妻と男の物語


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伯爵からの招待(4)

[5492] 伯爵からの招待(4) 角笛 投稿日:2008/12/04 (木) 02:46
8 セックスを禁じられた夫婦

 レオタード状のボディスーツを着用したまま冴嶋部長に全身をマッサージされ、玩具にされた美和は、快楽の虜と化していた。飲まされた美酒『快楽の虜』のまま、部長の愛撫を受け容れ、悦びの声を上げた。私も、口にした『服従の証』という酒のとおり、部長の命令には逆らえず、服従するしかなかった。
 情けなかった。目の前で愛する新妻が他の男にキスをされ、愛撫され、嬌声を漏らしているのを黙って見ている自分が情けなかった。そして、そのような状況に興奮し、勃起しているのが屈辱的であった。たとえ二週間を超える禁欲を強いられていたとしても……。
 美和の口のまわりや首筋、耳のあたりは冴嶋部長の唾液で淫猥に濡れていた。全身は、媚薬が混ぜられたローションと彼女の汗で濡れていた。とくに執拗に攻められていたアソコの回りは、他の部位以上にグッショリと濡れていた。ローションだけでなく、おそらく、美和の垂れ流した快楽のしるしで潤っていたものと思われる。それは、夫として屈辱的な光景であった。
 全身が火照り、放心状態の美和が回復するのを待って、私たち夫婦は冴嶋部長の部屋を辞した。口数少なく帰路を急ぎ、自分たちのマンションへとまっすぐ帰った。

 シャワーを浴びて寝巻きに着替え、寝室に入った。
「あなた……ごめんなさい。わたし……」
 美和が目に涙をためてそう言った。
「謝るのはボクの方だよ。今夜もボクは何もできなかった。美和を助けることができなかった。ただ、冴嶋部長のなすがまま、どうすることもできなかった……ごめん……」
 私は美和を抱き寄せてキスをした。でも、それ以上のことはできなかった。〝伯爵〟にかけられた呪縛はまだ解けていない。恐れや畏怖に心を支配され、それ以上のことは何もできなかった。美和も同様に動けないようであった。
 私たちは互いを見つめたまま、静かにベッドに入った。涙に濡れそぼった美和の瞳は、いつにも増して艶かしかった。口許の右のホクロは、いつも以上に淫らで妖しく私の目に映った。

9 甘い誘惑(第三夜)

 『快楽の虜』に支配された美和と『服従の証』を証明した私は、仕事のあと、今夜も冴嶋部長の家へと向かった。さまざまに錯綜した誘惑に逆らうことができなかったのだ。
 冴嶋部長はいつものように特別の酒をグラスに注ぐと、私たち夫婦に飲むよう手渡してきた。美和も私も、いつものように飲み乾した。あいかわらず美味い。芳醇な香りと甘味、適度な酸味、そして気分が高揚して心地よくなる感覚。
「今夜きみたちに飲んでもらったのは、『伯爵の花嫁』と『伯爵のしもべ』だよ。どうだい、なんとも言えない味だろ? いよいよ、そのときが来たんだよ。きみたちにも、キチンと役割を担ってもらわないといけないからね。あまり偉そうに言いたくはないのだけど、それぞれの立場をハッキリしておく必要があるからね。おかわり飲みながら、しばらく私の話を聞いてくれるかな?」
 冴嶋部長は私たちからグラスを受け取ると、おかわりをついでくれた。そして、自分も一口、酒を口にしてからおもむろに話し始めた。

10 〝花嫁〟と〝しもべ〟の立場

 第一段階も三日目の夜となると、きみたちもだいぶ慣れてきたことだろう。そろそろ、それぞれの立場をハッキリしておきたい。いいかい? 私たちの関係は、〝伯爵〟とその〝花嫁〟、〝伯爵〟とその〝しもべ〟だ。わかっているよね? 私たちだけのときは、互いに立場をわきまえた関係にしておきたいのだよ。これからは私のことを『〝伯爵〟さま』と呼んでくれたまえ。私は〝花嫁〟のことを名前で呼ぶときは『美和』と呼び捨てで呼ぶ。〝しもべ〟を名前で呼ぶときも同様に『佐伯』と苗字を呼び捨てで呼ぶ。わかったね、『美和』、『佐伯』。
 さて、今夜はいよいよ第一段階の仕上げの夜だよ。『禁断の果実』をひと口かじって、それを呑み込んだ感じ、と言ったらいいかな? なに? わかりいにくい? まあまあ、すぐにわかるから、安心してくれたまえ。
 それはそうと、以前に私が言ったことを憶えているかい? きみたちに究極の快楽を味わってもらう、と言ったこと。
 女にとっての究極の性的快楽は、『愛する男の目の前で、他の男にもてあそばれる』こと。
 男にとっての究極の性的快楽は、『愛する女が自分の目の前で凌辱されるのを、指を咥えてみているしかない』ということ。
 もうすでに、ある程度は体感してもらったわけだが、今夜はそれをかなりの部分まで経験してもらうよ。興奮するよ。気持ちいいよ。きみたちには、とことん、エッチになってもらうからね。淫らに悶えてもらうよ。淫乱でどうしようもない状態になってもらうよ。さあ、そのまま寝室の方に行こう!

<つづく>
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