妻と男の物語


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夫の同僚(1)

[1437] 夫の同僚(1) バロン豊崎 投稿日:2006/04/13 (木) 11:48
(1)


「一人で寝ちゃいましたねえ」
城島という名の夫の同僚がビールを飲みながらいった。
「この人、あまり強くないものですから・・・。どれほど飲んだのかしら?」
リビングのソファで眠り込んだ夫に毛布を掛け、彩子はその足元に尻を降ろした。
夜も更けてから、夫がその同僚を連れて帰ってきたのだ。
二人とも相当に酔っている様子だった。
帰りを待ちながらうとうとしていた彩子は、
すぐにでも寝室へ戻りたかったのだが、夫をこのままにしておく訳にはいかない。
パジャマにガウンを羽織ったままの格好で、初めて会う男の前で居心地悪い思いをしていた。
「奥さんもどうです?飲めるんでしょう?」
ビール瓶の口を彩子に向ける。
「いいえ、私は・・・」
そう言って何気なくガウンの襟元を正した。早く寝てくれればいいのに・・・。
城島のために客間に布団を敷いているのだ。

「いやあ、しかしこんなこんな綺麗な奥さんだったとはなあ。うらやましい」
城島はそう言いながらビールをあおる。
「そんな・・お上手ですわね。城島さんは・・・」
夫が眠り込む前に、城島、城島と呼んでいた。ちゃんと紹介されたわけではない。
「上手だなんて。あはははは、セックスは上手ですけどね、ひゃひゃひゃひゃ」
下品な冗談に、彩子は顔をしかめた。
「こいつがこんな奥さんを毎晩抱いていると思うと、興奮しちゃうね」
「もう、城島さん、変なこといわないでくださいよ」
これだから酔っぱらいは嫌い、とそれは声に出さずに一人ごちた。

そんな彩子の耳に信じられない言葉が飛び込んだ。
「ねえ、奥さん。一度させてもらえませんかね?」
「えっ?」
彩子は耳を疑った。その彩子の手を城島はぎゅっと握って引き寄せようとする。
「いいじゃない。彼とは親友なんだ。きっと快く貸してくれますよ。ね?」
驚いてその手を振りほどこうとする彩子。
「じょ、冗談はやめてください」
「いいからいいから。俺が彼なら、きっとそうするよ。さあ、奥さん」
そう言って力任せに彩子を抱き寄せる。
「きゃっ」
バランスを失って城島の腕の中に倒れ込んでしまう。
そのむっちりと熟れた肉体を抱き留め、しっかりと腕の中に囲い込んでしまう。
「ほらほら、奥さん。大きな声を出すと、あいつが起きちゃうよ」
そう言って、彩子の白い首筋に、ナメクジのような濡れた舌を這わせ始めた。

[あっ、やぁ~ん・・」
弱い耳を舐められて思わず声が出た。夫が目を覚ますかもしれない。
こんなところを見られたら、誤解されてしまう。
しかし夫は大きな鼾をかいたまま、目を覚ます気配もない。
「色っぽい声だねえ、奥さん。ますますしたくなっちゃうねぇ」
城島の手がナイトガウンの上から彩子の肉感的な躰をまさぐる。
「ふふふ、プリプリしている。おいしそうだ」
耳元で息を吹きかけられながら囁かれるたびに、彩子は身をすくめた。
ぞくぞくっと、電気が背筋を走るのだ。
「ねえ、奥さん、どう?あいつならきっと、させてやれよ、っていうと思うよ?」
「そ、そんなはずあるわけないでしょう。さ、城島さん、もう悪ふざけはおよしになってください」
そう言って体を起こそうとする彩子を背後からしっかりと抱き寄せる。
城島の下半身の硬く猛ったものが彩子の尻の割れ目のあたりにぐりぐり押しつけられた。
「あっ」
思わず声が漏れる。
「ふふふ、わかるだろう、奥さん?もうビンビンなんだよ」
わざと耳に囁きかける。「俺のちんぽが」
「やぁん・・・」
城島の腕の中で、彩子は身をくねらせた。
その仕草が男の加虐性に火をつけるとも気づかずに。

(つづく)
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