妻と男の物語


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私の足元で…43

[Res: 2035] 私の足元で…43 わくわく 投稿日:2007/06/27 (水) 04:41
新幹線の中です。
静岡に入り、左手に富士山が近くに迫っています。
やはり、壮大です。
景観を目に焼き付けようとしますが、いつの間にかうとうとと寝込んでしまいました。
早紀との夜のため…。
いえいえ、一月半の疲れが、一気に押し寄せてきたようです。

岡山を出て6時間以上は掛かったでしょうか、東京駅から真っ先に早紀に電話を入れます。
荷物もあり、一旦アパートに寄ろうかとも思いましたが、やはり早く会いたいと言う気持ちが優ります。
それは早紀も同じ様です。

とは言え、顔を合わせるのには、少々の戸惑いがあります。
考えてみれば、早紀と桜井のことは、何も分っていないのです。
ただ、桜井が実家に帰り、そして早紀が私を家に招いてくれたことを考えると、最終的には私を選んでくれたのではと考えられます。

早紀の住む駅に着きました。
夜とは言え、誰の目があるか分かりません。
待ち合わせはしませんでした。
それに私は、かつてこの町に住んでいた人間です。
土地勘があります。
早紀の説明から、彼女の家に向います。
そして、コンビニから電話を入れます。
「着いたよ~。
今、近くのコンビニ」
住宅街ですが、既に人通りはありませんでした。
それと思える家のドアが少し開いていて、中の明かりが外に長い筋を作っています。
そして私が近づくと、早紀がちょっと顔を出して、私を招き入れ素早く中に隠れます。
「なんかドキドキする」
お帰りの挨拶の前に、そんな言葉です。
「お帰りなさい」
「ただ今」
「会いたかった…」
涙声です。
「僕も…」
見つめあい、当然の様に唇を寄せます。
「愛してるって言って」
「愛してるよ」
「私も…」
実を言うと、この時勃起していました。
桜井の存在が薄らいだ今、私の迷いも吹っ切れての勃起だと思うのですが、前は勃起しながらいざという時に縮むという苦い経験がありますから、油断は出来ません。
でも…、早く試したい。
いや、早紀を抱きたい。
そんな気持ちもあり、抱き合いながら早紀の下半身に私のペニスを押し付けます。
早紀もそれに気付き、えっと言うような顔をします。
「早紀が、欲しい」
「あん。
でも、お風呂入ったり、食事したりしなくっちゃ。
その後にしよう?
ねっ?
一杯しよう」
私としても、失敗する不安もあり、今どうしてもと言うわけでもありません。
「これ、お土産。
ほとんど、岡山のもの。
ほら、倉敷を案内してくれた人が、買ってくれたの。
彼女と一緒に食べてって」
「あら~。
大きな鯛。
高かったんじゃない?」
「うん。
1万円近くするかも」
「うわ~。
じゃあ、これをメインに食べましょう。
その前に、お風呂入って。
お湯を入れておいたから。
ええと、タオルはこれね。
パジャマは、私の着る?」
「あっ、現場で着てた奴あるから、それ着るよ」
なにか、温かくて、新婚生活ってこう言うものなんだろうなあ、とひとりやに下がっていました。
お湯に浸かっている間、早紀は料理を作っています。
メニューは聞いていませんが、恐らく私の彼女の料理の中で一番好きなハンバーグでしょう。
それを思うと、サプライズとして、鯛の塩焼きのお土産のことを言わなかったことを少々後悔したりします。
風呂から上がり、キッチンに行くと、ビールが用意されています。
「酔いが回るとえっち出来ないよ。
あまり飲まないでね」
そう言う早紀のそばにより、お尻を撫でます。
「な~お。
包丁持ってるんだよ(笑)」
「ワインクーラーある?
このワイン、冷やして飲もうよ」
酒を飲まない人が酒を選ぶ時は、甘口のものを選ぶように思うのですが…。
おっさんが持たせてくれたワインも、マスカット・オブ・アレキサンドリアがセパージュの白ワインでした。
「そうだ。
チョコレートも入ってた。
これなんて読む?」
「にらやま?」
「ブブーッ。
それじゃあ、伊豆だよ」
「分らない」
「蒜山、ひるぜんだよ」
「あっ、そうだね。
蒜だね」
「ホントに、分ってるの?(笑)」
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