妻と男の物語


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凌辱痴獄の扉(一)

[1555] 凌辱痴獄の扉(一) 高坂 投稿日:2006/06/14 (水) 00:11
 水曜日…優美は普段通り、朝6時に目を覚まし朝食の準備に取り掛かる。
和食が好きな夫のために、味噌汁を作り魚を焼く事にした。
7時少し前、身仕度を整えた夫・孝行が食卓につき、優美は「おはよう」と、その日最初の笑顔を向けた。子供達を起こし、朝食を食べさせている間に、孝行は仕事へと向かう。

8時半、子供達の支度を整えると、車に乗せ保育園への道を走って行く。
いつもの時間、いつも通る道、道路沿いの木々が、日々黄色や赤に色付いていくのを見るのが楽しみだった。
保育園に着き、担任の保育士と挨拶を交わす。
長男・功大の担任は28才で独身の女性、次男・雄太の方は40代のベテラン保母さんをリーダーに、珍しい男性保育士と、年配のパート保母さんの複数制だった。
どの保育士も気持ちの良い笑顔で接してくれる。
共働きしている優美にとっては、信頼して子供を預けられるありがたい環境でもある。

雄太の担任で、保育園唯一の男性である中山先生は、20代後半らしい。
夫以外の男性にそれほど関心が無い優美にとっては、自分の職場である眼科医院の院長と患者、それとこの中山と交わす会話くらいが、数少ない異性との交流でもあった。
とは言っても、中山には恋人がいるようで、あくまでも担任と保護者の会話でしか無いのだが…
夫と子供達の愛情に満たされている優美にとっては、それで十分だった。

子供達を預け、優美は愛車ラパンに乗り込んだ。
大好きな洋楽のCDを掛け、車を走らせる…
普段なら少し急ぎながら職場へと飛ばすところだが、優美はゆっくりと遠回りして音楽を楽しみ、自宅へと向かった。
水曜日は、勤め先の眼科医院が休診日なのだ。
日曜日も休診日で休みではあるが、夫と子供達も同じく休みになってしまう。
家族で過ごす時間も大好きだったが、一週間のうちで唯一ひとりの時間が持てる、この水曜日が優美にとっては楽しい時間でもあった。
ゆっくりと、洗濯・掃除を済ませ、遅めの朝食を一人食べ終わると、優美はパソコンの前に座る。
現実の幸せに包まれ、申し分の無い生活を送る自分…家族に恵まれ、子供が生まれてからも夫は、自分を女として愛してくれる…本当に満たされていた。
でも、一週間に一度のパソコンの前に座るこの時、優美はもう一人の自分を感じる淫媚な楽しさを知ってしまった。
パソコンを立ち上げ、いつものサイトを開く。
無料のアダルトサイトで、様々なジャンルの掲示板やチャットルームなどがあった。
こんなサイトを覗くようになったきっかけは、些細な事だった。
半年程前、同じ水曜日だったが、自分の時間を何か楽しむ方法は無いかと考えていた優美。
友人から聞いたパソコンでのチャットの話を思い出していた。
初めてだったが暇つぶしに誰かと話すのも楽しそう…
優美はチャットという単語で検索しているうちに、少し淫媚な匂いのするそのサイトに行き着いてしまったのである。
あまり性的な知識の多くない優美にも、それがアダルトサイトである事は簡単にわかった。
トップページには自分と同じ女性が、裸体を晒す映像が映っている。
恐さもあった…架空請求なんてされたら…
優美はそれでも、恐る恐るサイトに入場し、チャットルームへと辿り着いてしまった。
「無料って書いてあるし…」優美は自分に言い聞かせるように呟き、チャットを始めたのだった。

何人かとチャットで話をしてみたが、そこはアダルトサイト…当然、厭らしい出会いを求める男性ばかりである。
元来、性欲が薄いと自認していた優美にとって、性欲丸出しの会話はやはり嫌悪感しか感じなかった。
「やっぱり、こんなサイト厭らしい人達の集まりなんだ…」
そう思ったが、暇つぶしも兼ねてその後しばらく、何人かとチャットをしてみた。
ハンドルネームをソラと名乗る人物と出会ったのは、そんな時だった。
挨拶からなんとなく好感を持てた。
それは優美の、青空が好きという単純な理由から湧いてきたものだったかも知れない…
優美はソラと名乗る相手と、時間を忘れてチャットしていた。
紳士的な言葉遣いと、ちょっとしたジョークが心地よかった。
時々、Hな話もするが深追いはしない。
優美は昔飼っていた猫の名前をハンドルネームにして、リンカと名乗っていた。毎週水曜日だけの、秘密の楽しみ。
特別な用が無い限り、優美は毎週リンカとなって、ソラとのバーチャルな時間を過ごした。
ソラは少しずつ、優美の心を解し、心を支配し、優美の中にもう一人の優美を生み出していた。
何度目かのソラとの時間、優美は自分から本名を名乗り、優美と呼んでもらうようにした。
浮気をしているわけではない…優美には自負があった。
そのために、夫の事も子供の事も全て話した。
会うのもチャットルームだけ…お互いのアドレスさえ知らない。
ソラもそれを受け入れ、水曜だけを会う日と決めたのだ…あくまでもバーチャルの世界で…
しばらくキーボードを叩き、ソラと会話していた優美…おもむろに立ち上がると、窓のカーテンを閉める。優美はパソコンの前に立つと、ゆっくりと衣服を脱ぎ始めた…白い素肌、授乳が終わり元の大きさに戻ってきた乳房…夫はこの小振りな乳房を好きだと言ってくれる…黒みを帯びてしまった乳頭、腹部には薄く妊娠線が浮いている。
陰毛は処理をしていない…少し濃いめの茂みが優美の恥部を覆い隠していた。
大人の女となってから、夫・孝之も含め、片手の指2本分の男性にしか全裸を晒した事はない。
もちろん、ソラには優美の裸体は見えないが…
生まれたままの姿になった優美は、再びパソコンの前に腰を降ろすのだった…
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