り下ろされた山芋を筆で身体の敏感な部分や縄で赤くなった部分に垂らしつけ始めると、すぐに涼子はむず痒さに襲われ「ひぃぃぃっ・・・いやぁあっぁぁぁぁぁぁぁっぁぁぁっぁっぁぁあーーーーーーっ、なんでよぉぉぉぉーーーーなんでぇっぇえぇぇ----英明助けてぇぇーーーーーーー」


涼子の頭の中には英明がどうなったのか・・・・どこなのか・・・もしかしたらこの男に・・・



むず痒く堪らない状況で、必死に英明の安否を気にしていた。



タカシが涼子の身体をゆすると、縄が股間に食い込み、クリトリスが麻縄のイガに刺さる状態で涼子は声を上げるどころか、口を真一文字にし本当に苦しんでいる状態でした。



英明はソレを見ながら、携帯のメールに気付き、また外へ静かに出て行きました。
  1. 2012/12/30(日) 11:08:16|
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清楚妻の下半身5

[4569] 清楚妻の下半身5 澤野幸志朗 投稿日:2008/08/21 (木) 17:00
英明はインターネットの掲示板で涼子の肢体を晒し、掲示板に「彼女を抱きたい人募集、アナルも使えます。SMにもスカトロにも、レイプごっこにもいかが?」


その書き込みに瞬時に英明にメールが入ってきました。


英明は早く涼子をボロボロにしたくてたまらず、手当たり次第にメールを返信し、同じ県の近場の3人が一時間以内にやって来るという・・・・。

英明は自分の嫁には流石にいきなりここまでは出来ませんでしたが、幼馴染とはいえ、40近い女にさほど大切に思う気持ちもなく、一年掛けて涼子を手懐け、時間を掛けた事で完全に暴走していました。

暫くするとメールが来ました。
英明は自宅事務所の玄関から出て、周りを見渡すとガタイの良い40代の男性が居ました。

英明「タカシさん?ですか・・」

タカシ「あ、ぁあ、そうです。ヒデさん?ですか」

二人は近くのファミレスに入りました

英明は小声で「タカシさんレイプ願望だったですよね・・」
タカシ「えぇ・・・」
英明「うちのはM女だからガンガンいいですよ、女優張りの抵抗はしますからね!」
タカシ「マジですか!いいんですか?」
英明「妻は今全裸で寝かせてますよ、好きにいいんですよ!バイブもあるし、縛る紐や小道具はそろっていますからね。」

タカシ「はぁ・・・」
英明「本気でレイプして下さいね、妻も本気でやられてこそ本望なんですから!」
タカシ「奥さんも望んでるんですかぁ~堪らないですね!」

英明「言っときますが、半端なしでお願いします。妻は本気でレイプされたいので、本気で抵抗するって言ってますから、タカシさんも本気で引っぱたいて構いませんよ」

タカシ「でもアザとかついたら・・・」
英明「そ、それそれ!妻はソレを望んでるんですよ!M女ですよ!嫁は!遠慮すると逆にやられて盛り下がるじゃないですか!」


タカシ「分かりました。」

英明「あ、そうそう、大事なこと言い忘れてた、妻のこれで終了って言葉は「イエローカード」って叫んだら終わりの合図という事です!言わない間は決してプレイをやめない事が条件ですよ!」

タカシ「イエローカード・・ですか、面白い合図ですね」

二人は笑いながらファミレスを出ました。

英明は自宅事務所三階に上がると、先に涼子の様子を伺いにいきました。


涼子は気絶したままでしたが、まるで寝ているのと変わらない状態でした。


英明「タカシさん、妻は疲れて深く寝入ってますよ、レイプの話は知っているので、気付いたら即女優モードですから、マジにレイプする気持ちで!」

タカシ「分かりました」

タカシは全裸で仰向けに寝る涼子をじっくり観察すると、近くにガムテープと紐を用意し、自分の服を脱ぎ始めました。

服を脱いだタカシの身体は厳つい身体に真っ黒に焼けた身体で、色白の涼子に獣が襲い掛かる感じで英明は後ろからビデオカメラをセットしながらニヤついていました。


タカシは全裸になると涼子の胸に舌を這わせ始めました・・・チュ・・むぅっ・・はぅ・・むぅはぁ・・ちゅちゅ・・ちゅぱっ・・・

静かな室内にタカシの吸い付く音がいやらしく聞こえ響いていましたが、次第に涼子が・・・

「うっ・・んぅ・・ん・・・・・ぅぅうっ・・・・・」

タカシは乳首を舌で吸い上げたり転がしたりして涼子の反応を見ながら楽しんでいました。

タカシは演技のレイプだとしか思っていないので、普通に興奮して楽しんでいました。

涼子は先ほどのアナル責めで体力限界になった上にミゾオチにパンチを入れられ、訳が分からない状態で、乳首を舐められている状態でした。

英明に舐められていると思い込んでいたので、意識が朦朧としながら「うぅん・・あはぅ・・うんっ・・・」

タカシは次第に声が良い感じで喘ぎ始めた涼子に興奮し、


タカシ「奥さぁん、良い声で鳴くねぇ~ひひひひ・・・」

涼子は「??」頭を少し上げ薄暗い中で自分の身体の上に乗っているのが英明ではない事に気付き、

涼子「なっ!?・・・???・・誰っ!?いっ・・いやああああああああああああああああああああああああああああああぁーっ」

バタ狂う涼子!!


タカシはここまで暴れるかという涼子の顔に一発平手を入れましたが、涼子は抵抗をやめません!それどころか、必死の抵抗でタカシの腕に噛み付こうと・・・・タカシは思わず涼子の首を絞めると、涼子の手はソレを外そうとタカシの身体から離れました。



タカシは最初よりも重たい平手を顔面に入れると涼子は咳き込み崩れ落ちました。
  1. 2012/12/30(日) 06:37:25|
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清楚妻の下半身4

[4400] 清楚妻の下半身4 澤野幸志朗 投稿日:2008/07/31 (木) 16:48
涼子は英明を信頼し、優しいSEXに愛を感じ始めていた頃でした・・・。



大きくお尻を突き上げた涼子のアナルに英明は舌を優しく差し入れた。

涼子「はぁああぁ・・」

英明「どう?気持ちいいだろ?」

涼子「うん・・・でも恥ずかしい・・汚いわ・・」

英明「綺麗にしてもっと涼子のアナルを舐めたいよ、いいだろ?」

涼子「うぅん、だめよぉ。お尻の穴は恥ずかしい・・」

英明は忍ばせていた紐をバック体制の涼子の手と膝を立てている部分を紐で縛り始めました。

涼子「ヒデくん、だめよぉ~」

英明「心配ないよ」


英明はベットの下に隠していたポンプ式浣腸器を取り出すと、涼子のアナルにゆっくり入れ始めました。

涼子「あっっ、だめっ、なに?何するの?変な事・・・っぁぁっぁぁ」

英明がポンプを動かし始めると涼子は眉間にしわを寄せながら軽い悶絶。


涼子「ヒデくん、だめだめっ、私、こういうの無理よぉ~ぁぁぁっぁぁぁぁ」


英明は黙々とポンプを動かし、時折涼子の頭を優しく撫でながら「愛してるよ」と。



バケツに入っていたグリセリン入りの水が三分の一程度になると、涼子の腹はパンパンに膨れ妊婦のように・・・。


涼子「無理無理・・・マジ無理・・・お腹が・・・無理・・ヒデ・・くん、やめて!」


英明は涼子の腹を擦りながら、軽く腹を叩きポンプを止めました。


涼子「おぉぉお・・おねがいっっ、で、出そう・・・紐解いて・・・うぅっぅ・・」

英明「綺麗になるよ、綺麗な涼子が好きなんだよ」

涼子「おねがい~~~・・・ひぃぃ・・・も・・漏れる・・・よ・汚れるからっ・・ぅっぅぅうぅ・・」



英明はそんな震えている限界の涼子のアナルに舌を添えてチロチロと舐め始めると

涼子「ひぃぃっぃぃ~~、もっ・・もう・・無理無理無理っっ・・出るっ出るっっぅっぅぅぅぅぅうっぅぅぅっぅ・・・いっぃぃ・・いやぁ~~~~~~~~~~~~」

そう叫ぶと同時に涼子が必死に震えながら閉じていたアナルが緩むと英明は口をアナルにあてがい、噴射する汚物を口の中へ・・・・


僅か15秒足らずの爆射でベットはスカトロ状態


涼子は嗚咽を上げ泣きだしましたが、英明はすぐにアナルにポンプを差込ました。

涼子「だ・だめって、駄目だってぇ~~~お願いぃ~~こんな変態なこといやぁぁぁっぁ~~~」


その涼子の叫びも虚しく、同じ事を10回も!


三時間に及ぶ浣腸プレイでゲッソリとなった涼子を抱えあげ別の部屋へ連れて行きました。


涼子「ヒデくん・・・どうして?どうしてなの?お願いっ、もうしないよねっ、」

英明は何も言わずに涼子の手に手枷をはめると、異変に気付いた涼子は飛び起きあがろうとしたその瞬間・・・・


英明の拳が涼子のミゾオチに鈍い音を・・・

涼子は悶絶しながら気絶しました。


英明はデジタルカメラで涼子の裸体を何枚も撮影、そしてパソコンでインターネットをはじめたのです。
  1. 2012/12/29(土) 20:04:12|
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清楚妻の下半身3

[4291] 清楚妻の下半身3 澤野幸志朗 投稿日:2008/07/12 (土) 14:27
良子は射精した精液を飲むのは初めてでした。

旦那浩一の精液など口にも放出させた事もありません、その代わりに長い長いフェラチオをさせられていた良子でした。ペニスを一時間ぐらい咥えさせられていたのです。。


良子は英明との関係でまた新しい人生を!と考えたのと、旦那にはしていない行為を英明にしてあげる事で・・・自分が英明のためだけの女になりたい・・・・


良子の中にそういう心が生まれたのでした。








そして英明と会う回数が月に一度から二回、三回、四回・・と増えていくにつれて良子の今まで手入れの無い下半身の陰毛が徐々に手入れされ、下着の枚数が増え、良子自身も艶が出てきたのでした。


浩一はそんな良子の行動で浮気を薄々気付いていました。

しかし浩一はあえて何も言わずに良子を泳がせたのでした。



半年、一年・・・・



英明は「そろそろいい頃だな・・・」と笑みを浮かべました。

英明バツイチ。

その離婚の理由は英明の妻が逃げ出したのである、英明は妻を調教し変態奴隷に仕込んでいたのだが、アナル拡張や刺青に妻が耐えられなくなり逃げたのでした。。。


英明は良子と、それはそれはこの一年以上をノーマルセックスで安心させていたのであった。
  1. 2012/12/29(土) 16:32:06|
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清楚妻の下半身2

[4284] 清楚妻の下半身2 澤野幸志朗 投稿日:2008/07/11 (金) 16:32
英明は同級生の良子の事は学生時代から好意をかなり抱いていたが、男子たちからモテていた良子に告白するまでは至らなかった・・・。

もちろん良子も英明の気持ちは知っていた・・・


知っていたからこそ、二人の初めてのキスは、あの頃の若い十代のように熱い気持ちで長いディープキスで吸い舐め合い、お互いの歯茎までも舐めあうほどでした。。。



英明は良子の胸に手をあてると、

良子「だめよぉ~、あたしそういうの・・・不倫はちょっと・・・」

英明「え~っ!キスしたじゃんか~」

良子「キスは挨拶よ~、ほらぁ、よく外国ではするでしょ」

英明「・・プッ、面白いなぁ良子はぁ~・・・ならキスはいいんだろ?」

良子「う~ん・・・いいよ」

英明「じゃ、俺が良子にキスしてやるから!」

良子を立たせると、良子は英明の意味深な言葉に何かを感じ取り、英明がスカートのフックを外すと、英明の目の前に良子のセクシーなグリーンと黒の刺繍の下着が目に入りました。

英明は良子の股間に鼻を近づけると

良子「お風呂入ってないし・・・・あんまりそんなに匂わないで・・・」

英明「何も匂わないよ・・」

そう言いながら英明は良子のお尻に手を掛けると、下着に指を絡ませゆっくりと降ろし始めると、英明の鼻元に良子の陰毛が見え、英明は一気に足首まで下着を下ろしました。

良子は降ろされた下着を足を上げて脱ぎ捨てると、英明にベットに押し倒され、足を開脚され一気に良子の股間に舌を這わせ始めました。


良子「臭いからぁ駄目ぇ~」

そう言いながらも英明から大きく広げられた足はより広げようと、英明が舐めやすいようにするしぐさが英明にも感じました。

英明「臭くなんかないよ、おしっこの匂いはするけどね、ふふふ・・・」

良子「イヤンもうっ!フフフ・・」


英明が立ち上がり、ズボンを降ろすと、英明のトランクスは先走りの液で股間がグチョグチョ状態。

良子はその英明の興奮し突き出したトランクスの上から手で触れ、顔を近づけると、滲んだ先走りに舌を這わせました。

良子「こんなになっちゃってぇ~、まだ、私にも興奮してくれるんだ~」

良子は英明のトランクスを降ろし、目の前に突き出た英明のペニス・・・旦那以外のペニスを見た事の無い良子でしたが、旦那の浩一は立派なペニスの持ち主で、浩一から包茎や仮性包茎の話を聞いており英明のペニスがそのどの部類かは即分かりました。


英明はペニスを握り、皮を後ろに引くと濡れた先細りの亀頭がニュルリと出てきました。


良子は一瞬「「仮性包茎なんだ・・」」と思いました。

英明は良子の口元にペニスを寄せてから

英明「キスだよ、これもね」

良子は英明を見上げながら、旦那浩一以外のペニスを口に含みました。。。

良子「うぅ・・ん・・ちゅるぅ・・じゅぽっ・・・ん・・ん・・ちゅっぱ・・・」

英明「おっ、おおおぉぉぉぉお~・・いいっ・・・」




英明は良子に長々とフェラチオをさせ、良子の口に口内射精しました。


英明「おぉっぅ・・で、出るっ・・出るよ・・」

良子「う!うぅうぅっ・・むぅぅ・・うぅむぅ・・・」



英明「気持ち良かったよ~、こんなフェラされたこと前の嫁さんでは有り得んよ!」

良子「え~、そうなのぉ?なんだか私が淫乱女みたいじゃない~ふふふ]
  1. 2012/12/29(土) 11:01:13|
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清楚妻の下半身1

[4230] 清楚妻の下半身1 澤野幸志朗 投稿日:2008/07/07 (月) 10:59
大恋愛の末の26歳で結婚!

幸せだった頃の、36歳の夫婦、浩一と良子。

二人は美男美女で大人しいカップル・・・という感じで周りからは見られていましたが、二人のSEXは見かけによらず、バイブやSMじみたSEXで夜は乱れた性活でした。


そんな仲の良い夫婦に亀裂が入ったのです。

浩一の性癖は暴走し、受身の良子は少し辟易していた頃に、浩一の携帯に外の女性との卑猥な内容、しかもその女性とのSEX内容が克明に書き込まれ、妻良子との身体の比較で妻の批判した内容に、良子は激怒!

良子は携帯を見た事を浩一には告げずに、その日から浩一とのSEXを拒否!


浩一には何がなんだか訳が分からず・・・


レスになり一年ほど経ち、浩一は外で外の女を抱くのが当たり前になりました。もちろん妻には内緒でしたが、妻良子は浩一の携帯を毎回チェックし把握していました。


そんな折の良子の中学時代の同窓会がお正月にありました。


くだけた内容で盛り上がり、良子の気持ちも学生時代のアノ頃へ・・・・

そんな時に学生時代に仲の良かった英明が声を掛けてきました。

英明「おいおい、良子~、お前かわらんなぁ~」

良子「あんたも・・・おっさんになったね~」

英明「あ~、なに~ははははっははは・・」


その後の二次会三次会も英明と良子は隣同士で盛り上がりました。

そして二人はメールアドレスを交換。





英明は設計事務所の社長でバツイチ。


事務所は三階建てで三階は英明の住まいとなっていました。


良子はちょくちょくそこを訪れるようになりました。

良子は浩一に性調教されていましたが、本来ガードの固い女です。

いくら知った男友達でも自分から媚びたりはしません。

しかし、レス二年目となると、浩一との夫婦仲も悪くなり始め、ついに英明に家庭の状況を告白。


英明「俺はお前の事大事に思ってるぜ、今でも!お前さえ良ければいつでもここに来ても構わないし、良子一人養うのはどうってことないよ・・・」

そう言い、軽く良子に近づき、肩に手を掛け引き寄せると

良子「ヒデくん・・・」


二人は身体を密着させると、英明は良子の顔に近づき、軽くキス・・・・

良子はそれを拒まずに受け入れたのです。。。

もう、良子の心には浩一はいません、完全に気持ちは英明に・・・。

その瞬間に、英明はもう一度良子の唇に重ねながらニュルっと舌を押し入れました。

英明の長く硬い舌を良子の柔らかい舌がネットリと・・・・・




38歳の二人はキスだけに長い時間を掛け・・・・・
  1. 2012/12/29(土) 06:45:59|
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自宅にて2

[Res: 4271] 自宅にて2 平 投稿日:2008/07/10 (木) 10:46
バタン。
と、音を立てて、玄関の扉を閉じる。
が、出かけたわけではない。

そのまま佇んで、
音をたてないようにして、ちょっと聞き耳を立てる。

「ほらほら、おズボン脱いで、かけて干しておきますわ・・・」

かちゃかちゃかちゃ・・・

「・・・・うふふふふ」
うれしいものを見た時のような、妻の笑い声。

「せっかくのクールビスのシャツ。畳んでおきますね」
「おお、すまんすまん・・・」

部長の声に満足げな声音がある。

「じゃあ、お背中流すので、私も、このTシャツ脱いじゃいますね。」
「・・・・おお。色っぽい下着じゃの・・・」

「えへえ・・・あの人の趣味なんです」
「なんか、乳首くらいしか隠れないのお・・・」
「うふん・・・濡れちゃいますから、はずしますね」
「おお、それも、凄いなあ・・・」
「ええ、食いこんじゃうのがあの人が好きで・・・はずかしいわ、見ないでください」

「わしのは見たじゃろうに・・・」
「・・・ええ、凄いのを・・・ふふっ・・・さあさあ、部長さんお風呂はこちらです」

がしゃあん、
安普請のユニットバスの扉が開く。

「おお・・・・これはこれは」
部長の驚いた声。
  1. 2012/12/28(金) 19:51:41|
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自宅にて

[4271] 自宅にて 平 投稿日:2008/07/10 (木) 10:22
サービス残業は当たり前、リストラにあえば、派遣かフリーターしかない状況では
家族で会社に尽くさねばならないのは当然のことかもしれません

「まあまあ一杯どうぞ・・・」
「おほほっ・・・色っぽい奥様に注がせるとは申し訳ないのお・・・」
「いえいえいつも主人がお世話に・・・」
部長のソファの隣に座った妻が頭を下げると、
私のTシャツをざくっとかぶっただけの襟元から、豊満な肉な弾けるのが覗ける
部長の目線が胸元を走る。そして、目線が下にも・・・

長めのTシャツで
スカート代わりにしていただけなので、むっちりした太もももそのまま覗けるのである

部長のスケベぶりはよく知られている。
仕事でも辣腕家で、会社の看板的存在でありながら、
女性にも剛腕で、精力抜群。
あまりの強さに奥さんまで逃げ出したくらいの精力との噂。

「たくさん呑んでくださいね・・・部長はいける口ですよね?」
私が迎い側のいすから声をかける
「あらら・・・すみません」
薄手のコップから部長の好きなエビスが溢れる。

あわてて、妻が部長のズボンをハンカチで拭く。
「おお・・・すまんすまん・・・」

妻に太ももを拭かせながら、
自分の股間に屈みこむ妻の頭を満足そうに眺める部長。

大柄な部長の下半身で、優しく大きく前後していた妻の右手がふと、止まる。
何か、印象的なものを見たようだ。

「すみません部長。高そうな服を・・・」
「いやいや、こんな安物」

「あ、そうだ、部長、暑くて汗もかいたでしょう。ちょっとシャワーでも浴びてきては?」
「いああ、そんな悪いよ」

「ええ、是非、浴びて行ってくださいな」
と、妻。

「あ、そうだ!おまえ、背中流してやれよ」
思いつきのように声をかける私。

「いやいや、いいって!いいって!」
自分の太ももの根元を撫でる妻をニヤニヤ眺めながら、声だけは否定する部長。

部長の声の調子は、よく理解している私。
上司の声色で、瞬時に感情を判断できる。

部長の股間にうずくまる妻に
目線で合図を送ると、
「・・・こちらです」
妻が部中の右手を取って立ち上がる。

部屋を出ていく影二つ。

安っぽい蛍光灯の光で、部長のクールビズの背中に廻された
妻の白い右の二の腕がむっちりと光る。

「あ、そうだ、俺ちょっと、親せきの家に行かないと・・・部長ゆっくりしてってください」
「おお?・・・・いや、そんなすぐ帰るよ」
「ゆっくりしてください部長、お湯も入ってますし・・・・」と妻。

私は笑いながら
「おおい、部長と浮気してもいいぞお・・・!」
と、冗談のように妻の背中に声をかける。

「おいおい、冗談きついぞ」
「やだあ、部長さん、こんなおばさん相手してくれないわよ・・・」
妻の上半身が、クールビズにしなだれかかった。
  1. 2012/12/28(金) 16:50:55|
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悪魔のささやき28

[5291] 悪魔のささやき28 ナオト 投稿日:2008/11/22 (土) 01:21
自分が考えていたほど反応がなく、今一度勉強し直してまいります。
読んでいただいた方、申し訳ありません。ありがとうございました。



直立不動のまま、視線を斜め下に向けている真由香に向かって、
「さ、脱いでもらおうか。」とえびす顔で矢崎は催促する。
少し髪は乱れているが、真由香はほとんど、ここへ来たときの清楚で可憐な外見のままだ。

白いシフォンワンピースは、年齢より若く見える真由香をさらに若々しく魅せている。
膝小僧の5センチくらい上までの裾のあたりは、フリルのようになっていて、少女らしい可憐さを醸し出しているが、襟元のカットと、袖の微妙な長さがエレガントな大人の女性を演出していて、真由香のセンスのよさの表れだろう。
二の腕が思いのほかぽっちゃりしているのは主婦の証しとでもいおうか。
すんなりと伸びた白い脚は、ふくらはぎが細く、まっすぐで綺麗な形だ。裸足の足の指まで、その清らかさは続いている。

真由香は俯いたまま、両腕を上げた。このワンピースは後ろ側、丁度うなじの下辺りにボタンが三つほどある。
真由香はボタンを二つ外した。一呼吸、何か考えるようにしていたが、次の瞬間、右側の肩からワンピースを下にずらすように脱ぎ始めた。
右手を抜くと、水色のブラジャーの右の肩紐が覗いた。同じように今度は左側も脱ぐ。
両手を完全に袖から抜くと、胸の辺りでワンピースを押さえたまま、じっとしていたが、
意を決したように手を離した。ストンと白のワンピースが畳に落ちた。

薄水色のブラとパンティ姿になった真由香に、矢崎はゴクリと、生唾を飲み込む。
何と白い肌だ。身体のラインも思ったとおり素晴らしかった。
わずかにわき腹の辺りに、出産経験の名残りともいえる密やかなふくよかさを漂わせているが、それがまた人妻らしいほのかな色気となって男を惹き付けるのである。
胸の辺りを押さえ、止まったままの真由香に向かって矢崎が言う。
「どうした、全部脱ぐんだ。」

真由香は両手を後ろに回した。ブラジャーもショーツとお揃いでシンプルなものだった。
レースがわずかにほどこしてあり、清潔な真由香の印象に合っている。
背中のホックを外した。肩をすぼめるように胸の上でブラジャーを押さえていたが、あきらめたように、ついに真由香は胸からブラジャーを離した。
両手で胸を隠す真由香。矢崎がすかさず声をかける。
「手をどけて。」
両手を胸から外し、真由香の乳房が露になった。

美しい乳房だった。大きさはそれほどでもないが、形のいい御椀型の胸だ。
マシュマロのように白く柔らかそうで、血管が透けて見えている。
乳首は薄い茶色で乳輪は平均的な大きさだろう。乳輪から乳首への段差が少ないタイプで滑らかに乳首に繋がる形だ。
矢崎は満足感に溢れる気持ちで、胸を曝した真由香を見つめている。
真由香に会ってからまだ一週間経ってないのだ。なのにこうして俺の前で乳を曝してるじゃないか、という爽快な気分なのである。

真由香は顔を真っ赤にさせて、俯き加減に唇を噛んでいる。
「最後の一枚だ。」矢崎はたたみかけるように、引導を渡す。
真由香は震える手でショーツの両脇に親指をかけた。
すっと数センチ、その指が下へ動いたところで、一瞬止まったが、ついに膝までゆっくり下ろすと片足を上げ、とうとう一糸纏わぬ姿を矢崎に見られてしまったのである。

生まれたままの姿になった真由香を、鼻息を荒くして矢崎は見つめた。
どこまでも神々しいまでに清らかさを誇示する真由香の裸身。
両乳房は柔らかそうに優しげな母性を感じさせ、乳首が恥ずかしげにわずかにその先を上向かせていた。
そして、下半身の真由香の繊毛のようなヘアに包まれた神秘は、うっすらと中央に向かってそよぐように密集している。
そこは露ほどの淫靡さも見せようとしない人妻の凛々しさがあった。

「後ろを向くんだ。」
矢崎はお猪口に再び冷酒を注ぎながら言う。じっとしていられないくらい興奮するのだ。
真由香は顔を斜め下に髪の毛で隠すように俯きながら、ゆっくり背中を向けた。
本当に歪みのない、綺麗な体系をしている。グラマーとかそういうタイプではない。
背筋が綺麗に伸び、ウエストも厭味なく自然にくびれている。ヒップは横に大きいタイプではない。

ウエストから徐々にやんわりと丸みを帯び、むっちりとした太ももに繋がっている。
柔らかそうな臀部にはちょうど腰の辺りに可愛い二つのえくぼが出来る。
矢崎はこういう尻が好きだった。
真由香は高校の頃までバスケットをやっていて、社会人になってからも、ジムなどに通っていたので割りと筋肉のあるほうだったが、
さすがに子どもを産んだ今は脂肪の乗ったしっとり柔らかそうな尻になった。
両手を前で繋ぐようにしながら、片足に体重を掛けるようにしている真由香の後姿は、恥じらいが手に取るように伝わってくる。

「よーし、そのまま前向いて。」
真由香は成すすべもなく、従うほかなかった。
「ほら、前隠さない。」どうしても股間の茂みを隠してしまう真由香は、すぐに矢崎に指摘される。
「奥さん、綺麗だぞ。素晴らしい身体してるじゃないか。」
矢崎の声には喜びが溢れていた。赤ら顔も満面の笑みである。
矢崎はもう一口お猪口の冷酒を飲むと立ち上がり、真由香のそばに寄った。

「ほんとに綺麗だ。」と俯いた顔を隠している真由香の柔らかな髪を、すっと耳にかけてやるのだ。
真由香の表情は恥じらいに染まっているが、そこには心を完全に閉ざした静かな意思のようなものが感じられる。
矢崎は真由香の手首を取り、窓際へと連れて行く。
「奥さんは賢い人だ。もう俺がつべこべ言わなくても、逆らったりしないよな?」
女性をこんな卑劣なやり方で陵辱する男が、現実にいることが信じられなかった。
この男には子どもはいないのか。他人の妻、子どものいる主婦である自分に対して行っている行為を断じて許さない気持ちが沸き起こってくる。

「どうしたんだ、聞いてるのか?」
再び問いかけられ、小さく頷くしかない。
矢崎は窓のサッシの段差の部分に座布団を置き、「ここに座るんだ。」と真由香を誘った。

窓ガラスの外側に竹の簾がかかっているが、外の景色がちらちら見えている。
眼下には月極の狭いパーキングがあり、その隣りは4階立てくらいの雑居ビルがあった。
いずれも風俗店やスナックなどの看板が出ている。まわりも全て様々なビルが囲んでいるが、どれも古臭いたたずまいで、まさに新宿の裏側の雑然とした風景という感じだ。
真由香は矢崎が何をたくらんでいるのか不安でいっぱいになる。
押されるようにして、窓際の座布団に座らされてしまった。

矢崎が真由香の前にしゃがみこんだのを見て、反射的に真由香は股間を隠すようにする。
「手、どけるんだ。」矢崎が睨んだ。
真由香は唇を噛みながら、静かに手をずらし顔を横に向ける。
矢崎はおもむろに真由香の両膝を持つと、ぐいっと、いきなり真由香の両脚を左右に広げた。
「ひっ!」驚きに、声にならない真由香の小さな悲鳴が響く。同時に両膝がすごい力で閉じられようとした。
「逆らうなと、言ってる。」矢崎が口を尖らせて間髪いれず叱咤する。
眉毛をキリッと吊り上げて、真由香は唇を固く結んだ。瞳は力強く見開いて遠くを見ている。
矢崎にゆっくり開脚されながら、新宿の夕暮れ時をぼんやり見つめるのだった。
  1. 2012/12/28(金) 11:24:00|
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悪魔のささやき27

[5281] 悪魔のささやき27 ナオト 投稿日:2008/11/21 (金) 22:47
矢崎のねちっこく侵入してくる手の感触のおぞましさに、真由香はガクガクと膝が震えるのを止められなかった。
「汗かいてるぞ。今日は暑かったからな。」
耳元でそっとささやくと、ついに矢崎の手は、静かに真由香の下着が見えるところまでスカートを捲くった。
真由香のショーツが露わになった。

薄い水色のごく平凡な形で、左右のほんのわずかなところだけレースがあしらってある。
「ほう、奥さん、こういうパンツ穿いてたのか。」
可愛いじゃないか、とスカートを尻のほうも捲り、後ろから真由香の臀部を見下ろすように眺める。
正座したつま先が、真由香の緊張を表すかのように白く覗いている。
矢崎の分厚い手の平が、真由香のショーツに包まれた尻に触れた。

(いいケツしてるじゃないか)
決して大きいというわけではないが、真由香の尻は、丸く少女っぽさも残しながら、人妻らしい脂も乗って指にしっとりとした感触を残す。
ついにこの女のケツを触った。矢崎は夏の初めに、公園で初めて真由香の写真を見た日を感慨深く思い出しながら、その尻を存分に堪能するのである。

真由香は氷のような表情を浮かべ、まるで意思を封じ込めたかの如く、ただ一点を見つめながら耐えていた。
涙は止まっていたが、頬にその後が残っている。
貴彦や真貴のことを考えると涙が出て、気が狂いそうになる。すべての気持ちを封印して、ただ時が過ぎるのを待つしかないと思った。
矢崎はふいに立ち上がると真由香の後ろに回った。あっと言う間もなく、真由香の両脇から腕を差し入れ、胸を鷲づかみにされた。

「やっ!」
反射的に真由香は抗う。しかし、矢崎は強い力で抱きすくめるように胸をつかみながら、
身体を密着させ、真由香の頬に顔を擦り付けるようにするのだ。
「いっ、嫌っ!」
冷静でいようとした真由香だったが、ふいを突かれるとやはり耐え切れない。身の毛もよだつような男に、生理的に拒否反応を起こしてしまうのである。
矢崎の熱い鼻息がうなじにかかった。酒と煙草臭い匂いに「うっ」と顔を背ける。
ワンピースの上から真由香の乳房が強引に揉みしだかれた。左右十本の指でしぼるように揉まれ、布地の下の乳首を探るように指で摘まれる。

「やっ、いやだっ。」
真由香は力任せに振り払った瞬間、体勢が崩れた。そのままなだれこむ様な形で畳の上に倒されてしまった。
「こっ、こんなところで、やめてくださいっ!」
矢崎に覆いかぶされて、真由香は懸命に抵抗し、足をバタつかせる。矢崎は真由香の両足の間に身体を入れ、真由香の腕を押さえつけた。
「大丈夫だよ。誰も来ねえから安心しな。」そう言うと、四角く開いたワンピースの襟元に手をかける。
ショーツと揃いの薄水色のブラジャーが覗いた。

真由香の両手首を頭の上で左手でがっしり掴むと、捲くり上がったスカートの下のショーツの上から、真由香の股間に触れる。
「いやあっ!」
真由香が叫んでも一向におかまいなしに、矢崎はショーツ伝いに感じられる真由香の亀裂に芋虫のような指を食い込ませた。
ぐいっ、ぐいっと恥ずかしい真由香の花芯をこするように、食い込みに沿って揉みこむようにする。
「くっ。」敏感な部分を強引に擦られ、真由香はさらに足で抗った瞬間、真由香の膝が偶然に矢崎の股間を直撃した。

「ぐえっ!」
まともに睾丸を蹴られた矢崎は、カエルのような声を発し、しばらく顔をしかめていたと思うと、いきなり右手で真由香の頬に、パシッとビンタを食らわした。
「いいかげんにしろっ!」
物凄い剣幕の矢崎だったが、真由香は怯むことなく、きりりとした瞳で睨み返してくる。
「な、なんだよ、その目は。」真由香の真っ直ぐな視線に、矢崎のほうが逆におどおどとしてしまった。この男の垣間見せた気の小ささに、真由香は益々嫌悪を覚えるのである。

「占い師のような才能があるのに、何故人を悲しませるようなことをするんですかっ。」
いきなり思いもよらぬことを言われて、矢崎は呆気にとられてしまった。
真由香に言われなければ、自分が天城蒼雲だということも、うっかり忘れるくらいだった。こんな状況で真由香がまだ信じていることに、つい可笑しくなってしまったのである。

「はあーっ」矢崎は大きくため息をついて、ゆっくりと真由香から離れた。
「残念だが、どうしても奥さんはその気になんないみたいだな。
旦那まだ会社にいるかな?とりあえず、メールだけでも送っとくか。」
矢崎は完全に愛想をつかしたような演技をしながら、携帯を取り出し、おもむろに操作を始める。
「ま、待ってくださいっ!」
真由香は起き上がり、携帯を持っている矢崎の手を掴み、必死で懇願する。

「あんた口ばっかじゃねーか。言うに事欠いて、人の仕事にまでケチつけて。」
矢崎は真由香の手を振り切り、立ち上がって尚も操作を続けようとする。
「許してくださいっ、謝ります。もう逆らいませんからっ!主人にだけはっ」
真由香はすがるようにしがみついて、泣き叫んだ。
両手で矢崎の腕を握り、懸命に許しを請う真由香を横目でちらりと見つめると、
「本当に心入れ替えてくれるのか?今度逆らったら最後だと思ってくれよ。」と、
矢崎は念を押すように冷静な声で言うのである。

「わ、、わかりました、、。」
覗き込むような矢崎の目に、真由香は俯いて頷くしかなかった。
「服を自分で脱いで裸になるんだ。」
真由香の顔からさっと血の気が引き、口元が何か言いたそうにしたが、唇を噛むしかなかった。
矢崎はあぐらをかき、冷酒を一口飲んで、煙草に火をつける。
真由香は部屋の隅に立ち、後ろを向いている。
「もっと近くに来て、こっち向くんだ。」
真由香は俯いたまま、静かにこちらを向いた。
  1. 2012/12/28(金) 06:43:18|
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悪魔のささやき26

[5226] 悪魔のささやき26 ナオト 投稿日:2008/11/18 (火) 18:48

テーブルの上には何回かに分けて運ばれた寿司の皿が、数枚平らげてあった。
矢崎は三杯目のジョッキに入った。
真由香は初め全く手をつけなかった。ビールも一口二口喉を潤す程度だったが、矢崎がこっちまで白けると、しつこく促すので仕方なく口に運んだ。
矢崎の言う通り、店の外観に似合わず新鮮なネタに、旨いと感じてしまう自らの味覚を恨めしく思う。

会話はほとんど矢崎が一方的に喋っていた。ときどき矢崎の問いかけに、答える程度である。
しかし、その内容は真由香にとって苦痛だった。この前のように下ネタのほうが、しらばっくれていられただけ幾分ましかも知れない。
「旦那には上手いことごまかせた?」とか、「娘さんは託児所かい?」とか、
「旅行の準備するフリも大変だっただろ?」などと、真由香の心情を逆撫でするかのような、あたかも旦那の目を盗んで、自ら不貞を働く女に対するような会話を振ってくるのだ。
ジョッキを三杯空けたというのに、あまり酔っているようには見えない矢崎は立ち上がると、「オヤジ、冷酒持ってきてくれ」と階段から呼んだ。

ほどなく冷酒が運ばれると、「こっちこいよ」と矢崎は隣りに座るよう誘う。
真由香の表情がこわばった。悔しさでいっぱいになる。足が動かない。
「ほら、ぐずぐずしない、こっちこっち。」矢崎に腕をつかまれ引きずられるように、隣に座らされた。
そのとき、真由香のスカートの布地越しにブルーの光が点滅した。
ビクリと驚いたようにポケットに手を入れた真由香は、マナーモード着信を知らせる携帯電話を取り出した。

「誰からだ?」
矢崎の問いに無言のまま困惑した表情で視線を逸らす。貴彦からだった。
立ち上がって電話に出ようとする真由香の腕を矢崎は寸でのところで摑まえた。
「な、何するんですかっ!」
強引に携帯を取り上げ、液晶画面を覗き込んだ矢崎はにやりと笑うのだ。
「貴ちゃんって旦那か?」
「返してっ!」奪い返そうとする真由香の腕をつかんだまま、からかうような口調で言う。
「俺が出てやろうか?貴ちゃん、今あんたの奥さんと差し向かいで呑んでるところだって。」

真由香の表情から血の気が引き、身体が固まる。マナー着信のバイブレーターのブーン、ブーンという低い振動音だけがしばらく部屋に響いた。
「携帯はしばらく預かっとく。」
ここまで来て気が変わられちゃ困る。蛇のような執念深さを持った矢崎の冷静な行動だった。
やがて着信のバイブレーターが停止し、これで貴彦との最後の繋がりも奪われたのだと、真由香の全身から力が抜けた。

「さあ、これで気持ちの整理もついただろう?」
矢崎は不気味な笑顔で言うと、お酌してくれよ、と左手で真由香の肩を引き寄せながら、ガラス製のお猪口をつまむ。
真由香のブラウンの髪から、ほんのりシャンプーの匂いがする。
(まさに本物の素人主婦の匂いだ。水商売や風俗女の香水臭い匂いとまるで違う)
抱いた左肩の下の半そでの裾から、人差し指を少しだけ入れて肌の感触を楽しむ。
すべすべとして、少女のようだ。

矢崎に促され、四合瓶の冷酒を取ると、真由香は小刻みに震えながら、お酌をした。
グイッと一口で飲むと、そのお猪口を真由香に差出し、矢崎は冷酒を注ごうとする。
「吟醸だ。旨いぞ。」「あたし、、いいです。」固いこと言うなって、と強引に注がれる。
仕方なく真由香は、指で矢崎の唇の触れたお猪口を拭く。甘いさっぱりとした冷たい酒が喉を通る。
ふいに矢崎が左手を真由香の太ももに置いた。
ビクリ、と見る見る鳥肌が立つのを真由香は感じる。矢崎は無言で手酌しながら、左手で太ももを擦りだした。

真由香は正座しているのだが、座るとワンピースの裾は膝から10cmくらい上になる。
矢崎が撫でることによって、少しめくれる形になり、ミニスカートのように真由香の太ももが露わになった。
ストッキングを穿いてない生足のすべらかな感触に、矢崎はぞくぞくするような思いだった。
何という滑らかな肌だ。色も透けるように白い。平均的な体系だが、ムチムチとした太ももは母親としての逞しさを感じさせた。

無言で俯いている真由香に気をよくして、さらにスカートの中に手を入れようとしたとき、手の甲に何か滴る感触があった。
ふと見ると、真由香はキッと眉を凛々しくも上げたまま、ぽたぽたと涙を流しているのである。
その表情は、哀しい顔とかそういうものではなく、まっすぐに前を向き、清々しささえ感じさせるものだったが、涙の溢れ方はまさにこぼれるように、ぽろぽろ、ぽろぽろと、とめどなかった。

「おいおい、泣かんでくれよ。こっちまで気が咎めるじゃないか。」
矢崎は少しおどけたような口調で、そんなに嫌なら無理しなくていいんだぞ、と言う。
「全部、旦那に話すか。」
そう言われて、真由香は、はっとするのだ。
「大丈夫です。ただ自然に涙が出るんです。逆らってるわけじゃないです。」
真由香はきっぱりとそう言う。最初から感じていたが、この女は中々芯が強いと矢崎は思った。

普通の女性ならメソメソしたり、暴れだすところかも知れない。真由香は涙は流しても、声には凛として覚悟を決めたような響きがあるのだ。
「旦那にどうしても知られたくないのなら、むしろ俺には感謝してもらいたいくらいなんだ。あんた、風俗嬢にされるとこだったんだぞ。
一晩、何もかも忘れて俺のものになれば全部解決するんじゃないか。」
矢崎は、実に優しげに諭すように言いながら、しかし口調とは裏腹に、ゆっくり真由香の白いシフォンのスカートの中に手を入れていく。
  1. 2012/12/27(木) 19:22:22|
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悪魔のささやき25

[5180] 悪魔のささやき25 ナオト 投稿日:2008/11/12 (水) 19:53
大手食品メーカーのクリスマスキャンペーンの概要をディレクターの高橋が説明している。
会議の席には貴彦の他、企画部長を始めスタッフ十人ほどが耳を傾けていた。
「それでは顧客リサーチの資料について、佐々木さんからお願いします。」
高橋が貴彦の名前を呼ぶ声にすら、気が付かなかった。

朝から貴彦の頭の中は真由香と矢崎のことで占領されてしまっている。
すでに賽は投げられたのだと何度も自らに言い聞かせるのだが、時間が経つにつれ「今なら間に合うのでは」と心の声が叫ぶのである。
さっきから携帯を握り締めて、真由香の携帯番号を表示させている貴彦であった。
「佐々木さんっ」
ふと顔を上げると、全員が怪訝そうに貴彦を見つめていた。


ビルを出て、二人は夕方の新宿を歩いていた。
矢崎はカーキ色のパンツに、黒のシャツの裾をだらしなく外へ出して、足元は今日もサンダルだった。
真由香は水商売風の女性にはとても見えず、矢崎と並んで歩く姿は実に不釣り合いな感じで、時々通り過ぎる人が振り返った。
路地を少し入ったところの、ひなびた小さな寿司屋に二人は入った。
カウンターと狭い座敷席だけの店内には、痩せて頭の剥げた職人が一人いるだけだった。

「オヤジ、二階空いてるな?適当に握ってくれ。あと、生を二つな。」
「へい。」
古色蒼然とした店の雰囲気に、真由香は自分が悪夢の中を彷徨っているような錯覚さえ覚えるのだった。
ギシギシと音をたてる古い民家のような階段を上ると、四畳半ほどの部屋に丸いテーブルがあり、部屋に似合わないサッシの窓から、遠くに都庁ビルが少しだけ見えた。

「どうしたんだい、いつまでも突っ立ってないで、座りなよ奥さん。」
脅えた表情で立ち尽くす真由香にそう言うと、矢崎はどっかとテーブルの前にあぐらを組んで座り、マルボロに火をつけた。
真由香は部屋の隅に、腰をかがめてようやくしゃがむのだが、腰を下ろすまでいかないほど、緊張している様子だ。
「そんな隅っこにいないで、こっちこっち。」
矢崎がニヤニヤしながら、テーブルを叩いて手招きする。
いつまでもじっと見つめている矢崎に堪えかねるように、真由香はようやくテーブルの前に座った。

悲哀に満ちた真由香の表情を覗き込むようにしながら、矢崎は念を押すように言った。
「奥さん、分かってるな。俺はあんたのために500万払ったんだ。
それを一晩で忘れてやると言ってるんだ。今日一日は俺の妻になってくれなきゃ困る。」
俺の妻、という言葉に真由香の表情は引きつり、憎悪に歪んだ瞳を矢崎に向ける。
反抗的な眼差しを楽しむかのように、矢崎は続けた。
「なんだ、まだその気にならないのか?やめるか?
この携帯でいつでも旦那にメール出来る。見てもらって正直に話すか。」
真由香は、はっ、とした表情になり「ま、待ってくださいっ。」と声をあげた。

昨日一日、いや今日もギリギリまで真由香は考えた。全て正直に貴彦に話せば分かってくれないか。
カウンセリングと言われて、こんな写真を撮られた、、そう言えばいいではないか。
他人から見ればきっとそう思うだろう。
しかしこれは、貴彦と愛を育んできた、たくさんの思い出を作ってきた真由香にしか分からない感情だ。貴彦ならおそらく許してくれるだろう。
それでも、彼の心の中で、自分という存在が変わってしまうのが恐かった。
どんな理由があれ、あんな写真は貴彦にだけは見られたくない。

階段からギシギシ音が聞こえ、「失礼します」とビールを持ってさっきの店主が入ってきた。
刺身と生ジョッキを置くと、陰気な声で「ごゆっくり」と出て行く。
「もう一度聞くが、今晩は俺の妻になれるか、どうなんだ?」
真由香は俯いたまま、唇をかみ締めるようにしている。
しばらくの沈黙の後、真由香は消え入るような声で言った。
「、、なります、、。」
矢崎はようやくひとつ目的を果たしたように、細い目をさらに細くして黄色い歯を見せる。
「口ばっかりじゃなく、あんたの態度次第ではすぐに契約を打ち切るからな。
それが嫌ならしっかり心入れ替えることだ。」
絶望的な気持ちで真由香は矢崎のダミ声をぼんやり聞いていた。

まずは乾杯といこうや、とジョッキを手に取ると真由香を促す。
震える指先で何とかジョッキを持つと、「奥さんから音頭取ってもらおうか」と意地の悪い言い方をする。
何も言えず黙っている真由香に、
「ほら、ビールがぬるくなっちまうだろ、二人の夜に乾杯、とか何とか。」と笑うのだ。
怖気の震う言い草に、しょうがなく小さな声で、
「乾杯、、」とジョッキを合わせた。
矢崎はゴクゴク喉を鳴らしてビールを流し込むと、
「ここの店は汚ねーけど、なかなかいけるんだ。」と刺身をつまみながら、
「真由香も遠慮なく食え。」
と初めて呼び捨てにした。
  1. 2012/12/27(木) 16:41:02|
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悪魔のささやき24

[5140] 悪魔のささやき24 ナオト 投稿日:2008/11/07 (金) 11:48
mmさん、ネットワークさん、ろんさん、Yさん、ジャンクさん、CANDY♪さん、ありがとうございます。


貴彦は、塩分控えめの青椒肉絲を味わいビールを流し込む。
傍らの真貴が「はい、どーじょ」と、貴彦に自分の皿のプチトマトを差し出すのを、
「お、パパにくれるの?うれしーなー。」と言って頬張る。
「真貴ちゃん、やさしーねー?パパ嬉しいって。」
真由香はニコニコしながら真貴にそう言って、グラスにビールを注いでくれる。
真由香の注いでくれるビールは、どんなビアホールの生ジョッキより旨い。こんな幸せに恵まれながら、自分は何という男か。
今日、真由香が矢崎と会って来た痕跡を探している自分に呆れてしまうのである。

真由香はいつもと変わらず明るかった。昼間はこの真貴をどこかに預けたのではないのか。
そんなそぶりも見せない。やはり、矢崎の呼び出しなどに応じなかったのだ。
真由香があんな怪しい男に簡単に騙されるはずない、とどこかホッとした気持ちにもなるのである。
しかし貴彦が食事を終わって居間のソファに横たわり、テレビのナイター中継を見ている時、のん気な考えは一気に吹っ飛んだ。

「ね、貴ちゃん。」
うとうとしかけた目を向けると、真由香がいつになく神妙な顔つきで立っている。
「この前偶然友だちと会って食事したことあったでしょ。」
「うん。」貴彦の心臓がドクンと音をたてた。
「彼女、知り合いと温泉行くつもりだったんだけど、急にその人が行けなくなったらしいの。
今更キャンセル出来ないし、お金はいらないから一緒に行ってくれないかって言うの。」

胸の辺りがキューンとする。
「そ、、そう?」
何とか平静を装って貴彦は訊いた。
「それで、いつ?」真由香の返事を聞いて、貴彦は全身の力が抜けていくような感覚だった。
「それが、急で悪いんだけど、明日なの。」

自室のパソコンの前で、貴彦はまるで魂の抜け殻のようになってぼんやり画面を見ていた。矢崎の新着メールは、たった一行の短い文章だった。


『明日、ようやく初夜を迎えられそうです。』


妄想のはずだった。単なるゲームのつもりだった。しかし、ついにそれが現実のものとなるのだ。
真由香がやられる。あの真由香が矢崎と情を結ぶのである。
どんな手段を使ったのか。何度もメールしたが、矢崎から返事はなかった。
止めなくていいのか。今全てを真由香に話し、謝れば、、。真由香は狂ったように怒るだろう。
それでもいいではないか、彼女がやられてしまうんだぞ。あんな男に。本当にいいのか?
真由香はさっきすがるような目で言った。

「ねえ、無理しなくていいんだよ。駄目なら断れるんだから。」
しかしついに、貴彦は真由香の外泊を許可してしまったのである。真由香を守る最後のチャンスを逸したのだ。
真由香が何か言いたいような、一瞬哀しい瞳をしたのを貴彦は見逃さなかった。

木曜日。渋谷駅のホームで立ち尽くしたまま、真由香は何本かの電車をやり過ごした。
もし、こんなところを貴彦に見つかったら何の言い訳も出来ない。自分はすでに箱根の温泉にいることになっている時間だからである。
それでも真由香は心のどこかで見つかって欲しいという気持ちがあった。貴彦に嘘がばれて叱られようが、それでもいい、見つけて家に連れ帰って欲しかった。
しかし、そんな偶然もあるはずがなく、刻々と指定された時間だけが近づくのである。

時計は4時30分を指していた。真由香は山手線に乗り、ついにあの男の元へ走り始めたのである。
必要のない旅行バッグが空しかった。デパートの物産展で箱根土産まで用意したことも情けない。
昨日の夜、自分からベッドで貴彦に抱きついた。貴彦はいつもより強く抱きしめてくれた。優しいキスをくれた。
でも、それ以上は求めてこなかった。もう随分と愛し合っていない。きっと、仕事のことで頭がいっぱいで疲れているのだろう。それなのに自分は。
(ごめんね)貴彦に抱きしめられながら、何度も心の中で呟いた。

ドアを開けて俯いて立っている真由香を見て、矢崎はため息をついた。
「ほおっ。」
真由香は白地に控えめな模様をあしらったシフォンのワンピース姿だった。膝より少し上までの丈が、真由香の愛らしさを強調している。
今までパンツ姿しか見ていなかった矢崎は、ワンピース姿の真由香に改めて見とれているのである。実は昨日の帰り際に矢崎が指示したのだ。
「あ、そうそう、奥さん。明日来てくれるとしたらスカートでお願いしますよ。出来ればミニがいいんですが、ま、贅沢は言いません。」

ミニではなかったが、約束を守ってくれたことに矢崎はほくほくした顔で、
「いやあ、可愛らしい。まるで、どっかのお嬢さんみたいだな。」と言うと、真由香の鞄を事務所に置いて、さっそく行きましょう、と、ドアに鍵をかける。
矢崎の顔も見れない真由香は背中に手を沿えられ、今降りたばかりのエレベーターの方へ連れられるのだ。
  1. 2012/12/27(木) 11:33:45|
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悪魔のささやき23

[5103] 悪魔のささやき23 ナオト 投稿日:2008/11/03 (月) 14:44

暴力団だの裏DVDだのといった身の毛のよだつような単語に、得体の知れない矢崎にすら、すがりたい気持ちになってしまう真由香だった。
「お、、お願いしますっ、こんな写真今すぐ削除してください!」
矢崎は黙ったまま、ペットボトルのウーロン茶を飲んでいる。
「話がつきそうって、どういうことでしょう。お金ですか?」
真由香が涙目でそう訴えると、矢崎はほくそ笑むような細い目で睨み返し、馬鹿にするような口調で言った。

「奥さん、暴力団を甘く見ちゃいけません。」とマルボロに火を付けると、
「奴らも一主婦に自由になる金なんてたかが知れてるのは分かってます。
風俗で働かせるのが一番効率的だ。とくに奥さんのような美人ならね。」
風俗、、真由香は寒気がした。自分とは縁のない世界だと思っていた言葉が次々と出てきて、足元から力が抜けていくのである。

「素人主婦で美人の貴女ならば、高級会員店で月200万は稼げる。いや、その気になれば300万だっていける。
二年もやってりゃ五千万近くの売り上げになるんですよ。そんな金、用意できますか?」
真由香は慄然とした表情で聞いていたが、思い出したように怒りが湧いてきた。
「だ、だいたい貴方があんなことさせなければっ。貴方のせいですっ。」
狭く湿っぽい事務所内に響き渡るような声で、真由香は食い掛かったのだが、矢崎はまるで緊張感のない様子で、苦笑いまで浮かべながらポリポリと頭を掻くのである。
「いやあ、その点に関しては責任感じてます。めんぼくない。」などと、
おどけた調子で手を合わせるのを見て、真由香はギリギリと奥歯をかみ締めながら、握りこぶしを震わせるのだ。

「ですから、そのお詫びと言っては何ですが、私はこう見えても財界にも顔が利くんです。」
矢崎のセリフに、それまで怒りに歪んでいた真由香の瞳に少しだけ光が戻る。
「色々と手を回して、彼らからこの件は手を引かせました。」
「ほ、本当ですか?」
真由香は身を乗り出して声を上げる。
「しかし、出費は当然かかりましたし、あくまで案件を彼らから譲り受けたまでです。」
何か奥歯に物の挟まったような言い方に、安心しかけた気持ちが再び揺らぐ。

「どういうことですか?は、はっきりおっしゃってください。」
矢崎は煙草をもみ消すと、じろりと真由香を見つめながら、
「500万で貴女を買ったんです。ま、私だからそれで済んだとも言えますがね。」
などと、平然と言ってのけるのである。

貴女を500万で買った、という矢崎の言葉がいつまでも真由香の頭の中で反芻されていた。
いったいこの男は何を考えているのか。自分の未来を暗い壁で塞がれたような気分で、言葉も出ない。
「ご、500万…!、そ、そんな大金、今すぐには無理ですが、、でも、何とかローンとかなら、、」
真由香の言葉をさえぎる様に矢崎が片手を上げる。
「奥さん、言いましたよね。私だから500万で済んだんです。勘違いされては困る。」
そこまで聞いてもなお、自分の置かれた状況というものを真由香は理解出来ない。

「いいですか、私の気持ちひとつで、貴女を一千万で売ることだって出来るんです。
需要があるということですから、ある意味、貴女はラッキーでもあるが。」
「わ、、分かり易く言ってください。さっぱり意味が分からないですっ。」
矢崎はクレーターの浮かんだような頬にニンマリと笑みを浮かべ、
ようやくこの時がきた、という風情で告げた。

「私は貴女を一目見たときから惚れちゃいましてね。」
真由香は身体から、さーっと血の気が引くのを感じた。瞬間的にこの部屋の空気を吸うことにすら嫌悪を覚える。
「貴女の選択肢は二つです。写真を旦那さんに見られるか、それとも、
、、私と一夜を共にするか。」
ひどい、、矢崎の言葉が終わるや否や真由香はそう呟く。
「貴方は占い師の方ですよね。少なくとも神様とかに通じる仕事をされてるのではないですか。恥ずかしいと思わないんですか!」
未だに矢崎を天城蒼雲と疑わない真由香が滑稽である。
「私も人間です。人を好きになることは自然の摂理でもある。」

真由香はすごい勢いで目の前のパソコンを引き寄せた。
『真由香フォルダ』をゴミ箱に消去し、額に汗を浮かべながら矢崎を睨む。
「そんなことしても無駄です。そのファイルはいくらでもコピーしてある。貴方次第では今すぐご主人の会社にメールで送ることも出来ますよ。」
ま、男性と飲み歩いたり、キスしたり、あれを握っても平気な旦那さんなら別ですが、
と矢崎は煙草に火をつけ、
「一晩考えてください。オーケーなら明日夕方5時までにここへ来ること。
来なければ、その時点でご主人にメールします。」

泊まりになりますから、うまいこと理由考えてくださいね、と言う矢崎のダミ声が、呆然とした真由香には、どこか遠くから聞こえるような感覚だった。
  1. 2012/12/27(木) 06:31:40|
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悪魔のささやき22

[5070] 悪魔のささやき22 ナオト 投稿日:2008/10/30 (木) 21:52

矢崎の言葉に驚愕するが、とてもにわかには信じられない。だいたい写真は誰が撮ったのだ。
「で、でも、、あんな写真を撮ることが出来るのは、貴方たちくらいしかいないじゃないですかっ。」
「これは心外ですねえ。私は奥さんのためを思ってカウンセリングしてあげたのに、まさかそんな疑いをかけられようとは。
それに今時カメラなんてどこにでも仕掛けられます。ピンホールカメラなんかもありますし、暗くても十分撮影も可能ですよ。」

どこか薄笑いを浮かべたような言い草に、真由香は憤然とした思いが込み上げて何と言い返していいか分からなくなる。
貴方の言うことなど、信じられるものか、と言おうとしたとき、矢崎は何か含みのあるような話しぶりに変わった。
「ただねえ、奥さん、私も心当たりがない訳じゃないですよ。これでも結構あの辺りでは顔が利きまして。」
私の一存で犯人を割り出して、口を封じることが出来るかも知れない、と尤もらしいことを言うのである。

「は、、犯人の心当たりがあるとでも言うんですか?」
「まあ、あのカップル喫茶に出入りしてる連中はだいたい分かりますから。」
矢崎の言葉など、決して鵜呑みにはしない真由香だったが、かと言って他にどうすることも出来ない。
とにかく、あんな写真を貴彦に見られるのだけは避けなければならないのだ。

「おねがいですっ。写真を主人に見られたら困るんです。」
矢崎は待ってましたとばかり、真由香に告げるのだ。
「分かりました。何とかしますので、とりあえず、明日こちらまで来てもらえますか。」


水曜日。
真由香は約束の午後1時に新宿の天城鑑定室に着いた。
これは罠なのではないか、という不安は当然あった。しかし住所まで知られている以上、じっとしているのは余計に恐怖だった。
真貴は自由が丘にある託児所に預けた。貴彦の実家に頻繁に預けるのも気が引けたし、何より貴彦に理由を言えないからであった。
結婚以来、貴彦には何でもガラス張りにしてきたのに、こんな風に隠し事をしなければならないのは、心が痛んだ。
そして、娘の真貴に申し訳ない気持ちでいっぱいになる。

雑居ビルの中の、相変わらず薄暗いじめじめとした廊下を歩いた先に、天城鑑定室があった。
「どうぞー。」ドアをノックすると忌まわしいダミ声が返ってくる。
天城、いや矢崎はドアを開けたすぐの応接セットのソファに腰掛けていた。
メーカーロゴの入った黄色いくたびれたポロシャツに、脛のあたりまでの丈の白いパンツは、一瞬俗に言うステテコのように見えた。
足元はサンダル履きで腕には金色のロレックスが光っている。
年甲斐もない茶色の短髪がまるでチンピラそのものといった感じで、会うたびに品がなくなっている気がした。

「どうぞ、お掛けください。」
貧乏ゆすりをしながら、にやついた顔で真由香を手招くと、ペットボトルのウーロン茶をゴクゴク飲んでいる。
真由香はソファに座らず、緊張した面持ちで立ったまま、矢崎に向かって言った。
「私は貴方を信用してるわけじゃありません。正直、疑っています。もし、変なことをしたら警察を呼びますので。」
「心配しなくても、犯人のメボシは付きました。まあ、僕の顔で何とかもみ消すことは出来そうですよ。」

矢崎の言葉に真由香はすがるような表情になる。
「お願いします!写真は絶対主人に見られたら困りますっ。」
矢崎は、まあまあ、と真由香になだめるような口調で、
「とにかくじっくり話しましょうよ。」とソファに腰掛けるよう促すのだ。
「犯人が分かったとおっしゃいましたけど、どうして私の住所や氏名まで分かるんですか?ちゃんと説明してください。」

ようやく腰掛けた真由香は、激しい声で矢崎に問いかける。
「僕も知らなかったんですが、実はあの中華料理店は一月前に暴力団に買収されてましてね、どうもそこの店員が一枚かんでいるようなんです。」
暴力団という言葉に真由香の表情が見る見る青ざめていく。
「ほら、あの時金沢がどうのこうのって話、してましたよね?
今は情報社会ですから、金沢、真由香、というたった二つのキーワードでも色々調べる奴だっているわけなんです。」

真由香の膝が小刻みに震えているのを、チラリと横目で見ながら矢崎は立ち上がると、ソファの隅に置いてあったノートパソコンをテーブルに乗せた。
矢崎は何やらキーをしばらく打っていたと思うと、パソコン画面をくるりと真由香の方に向けた。
「そこにあるファイルをクリックしてみて下さい。」
画面にはあろうことか『真由香フォルダ』なるものが存在し、真由香jpg1から真由香jpg20までファイルが入っている。

ファイルを恐る恐るクリックすると、案の定見覚えのある写真が表示された。
真由香に送られてきた五枚の他、ルミとキスしているものや、どさくさに紛れて大田が真由香の胸の辺りを触っているようなもの、
しな垂れかかるように大田に寄り添ってレジの前に立つ真由香の姿などがあった。
真由香は怒りと恥ずかしさで顔面を真っ赤にしながらも、冷静になろうと必死だった。

中華料理店は今の説明で納得いくとしても、あの店のテーブル下の写真だけはどう考えてもおかしい。
ひとつでも矛盾があれば全てが出鱈目ということになるのだ。
「実はその暴力団というのが、中田組と言いましてね。
あのカップル喫茶は運の悪いことに中田組のチェーン店なんですよ。」
何でも、店で隠し撮りしたものを裏物のDVDなどで販売している、などと矢崎は続けるのだった。
  1. 2012/12/26(水) 19:30:51|
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悪魔のささやき21

[5055] 悪魔のささやき21 ナオト 投稿日:2008/10/28 (火) 20:48

貴彦が炎天下の公園で矢崎のメールを思い出しているその頃、真由香はベビーカーの真貴を連れて買い物から帰ってきた。
ポストに真由香宛てのメール便が入っていた。差出人にはナイトエレガンスとある。
覚えがなかったが、どうせダイレクトメールまがいのものだと思った。
玄関のキーを開けて、眠ってしまった真貴をベッドに寝かせると、メール便の封筒は台所のテーブルに置いたまま、買ってきた食材を冷蔵庫に入れる。

料理好きの真由香の頭の中ではすでに今夜の食卓がイメージされていた。
貴彦の好物の鶏の唐揚げ、葱をたっぷりまぶしたマグロのたたきに、栄養バランスも考えて茄子の煮物と和風サラダも添える。
下準備にかかる前に、喉が渇いたので麦茶をコップに注ぎ、ゴクゴク音をたてて飲んだ。
昨日は酔っているのにあまり眠れなかった。
帰宅して、玄関で貴彦の顔を見た瞬間、泣きそうになった。シャワーを浴びながら泣いた。
今更ながら自分は迂闊だったと思う。もう二度と天城のところへは行かない。

コップを置いて、テーブルのメール便に目が止まった。
封筒の上を丁寧にはさみで切ると、一枚の紙で折りたたむように、数枚の写真が出てきた。
写真を見た瞬間、真由香の身体が凍りついた。
写真は全部で五枚入っていた。いずれも真由香自身が写っている。

あの中華料理店で、大田に密着したまま、真由香がビールを大田のグラスに注いでいるもの。
大田に抱きかかえられながら、笑顔になっているもの。
そして大田の頬に真由香がキスしているもの。
そして、大田に寄り添いながら、あの店に入る場面。その店の看板を見て驚愕する。
まったく気づかなかったが、そこには『カップル喫茶あばんちゅーる』とはっきり書いてある。
そして何より衝撃を受けたのは、真由香が大田の男性器を握っている写真だった。
テーブルの下から撮られているようだった。顔は見えないが、服装で真由香と分かる。

写真を持ったまま手足が震えてくる。テーブルの上に写真を投げつけた。いったい誰がこんなことを…。
天城の仕業か、それとも大田?
そうだ、昨夜トイレへ行くと言ってそのまま帰ってしまったことを根に持っているんだ。そうに違いない。
恐怖感が真由香を襲い、誰かが見ているような気がして部屋をきょろきょろする。
頭が真っ白のまま、しばらく動けなかった真由香だが、写真を包んでいた紙切れに何か書いてあるのに気がついた。
下手くそな字でそこにはこう書かれていた。


『佐々木真由香さん、
人妻さんなのに随分と大胆ですね。
これを旦那さんが見たら、どう思うでしょうか。』


真由香の額を冷たい汗が流れた。メール便で送られて来たということは、住所も知られている。どう調べたのだ。
そして、これは脅迫ではないか。しかし、封筒の中をもう一度確認しても、それ以外何も見当たらないし、紙切れの文章もその三行だけだ。
何の要求もないことが、かえって不安な心を煽られる。天城か大田か、どちらか、いや二人は共謀しているのかも知れない。
しかし、中華料理店での写真は天城の肩も写っているので天城や大田、そしてルミが撮ったものではないことが分かる。
第三者がいたのだろうか。

真由香は完全に動転していた。とにかく天城に電話してみよう。
自分の苗字を知っているのはあの男だけだ。きっと何か関係しているに違いない。
置き電話の前まで来て、一瞬ためらった。理由もなく不吉な予感がした。少しの間のあと、震える指で携帯番号をプッシュした。
三度目のコールで、生理的に受け付けない、あのダミ声が返ってきた。
「はい、天城鑑定室ですが。」

「あ、あの、、私、佐々木といいますが。」
真由香が震える声で言うと、電話の向こうの声は何かしらばっくれた調子だった。
「佐々木さん?」
「は、はい、、昨日はどうも、、」
今すぐに大声で問いかけたい気持ちだったが、やはり得体の知れない恐怖心から気持ちがすくんでしまう。
「あー、真由香さんですか。昨日はどうしちゃったんですか?いきなり消えちゃうから心配しちゃいましたよ。」

いかにもわざとらしい口調に聞こえ、真由香は苛立ちを隠せなくなる。
「写真のこと、知ってるんですよね?」
毅然とした声で、真由香はいきなり本題を切り出す。
「写真?」何のことですか?と矢崎は問い返す。
「とぼけないでください。昨日私が勝手に帰ったから根に持ってるんですか?!」
そこまで言ってから、真由香は重大なことに気がついた。
写真はすでに撮られていたのだから、帰ったこととは関係ない。
言いたいことは山ほどあるのに、頭が混乱して理屈が通らない言葉になってしまう。

「おっしゃってることがよく分かりませんな。写真だとか、根に持ってるとか。」
自分の苗字まで知ってるのはこの男だけだし、あのいかがわしい店のテーブル下で撮影するにもこの男が関わっていなければ不可能だ。
真由香は全て真正面から話すしかないと、心を決める。
今日メール便で、どんな内容の写真が送られてきたか、そしてどんなメッセージが書いてあったかを直接矢崎にぶつけた。
「そりゃ、ちょっと厄介なことですねー。」
矢崎は神妙ぶった声で続ける。
「実はあの近辺で最近よく耳にするんですよ。不倫カップルに狙いをつけて金をふんだくる奴がいるってね。」

  1. 2012/12/26(水) 16:15:01|
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悪魔のささやき20

[5014] 悪魔のささやき20 ナオト 投稿日:2008/10/25 (土) 00:16

火曜日。
貴彦はアートディレクターとともに、ロケハンで都内の公園に来ていた。
さすがに真夏の昼間、外仕事はきつい。
年下のディレクターがデジタルカメラであちこちを撮影しているのを眺めながら、貴彦は木陰のベンチに座った。
偶然にもこの公園は、あの矢崎と初めて会った場所だ。今掛けているベンチの、隣りだった。
貴彦は昨日の夜のメールを思い出す。


『佐々木さん、まいど。^^
今日は奥さんと楽しい食事をさせて頂きました。
残念ながら、まだそういう関係にはなってませんが、
リミットの日曜日までには何とかしますので、期待してお待ちください。
必ずいい報告が出来ると思いますので。

それにしても、さすが真由香さん、固いっすねー。(^_^;
こっちもやりがいありますよー。
あ、それから明日なんですけど、昼間たぶん真由香さんを借りることになります。
夕方には戻してあげられると思いますが、よろしくお願いしますm(_ _)m』


真由香を借りる?どう借りるつもりだ。
不安とともに矢崎の挑発的な態度に怒りも湧いてくる。何が、まいど、だ。
夕方には戻してあげられる、だと?
真由香はOL時代、隠れファンがいるほどだった。そんな多くのライバルの中、貴彦が熱烈なアタックをして射止めたのだった。
(…お前など、普通だったら真由香と関わることすら出来ない野郎なんだ、、)

心の中で矢崎に毒づきながらも、それに反して狂おしいような反応を見せる自らの情欲を呪うのである。
そもそも自分から仕掛けたこととはいえ、貴彦は日増しに暗澹たる不安が心の中でどんどん肥大していくのを感じていた。
真由香を落とすことなど出来るはずがない、という楽観した気持ちが揺らぐにつれ、最近は仕事も手に付かなくなってきている。
かと言って、真由香に打ち明けることなど出来るはずもない。もはや後戻り出来ないところまで進んでしまったのである。

本当に真由香がやられてしまったら、自分はどうなるのか。貴彦は正常でいられる自信すらなかった。
矢崎は明日、どうやって真由香を再び誘うつもりか。メールでの問いかけに対し、矢崎からの返答はなかった。
昨日の食事で何かあったに違いない。真由香がそんなに軽い女でないことなど、誰よりも貴彦は知っていたからである。

「佐々木さん、大丈夫っすか?」
顔を上げると、ディレクターの高橋が缶コーヒーを片手に心配そうな表情で見ていた。
「どーぞ。」貴彦は、サンキューと言って缶コーヒーを受け取ると額に当てた。
「最近、疲れてるんじゃないすか?ぼーっとして佐々木さんらしくないっすよ。」
人のいいこの28歳の有能な男は、年下なのに何かと頼りになる。

「お前、まだ結婚しないの?」
「彼女いないっすよ。それに、今の忙しい状況じゃそういう気にもなんないです。
佐々木さんの奥さんみたいな美人だったら結婚もいいかな、とか思いますけど。」
屈託のない笑顔で言うと彼はコーヒーを飲み干し、再びデジカメで撮影を始める。

誰からも羨ましがられるその妻を、他人に寝取られるまでのカウントダウンが、すでに始まってるんだ…。
高橋にそう言ってしまいたい気持ちで撮影の様子をぼんやり見ながら、貴彦は甘い缶コーヒーをごくりと飲んだ。

  1. 2012/12/26(水) 11:14:03|
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悪魔のささやき19

[4999] 悪魔のささやき19 ナオト 投稿日:2008/10/22 (水) 22:38

「ま、、待ってください。」
真由香はギリギリのところで握りこぶしを作ってルミを静止した。
「さっきからトイレを我慢してるんです。もう限界なんです。トイレだけ先に行かせてください。」
真由香の冷静な判断だ。もうこの男の言うことなど聞く気はなかった。ここは一旦従順に振舞うように見せかけたのである。
矢崎はしばらく真由香の目を見ていたが、
「いいよ。いってらっしゃい。その代わりちゃんと最終試験頑張るんだよ?」と瞳に不気味な笑みを浮かべて言うのだった。

真由香は「はい」と少し沈んだ声で答えて、席を立とうとした。そのほんの一瞬、気の緩んだときだ。
真由香の手はべっとりとした熱い大田の肉根を握らされていたのだ。
あっ、という真由香の短い叫びと、「離すんじゃない!」という矢崎の鋭い声が交叉した。
「そのままじっとしてろ、3秒でいい!」と有無を言わせぬドスの効いたダミ声で真由香を凍りつかせたのである。
ついさっき真由香を震え上がらせた鬼の形相で睨まれ、真由香はすくんだように一瞬固まってしまう。

時間が止まったような空気のあと、ニンマリと表情を変えた矢崎が声をかける。
「もう、いいよ。真由香ちゃん、トイレ行っといで。」
真由香は目に涙をためて、ふらふらとよろめく身体で逃げるように席を立った。


矢崎、大田、ルミの三人はカクテルから水割りに変えて再び飲み始めていた。真由香が席を立ってすでに30分を過ぎていた。
「いやあ、それにしても今度のは上物だな、矢崎。」
大田は上機嫌で赤ら顔をさらに赤くして、唾を飛ばしながら品のない笑い声を出す。
「今度のは、ってヒドイっすよ、大田さん。まるでいつもロクでもないのしか連れてこないみたいじゃないっすか。」
矢崎の口調は、真由香の前でのインテリぶったものとは異なり、まるでチンピラ然とした別人そのものなのである。

「周ちゃんの演技にはいつもながら感心するわ。あたし、先生って呼ぶたびに必死に笑いこらえてたんだからね。」
ルミはピーナッツをボリボリかじりながら、矢崎をからかう。
「こっちだってその周ちゃんってのが、あの奥さんの前でポロっと出ないか心配してたんだ。」
「それにしてももったいないな。あのままやっちまえたんじゃないのか?」
「いえいえ、大田さん、あせっちゃ駄目なんスよ。まあ安心してくださいよ。もう網にかかったも同然なんスから。」

矢崎は真由香がトイレに行ったまま帰ってこないことも計算済みだった。もう今頃は山手線にでも乗って渋谷あたりを過ぎてる頃だろう。
清楚な若妻といった外見に似合わない、酒臭い息を吐いて電車に乗ってる真由香を想像するだけでも嬉しくなるのである。
「どれくらいかかりそうだ?」大田の問いかけに矢崎は自信満々に答える。
「三ヶ月見といてください。いい感じに仕上げますから。」

そのやり取りがどういうものなのか、ルミは全て知っているような口調で口をはさむ。
「ねえ、その後うちの店で働かせたら?あの奥さんなら絶対ナンバーワンになるわよ。」
「おいおい、さっそくソープ嬢にスカウトか?俺は一年は囲いたいんだ。」
大田がルミに口尖らせて言うのを、矢崎はニヤニヤしながら聞いていた。


真由香が帰宅したのは、貴彦が真貴を寝かせつけて一時間ちかく経った午後十時頃だった。
貴彦は実家に真貴を迎えに言った後、勧められた食事も取らずすぐに自宅に戻った。
それからの二時間半近くが、気が遠くなるほど長く感じられた。
長くなればなるほど、狂おしい焦燥感に掻きむしられ、気がつくと股間に手が伸びてしまうのだった。

「ただいま」と言ういつも通りのはつらつとした真由香の声が意外だった。
「ごめんねー。大学の友達に偶然会っちゃったの。ちょっと酔っ払っちゃった。」
貴彦は目いっぱい平然とした声を装い真由香を迎えた。
「珍しーな。真由香が外食するなんて。ま、たまにはいいか。」
「ほんとごめんっ。明日はごちそう作るね。」と真由香は手を合わせておどけると、「真貴もう寝た?」と貴彦とは目を合わせず寝室に向かった。

すれ違い様、貴彦は息を吸い込んだ。
真由香は香水はほとんど付けないが、いつもかすかにシャンプーのような石鹸のようないい匂いがする。
今、すれ違った真由香からは、アルコールと煙草臭い匂いがして、貴彦の心臓はドクンと音をたてた。
真由香は今日、あの矢崎と食事をしてきたんだ…。信じられないような気持ちのまま、貴彦は真由香の様子に変化はないか、観察してしまう。

ベッドの真貴に布団を掛けなおしている後姿もいつものままだ。
「真貴ちゃん、ごめんねー」と言いながら娘の頭を撫でている。優しいいつも通りの自慢の妻だ。
振り返った真由香が問いかけた。
「電話したんだよ。お風呂でも入ってたの?」
「え、、ごめん、ちょっと疲れてウトウトしてたんだ、、」
胸が痛んだ。電話に出るな、という矢崎の指示があったのだ。

真由香は疑いもせず両手でウチワを扇ぐような真似をしながら、
「シャワー浴びていい?汗かいちゃった。」
と浴室にパタパタ、これもいつもの早足で消えた。
何も変わってない。
いつもの、普段どおりの真由香だ。
嘘をついて矢崎と食事をしてきたのに、まるでいつも通りの真由香を、複雑な気持ちで貴彦は見送った。

いや、食事だけなのか?あの矢崎のことだ。何をしたか分かったものじゃないのだ。
浴室からシャワーの音がするのを聞きながら、貴彦は自分の部屋のパソコンに向かった。
新着メールが矢崎から届いていた。
  1. 2012/12/26(水) 06:43:09|
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悪魔のささやき18

[4943] 悪魔のささやき18 ナオト 投稿日:2008/10/15 (水) 22:00

「あ、あと10分したら、、本当に帰してください。」
「ああ、約束する。」
「本当に、もう帰らないと、家族が心配するんです。絶対に。」
「大丈夫、嘘は言わないから。その代わり、あと10分はしっかりカウンセリング頑張ってみようよ。必ず効果あるから。」
目は鋭いまま口元をニヤリと歪め、ぶつぶつとクレーターのように肌の荒れた顔を真由香の目前に寄せて言うのだった。

いわゆるフェラチオと呼ばれる行為について、真由香はほとんど無知に近い。
学生の頃、友人とふざけてアダルトビデオで見たことはあったが、モザイクがかかっていたし、あまりまじまじと見たいとも思わなかった。
貴彦の前に一人付き合っていた男性がいたが、その行為はしなかった。
結婚してから初めて貴彦に求められたが、真由香の行為は今眼前で行われているものとはかけ離れた実にたわいもないもので、軽くキスをほどこすような可愛いらしいものだった。

それにしても、同性のこんな顔を見たのは真由香は初めてだ。
頬を異常なまでに凹ませて、吸い込むように首を前後させているルミは、鼻からくぐもった声と熱っぽい息を吐きながら、
時々大田の顔を見上げ、時には首をひねるように、起立した大田のペニスを凄まじい勢いで吸い上げている。
耳に入ってくる音も、例えようもないほど下劣極まりないものだった。
ブチョッ、ブチョッというリズミカルな吸引音や、時にはブブーッというような下品な排泄音にも似た物凄い音をたてている。

暗がりの中でも大田の男性器の凶暴なまでの昂ぶりが見て取れる。ルミは口に含んでいたペニスを今度は舌で舐め始めた。
舐めるといっても、例えば子猫がミルクを飲むような類いのものではなく、それは浅ましいとしか言いようのないもので、大きく覗かせた舌を湾曲させ、
陰部の根元から生き物のようにくねらせてみたり、先端の部分を円を描くように一周したかと思うと、今度は素早く舌を震わせ、節くれだった部分をこそぐようにするのである。

「見てごらん、大田さん、気持ち良さそうだろ?」
矢崎は何度も目を逸らそうとする真由香を、その度にしつこく言い聞かせ、ルミの口技について耳元であれこれ講釈を続けていた。
「真由香ちゃんはこういうこと、汚いと思ってるんだろ?それじゃ駄目だよ。旦那さんが可愛そうだ。」
貴彦が可愛そう?こんな娼婦じみた行為を貴彦が望むとでもいうのか。貴彦のことは分かっているつもりだ。彼はこんなはしたない行為をする女は嫌う。

「男はどんな真面目な顔してても、中身なんてスケベなもんなんだよ。それを奥さんが癒してあげなくてどうするの?」
矢崎の「癒し」という言葉に、真由香はピクリと反応してしまう。貴彦のストレス。癒してあげていると自分では思っていた。
「ほら、大田さんのあれ、すごいだろ?」
ルミの唾液で照りかえったペニスは血管を浮き立たせて脈打つように天井を向き、大田は時々「ふーっ」とまるで温泉にでも浸かったような心地よさそうな溜息をつくのだ。

「最後の試験だ。これでカウンセリングは終了だよ。」
矢崎のその言葉とまるで合わせるかのように、ペニスを頬張ったままのルミが真由香の手を握ってきた。
真由香は戦慄を覚える。ルミが真由香の手を導こうとしているその先が、大田の起立した男性器であることは明白だ。

「大田さんはもうゴール寸前だ。ほんの少ししごいてあげるだけでいい。発射させてあげるんだよ。」
 さも平然と言い放つ矢崎の言葉に、真由香は総毛立った。力を込めて身を固めるが、ルミは強引なまでに真由香の手を引き寄せる。
  1. 2012/12/25(火) 20:12:02|
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悪魔のささやき17

[4923] 悪魔のささやき17 ナオト 投稿日:2008/10/13 (月) 21:26

突然隣りの席から女の泣き声のようなものが聞こえた。真由香が驚いて振り向くと、ソファに座っている男に女は跨り、腰を上下させていた。
スカートを捲り上げて男に背を向ける形で足を開いた女は、男の閉じた膝あたりに手を置き、自ら腰を淫らに揺すって性交を繰り広げているのだ。
仰天しながらも固まってしまった真由香は、相手の男と目が合ってしまう。
三十代半ばくらいの男は淫蕩に爛れた細い瞳をこちらに向けて、口元をニヤリとさせた。慌てて視線を元に戻すと今度は矢崎と目が合う。

「だめだよ、見なきゃ。」とニヤニヤしながら言う矢崎の言葉に血の気が引くのである。
他人の性交をまともに見られるような神経の真由香ではない。
しかし、女の次第に昂ぶっていく喘ぎ声は、いやがおうでも真由香の感情に突き刺さってくるのだ。
女性は同性の喘ぎ声に、自分の感情をシンクロさせてしまう特性を持っていることを矢崎は知っていた。
例えば女性が笑ったり泣いたりするときに、友人同士で手をつないだりする行動は女性特有のもので、感情を共有させてしまう習性があるのかも知れない。

これもまた、矢崎があらゆる悪事や女をこます為に人づてに学んでいったのであり、この男の狡猾さと恐ろしさの一端なのである。
真由香の心に、じっくりと時間をかけて拭い去ることの出来ない染みを作ってやるんだ、という気概のようなものが、そこには存在していた。

「ほら、すごいだろ真由香ちゃん。あんな風に腰を使うと男性は悦ぶもんなんだ。」
矢崎はまるで講師さながらに、因果を含めるような口の聞き方をする。
自分が上になって男を責めることだってちっとも恥ずかしいことじゃない、などと講釈をつけながら、見てごらんあの起ちよう、と見事に起立させた男の物を自慢げに指差すのだ。

ふと気づくとルミという女が見当たらない。トイレにでも行ったのか。その時、なにか隣りの大田の様子がおかしいことに気がついた。
何ということか。ルミもいつの間にか大田の足元で、露出させた大田のペニスを頬張っているではないか。
身体に電気が走ったようにビクリとした真由香は思わずのけぞり、その拍子にガラステーブルがひざに打ち付けられ、カクテルグラスが倒れた。
慌てて立ち上がろうとした真由香だったが、左側から矢崎が割り込むようにソファに座ってきて、真由香は大田と矢崎の間にサンドイッチされるような形になった。

「帰してくださいっ!」
真由香は強い口調で矢崎を睨みつける。なおも立ち上がろうとする真由香に、突然矢崎は驚くほどの大きな声を出した。
「いいかげんにしろっ!」
その声の大きさに、さっきまで隣りで喘ぎ声を出していた女も一瞬静まり返った。
真由香は目を丸くして、恐ろしい形相で睨んでくる矢崎に身をすくめている。
すると今までルミの口技に身を任せて恍惚としていた大田が、横からやんわりと口をはさんだ。

「おい、天城くん、穏やかじゃないね。女性にはもう少し優しく接してあげなきゃ駄目じゃないか。」と柄にもない言い方をすると、今度は真由香に向かい、
「真由香ちゃんも安心していいよ。ご主人にはこんな店来たことは黙ってるから」などと言うので、真由香は寒気がした。
自分達がこんな店に連れてきておいて何を言っているのか。これでは遠まわしで脅されているようではないか。

一方の矢崎はヘラヘラ笑いながら、まるで上司にゴマをする情けない平社員のような雰囲気で「い、いや、ハハハ、すみません。これは失敬しました。」と大田に謝ると、真由香に向かって今度は優しく諭すのである。
「いいかい、真由香ちゃん。これは君のためにやってるんだ。いや、もっと言えば旦那さんのためでもある。あと少し、そうだね10分でいい。我慢しようよ。」

ここに来てようやく真由香はこの男の本質を見た気がした。いくら酔っているとはいえ、気づかない真由香ではない。
さっきの矢崎の形相。うっかり覗かせてしまった矢崎の裏の顔に、真由香は目が覚めたのである。
人間のあんな恐ろしい顔と声は、真由香は生まれてから目にしたことはなかった。
この男は信用出来ない。たとえ鑑定士として一流であろうと、もう関係ない。
用心しなければ。とにかく家に無事帰ることが第一だ。酔った頭で、しかし真由香は冷静に対処を考えた。
  1. 2012/12/25(火) 16:45:08|
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悪魔のささやき16

[4887] 悪魔のささやき16 ナオト 投稿日:2008/10/10 (金) 21:31

貴彦が電話に出ないなんて珍しい。
いや、真貴を寝かせつけて、きっとお風呂にでも入ってるんだ。あるいは疲れてうとうとしてるのかも知れない。
案外わたしが外出してても気にならないのかな?真由香は少し寂しくなった。
「どうしました?ご主人と繋がりませんか」
「いえ、、手が離せないみたいです、、」真由香が嘘をついているのを見透かすように矢崎はニヤリと笑みを浮かべると、ふいに真由香の手を取った。
「何するんですかっ?」仰天してその手を振り払おうとするが、矢崎は離さない。

「奥さん、運命というものを信じますか?」何を言い出すのだ。
「離してください、何なんですかっ」
「運命では、ご主人とは別れることになりそうです」
(えっ?!)瞬間、真由香は全身が凍りついたように固まってしまった。
「しかし、運命を変えられないなら、私たちの仕事など意味がありません」

真由香の瞳は今にも涙が落ちそうに潤んでいた。
「貴女の顔を見たとたん、リラックスしたご主人の顔が浮かんだんです。これは良いことなんですよ。さ、場所を変えて、もう少しカウンセリングを続けましょう」


真由香はかなり酔っていた。
中華料理店を四人で出て、どこをどう歩いたのか、気がつくと雑居ビルの中の小さな店に入り、ボックスの席に座っていたのだった。
薄暗い店内には同じようなボックスの席だけで占められており、天井からはミラーボールが妖しく回っている。
真由香は紅茶を注文したつもりなのだが、出てきたのはカクテルグラスが四つ。
よく見るとどう見てもここは喫茶店などではない。窓もないし、スナックのようだ。
まあいい。真由香は深く考えるのが面倒になってきていた。

ここに来てからは打って変わって三人は寡黙だ。
矢崎とルミという女性の様子も、さっきまでのふざけてイチャついている感じとは違い、何か淫靡さが漂っているのである。
矢崎の耳に女が口を寄せ、ひそひそ話をしたり、クスクスと笑いながら真由香を二人で見つめたりもする。
最初は気づかなかったが、目が慣れてくるとボックス席には他にも何人か座っているのに気づいた。

どこも不思議とカップルばかりだ。隣の席から何やら妙な気配を感じた。
ゆっくりとそちらに真由香は目を移す。暗いのでよく分からないが、男性がソファに座ったまま、顎を上に向けて天井を見ている。
次の瞬間自分の目を疑った。男性の足元に女性がひざまづいていたのだ。
女性の顔は前後に揺れていて、ピチャピチャと何か卑猥な音が聞こえる。こういった事に知識のない真由香でも、女性が何をしているのか理解するのに時間はかからなかった。

ズボンのベルトを外し、股間から突出させている男性器を女は口内に出し入れしていた。
慌てて目を逸らした真由香は大田に抱えられていた腰を強引にすり抜けて、
「か、、帰らせてもらいますっ」と、席を立とうとする。
しかし、足元がふらついてすぐにテーブルに手をついてしまった。
「真由香ちゃん、これもひとつの勉強だと思わなきゃ。」
矢崎がすかさず声をかけた。中腰でテーブルに手をついたままの真由香の両肩を優しくささえ、うつむいた真由香の顔を下から仰ぐように見ると、
「こういうところで頑張らなきゃ、いつまでも変われないよ。」
と、ふいにカウンセラーに戻った顔でささやくのである。

いつまでも変われない、という矢崎の言葉に真由香は自分が今ここにいる理由を思い出す。
しかし、ここはいったいどういう店なのだ?本当にこれがカウンセリングなのか。
確かに占い師としては有能かも知れないが、この男は本当に信用出来るのかという疑問も、用心深い真由香の頭の中には残っていた。

矢崎の腕でソファに再び腰を下ろされた真由香は、隣りの席からは目を背けたまま、自分の気持ちを落ち着かせようと深呼吸する。
「ここはカップル喫茶といってね、セックスレスの夫婦や、マンネリ気味のカップルが刺激を求めてやってくる場所なんだよ。これも社会勉強のひとつだと思って見ておいて損はないから。」
矢崎が言うと、大田は真由香に身体を寄せ、
「そうそう、これくらいの免疫つけとかないと、お店に来る悪い男を捌けないよ。」
などと、分かったような分からないようなことを、真由香の手を握りながら嬉しそうにささやくのである。

  1. 2012/12/25(火) 11:04:04|
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悪魔のささやき15

[4862] 悪魔のささやき15 ナオト 投稿日:2008/10/08 (水) 20:35


「あ、あの、、あたし一応結婚してるんで、、」真由香が困り果てた表情で言うと、
「何中学生みたいなこと言ってるの?無礼講だよ、真由香ちゃん」と矢崎が意地の悪そうな笑みを浮かべる。
「ずるいわよ、真由香ちゃん。ほらブチューってやってよ!」ルミは口を尖らせて言う。
すると隣の大田が、まあ、まあ、と場を静めながら
「最初だからオマケしてあげようよ。これなら言えるだろ」と言って耳打ちしてきた。

その言葉は聞いたことはあるが、よく意味が分からなかった。真由香は開き直って口にする。
「ま、まつばくずし、、」
いっせいに三人がゲラゲラと笑い出した。
「へえー、真由香ちゃん、好きなの~?、松葉崩し」とルミが嬉しそうな声で言った。
「いやあ意外だなあ、真由香ちゃんが本当に言うとは思わなかったよ」
大田もわざとらしく驚いた表情を見せるのだ。


洗面所の鏡に映った自分の顔を真由香は見ていた。アルコールのせいでかなり赤い。
この店に入ってどれくらいになるのだろう。自分がなにか薄汚れたような気分だった。
身体から煙草の匂いと、大田の男臭い匂い、そしてもうひとつ別の匂いも染み付いている。真由香はハンカチを絞って身体を拭いた。足元がふらつく。

矢崎の提案した「下ネタしりとり」は、全て真由香が負けた。
矢崎は意地悪く「キ○タマ」、「イラマチオ」、「鈴口」などと、真由香には無縁の品性下劣な言葉を振ってきた。
そしてその度、隣の大田が「オマ○コ」、「マ○コ」、「チ○ポ」と耳元で囁くのである。
罰ゲームは耐えられないものだった。

頬でいいから、と言われてもいつまでもキスをためらっている真由香に、矢崎が出した二者択一は「春巻きキッス」である。さっき矢崎とルミが行った破廉恥な行為だ。
これだけは出来ない。唇は貴彦だけのものである。
「これも勉強だよ」真由香にだけ聞こえるように、暗にカウンセリングであると伝えられると、
酔った勢いにまかせ、真由香はしかめっ面で目を閉じ、大田の頬についにキスしたのである。

二度目の罰ゲームは「大田の股間を触る」。冗談ではないと再び拒否すると、またもや「春巻きキッス」を持ち出された。
涙目になっている隙をつかれて、大田が強引に真由香の手を自らの股間に押し付けた。
大暴れした真由香だったが、2~3秒は押さえつけられたままだった。
そして三度目ついに、「春巻きキッス」を出してきた。再度迫られる二者択一は「ルミと女同士のキス」。
迷わず後者を選んだのだったが、このキスがとんでもないものだった。

ルミという女は真由香の顔を両手で挟むと、初めこそ優しく唇を合わせていたが、しだいに舌で真由香の唇をこじ開け、舌を無理やり押し込んできたのだ。
抗う真由香の背中をがっしり大田に支えられ、前からは乳房を押し付けながら遮二無二舌を侵入させるルミに、
真由香はありったけの力でルミの手をほどき突き飛ばすと、逃げ込むようにしてトイレに駆け込んだのである。

もう帰ろう。うんざりだ。
大田の中高年特有の整髪料の匂い。それに混じってルミという女のツンとするきつい香水の匂いも身体に染み付いたままだ。
左手には大田の下半身の感覚も残っている。その股間は異常なまでに硬化していた。
ふたたび手をゴシゴシ洗う。
景色が回っているように見える。相当酔っていた。時計を見るとすでに7時半を回っていた。
真貴はもう眠っただろうか。早く貴彦の声が聞きたい。

ふらつく足でトイレから出ると、そこに矢崎が立っていた。真由香はギョッとしたが、怒りを込めた表情で言い放った。、
「あたし、もう帰らせていただきます」
矢崎は何も言わず、じっと真由香の目を見ていたかと思うと、いきなり真面目な声で言った。
「ご主人に電話してごらんなさい」
何を言い出すのか?真由香が不思議そうな顔をしていると、
「おそらくご主人は今、リラックスされている。それだけでも今日のカウンセリングの意味がありました」と言うのだ。

矢崎の言葉に真由香は無性に腹が立った。自分がいなくて貴彦がリラックスしている?
ふざけないで欲しい。
さっきから真由香は貴彦の声が聞きたくてしょうがなかったが、我慢していた。
いつもと違う自分のような気がして、貴彦と話すのが何となく怖かったのだ。しかし、矢崎の言葉にそんな気持ちも吹き飛んだ。
矢崎に見せつけるように、今から帰ります、とキッパリ言うつもりで携帯のボタンを押した。

呼び出し音が鳴る。一回、二回。
虚しくコールが繰り返された。
貴彦は電話に出なかった。
  1. 2012/12/25(火) 06:42:04|
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悪魔のささやき14

[4849] 悪魔のささやき14 ナオト 投稿日:2008/10/06 (月) 18:43

「ところで真由香ちゃんは出身はどこなの?」
真由香と大田の様子を嬉しそうに見ていた矢崎が声をかけた。
真由香は一瞬迷ったが、金沢であることを告げるとふたりは顔色を変え、今まで以上に馴れ馴れしくなった。
金沢のどの辺り?とか、あそこの店知ってる?とか、懐かしい話題を振ってくる。

真由香も故郷の話になるといくらか気持ちが和む。酔いも手伝ってさっきまでの不快な気分も少しは回復していった。
たまたま何かの会合で知り合った大田と矢崎は、同郷ということもあり、その後矢崎が色んなアドバイスを送るようになったのだと言う。
大田までが金沢出身というのは驚きだったが、同郷のよしみで今日は楽しくやりましょうよ、と言う二人の言葉に、真由香の警戒感もいくらか緩和された。
料理の味も少しは分かるようになってきた頃、矢崎が突然、高いダミ声で言った。

「ゲームでもしようか?」
「ええ?どんなゲーム?」ルミという女がすかさず問いかける。
「しりとり。」と言った矢崎に向かって大田は、おいおいいい年してしりとりはないだろう。
と呆れた笑顔で返す。
「そうよ、つまんない。王様ゲームにしようよ。」ルミも口を尖らせて言うと、矢崎はただのしりとりじゃない、と言って、
「下ネタ言葉しりとり!」と真由香の顔を見ながら言うのだった。

「そりゃ、面白い!」「さすが先生だわぁ」歓声をあげる二人とは対照的に、真由香は眉をひそめて表情を曇らせた。
矢崎の事務所で、下ネタも苦手でしょ?と言われたことを思い出した。これもカウンセリングなのか。困った。
「答えにつまったら、罰ゲームだね。」直前の人の言うことを聞く、いいね?
「賛成!」大の大人がまるで中学生の餓鬼さながらに盛り上がっていく。

それじゃ、まずは僕から、と矢崎が得意げに先陣を切った。
「フェラチオ!」
高級中華料理店であることを忘れたかのような、聞くに堪えない矢崎の発した卑語に真由香は身体が凍りつくようだった。次の番は真由香である。
「お、だよ。真由香ちゃん。」大田が耳元で嬉しそうに言う。
頭が真っ白だ。だいたい下ネタなんて何も出てこない。
「お、なんて一番いっぱいあるじゃない、ふふふ。」ルミがいやらしく笑いながらせきたてる。

真由香は必死に考える。お、お、、。ふいに大田が真由香の耳元に囁いてきた。とたんに真由香はさーっと血の気が引く。
もちろん真由香もそれくらいの言葉は知っているが、今まで口にしたこともないし、真由香の周りにもそんな下劣な言葉を発する人間はいなかった。
大田が囁いた「おま○こ」などという卑語は死んでも言いたくない。
「さん、にい、いち、、」矢崎がカウントダウンするギリギリのところで、
「お、おっぱい」と何とか真由香は口にした。しかし、安心したのもつかの間だった。

「陰核」→「クリトリス」と来て、今度は矢崎が「スペルマ」と振ってくる。
「ま、、」この手のボキャブラリーが真由香に豊富な訳がない。だいたい、「いんかく」の意味すらよく分からなかった。
再び待ってましたとばかり、大田は横から教えるのである。
さっきの四文字の卑語から一文字抜いただけの「ま○こ」。どこまで品のない男なのか。
頭をめぐらすが、ついに浮かんでこない。

「ブーッ!はい、時間切れ~。罰ゲームは僕からだよね。」矢崎が満面の笑みで少しの沈黙の後、
「左側の人にキス!」と言い、真由香が引きつる。
「うっひょー!」大田がとても五十過ぎの男とは思えないような奇声をあげて喜んだ。真由香の左は大田である。
「おーまかせ!おーまかせ!」高級中華料理店の個室にありえない掛け声が響いた。
  1. 2012/12/24(月) 19:59:22|
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悪魔のささやき13

[4834] 悪魔のささやき13 ナオト 投稿日:2008/10/03 (金) 22:35

こんな高級料理を食べるのはずいぶんと久しぶりだった。これが、貴彦と真貴と三人ならどれだけ美味しいことか。
テーブルの上の伊勢海老や、鱶鰭のスープ。燕の巣といった高級料理を眺めながら、真由香は貴彦たちが今晩何を食べたのか、そればかり考えていた。
味がほとんど分からなかったのは、他にも理由がある。
さっきから大田がやたらベタベタと真由香の身体を触ってきているのだ。

初めはふざけて手を握ったり、肩に軽く手を回したり程度だったのだが、真由香が何も言わないのをいいことに、だんだんと露骨になってきている。
腰のあたりから、臀部にすっと降ろしてみたり、太ももに乗せた手を内側に軽く滑らせたりもする。
一方向かい側では、天城…矢崎にしなだれかかるように寄り添った女が胸を押し付けたり、箸で矢崎の口に料理を運んだりと、場末の飲み屋のような品の無さだ。
矢崎と大田の会話も実にくだらない内容ばかりで、競馬で大穴を当てた話や、どこかの三流芸人が自分と遠縁に当たるだの、果ては東南アジアの女性の性癖を大笑いしながら語ったり、
聞いているこちらが恥ずかしくなるほど低俗で、早くこの場から解放されたい気持ちで真由香はいっぱいだった。

「どうしたの真由香ちゃん、飲みが足りないな。」
大田は酒臭い息を吐きかけながら、真由香のグラスにビールを注ぐ。家ではコップ二杯で充分な真由香もすでに大分酔ってきていた。
これ以上はやめておいたほうがいい。
「いえ、私はもう十分なんで、、」やんわり断る真由香だったが、ビール瓶を差し出したまま
「ほら、ぐいっと。」とグラスを空けるのを促されると、しかたなく喉に押し込むしかなかった。

「真由香ちゃんはまだまだ素人なんで、大田さん色々教えてあげてくださいよ。」
矢崎は大田に向かってそう言うのだが、眼鏡の奥の鋭い目は真由香に向けられている。
「いやー、そうだったね。社交場でのマナー、これから覚えていかなきゃね。」
大田は嬉しそうに言いながら真由香の手をそっと取ると、自分の太ももの上に乗せる。

「だめよ、真由香ちゃん、もっと寄り添ってあげなきゃ殿方に失礼よ。」
矢崎の隣りの女がふいに真由香に声をかける。矢崎の身体にいっそう乳房を押し付けるように密着すると、片手で箸に春巻きを取り、矢崎の口元に持っていく。
「ねぇ真由香ちゃん、私みたいにやってみて。はい、先生アーン、、」
女の差し出した春巻きを矢崎は嬉しそうに頬張る。
「だめよ先生、まだ食べちゃ。ルミにも半分ちょーだい。」と言うと、矢崎の口から半分飛び出したままの春巻きに女は口を付けるのだ。
まるで王様ゲームでポッキーを両側から食べる要領で、二人の唇が触れ合い、ケラケラと笑い合っている。

真由香は唖然とした表情でそれを見つめながら、恐怖心のようなものが湧き上がるのを感じていた。
普段の自分の生活とはまるでかけ離れた破廉恥で不快な空気。何か悪い夢を見ているようだった。
大田が真由香の肩を引き寄せて、ルミという女性と同じように密着させるに至って、ついに真由香は我慢ならなくなり、立ち上がろうとした瞬間、矢崎が言葉を発した。
「そうそう、真由香ちゃんの旦那さんは広告代理店に勤めてるんだよね。」

えっ?という表情で真由香は矢崎を見る。何故そんなことを暴露するのだ。
「ITVエージェンシーだっけ?あまり営業が上手くいってないんだよね。大田さんに協力してもらったらどう?」
真由香はうろたえた。社名まで出すとは何という無神経さだ。矢崎を睨むとニヤニヤしたまま煙草を口にくわえている。ルミがしなを作って火をつけてやる。
「へえ、ITVさんですか。うちはあまりご縁がなかったんですが。なるほど、このご時勢ですから、営業さんも大変でしょう。」
大田は腕で真由香を自分に密着させておきながら、さも紳士ぶった声で言う。

「大田さんでしたら、口利きのひとつもお出来になるんじゃないですか?あ、ちなみに、旦那さんにはスナックに勤めてるのは内緒みたいなんですが」
矢崎の無遠慮で大きなお世話に、真由香は怒りが込み上げてくる。すると大田は矢崎を諭すように言った。
「いやいや、天城さん、分かりました。これも何かの縁でしょうし」
大田は優しげに言うと、自分の太ももに乗せられた真由香の手に、そっと手を重ねながら、ぜひ一度大田を訪ねるようご主人にお伝えください、と言うのだ。
「いえ、あの結構です。あたし、そういうつもりじゃ…」真由香はあわてて断る。

矢崎には強かな計算があった。いくら貴彦の為とはいえ、破廉恥な大田の力を借りようなどとは真由香は思わないだろう。そういう女性であることは見抜いていた。
それよりも矢崎の目的は別のところにあった。
貴彦と大田の接点をチラつかせることによって、真由香はいやでも嘘を突き通さなければならなくなる、と読んだのである。
いくらカウンセリングという口実があるにせよ、スナックの店員を演じていたことなど、真由香は貴彦に知られたくないはずだ。
おそらくこれで真由香は、この茶番に最後まで付き合わざるを得なくなるだろうと、矢崎は余裕綽々でビールをゴクゴク飲み干すのである。

  1. 2012/12/24(月) 16:57:41|
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