妻と男の物語


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私の足元で…41

[Res: 2035] 私の足元で…41 わくわく 投稿日:2007/06/25 (月) 05:45
いよいよ東京へ戻るとなった時、ピンサロ仲間のおっさんから、声が掛かります。
おっさんと言っても、私より2つか3つ上なだけですが…。
私とおない歳の弟がいるので、私にもそう言う感覚で接しているようです。
「なあ、正月はなんか用事があるんか?」
「はあ」
「これか?」
小指を立てます。
「まあ」
「お前、ようけ、ホテルの電話使ってたもんな。
それほど好きなんか?」
「まあ」
「で、正月はオメコしよんな?
ああ、アホくさ」
「で、なんですか?」
「いやな、お前出張とは言えせっかくこっちに来たやろ。
で、なあんも観光せんと東京に帰ったら詰まらんじゃろ思ってな。
倉敷でも案内してあげよっかなあ、おもうたんよ」
「すみません。
せっかくですが、もう約束してしまったんですよ」
「お前、俺の誘いと、オメコ、どっちが大事なん?」
「いや」
「ブチ歯がゆいわ~。
オメコですって、何で言われん。
分ったわ~、なおちゃん。
俺に付き合わんかったら、彼女にピンサロのお姉ちゃんのこと話すで~」
「えっつ」
「ウソやがな。
このボケ、カス、スカタン。
ああ、すっきりした」

彼は現場向きのタイプで、ずけずけと物は言いますが、人への気遣いは大したものです。
いつもポケットにのど飴やら何やらを忍ばせ、咳払いをしている職人さんを見たりすると、これ舐めてと2、3個差し出したりします。
彼とは、ピンサロに通ったし、よく飯も食べました。
彼の不思議なところは、下戸なのに酒席が好きで、ピンサロへも素面で入るのです。
そして、烏龍茶で酔っ払い以上にすけべに変身します。

彼の誘いを断った翌日の夜、早紀と正月中の打ち合わせをします。
「ごめんなさい。
叔母さんたち出発が2日延びて、大晦日に出るの」
「あっ、そうなの。
じゃあ、いつ行けば良い?」
「なおの都合は?」
「大晦日でも良いし、元日でも良いよ」
「早く会いたいなあ…」
「じゃあ、大晦日行くよ」
「でもね、明るい内は無理だよ」
「分ってるよ。
近所の人に見られたら、不味いものね。
夜に行く。
駅に着いたら、電話する。
ご飯はどうする?」
「作っておく。
何かリクエストある?」
「早紀の料理だったら、なんでも良いよ。
それに、お土産買って行くよ。
ままかりの酢漬けなんて、きっと気に入ってもらえると思うよ」
「分った」
「じゃあ」
「それでお終い?」
「?」
「愛してるって、言ってくれないの?」
「ああ。
早紀、愛してるよ。
早紀は?」
「私も」
「ずるい。
私もって…」
「なお…。
愛してる」
その時、不思議なことに、私のペニスは硬くなっていました。
恐らく今思うに、その時桜井の呪縛が解けたのでしょう。

電話を切って、ピンサロのおっさんの部屋に向います。
「あの~」
「なんじゃ?」
「倉敷、案内してもらえますか?」
「なんじゃ、振られたか?」
「はあ、2日ほど延期になって」
「わしは、時間調整か?
まあ、ええわ。
案内してやる」

そして12時頃には、ピンサロの彼女が忍び込んできました。
もちろん、打ち合わせをしてのことです。
彼女がシャワーを浴び終えると、直ぐに身体を合わせます。
そして、直接射精して…。
ピルでも飲んで避妊をしているのだろうと思っていましたが、その晩初めて彼女の過去を聞かされます。
結婚していたけれど、なかなか子どもが生まれず、不妊治療を受けていたのです。
それを承知なのに、旦那の親は子どもが欲しい、いつできると催促をきつくしてきます。
そんなある日、子どもも生めない女なら離婚せい、と旦那に向って言う親の姿を目にします。
それに対し旦那は、何も言いません。
彼女を、かばってくれません。
それで、離婚を決意したそうです。
「あなたとだったら、上手くやって行けそう。
年下なのにね。
ねえ…」
しばらく、沈黙が続きます。
「東京行っちゃ、いけない?」
「…」
「ごめん。
嘘よ、嘘。
彼女いるんだものね」

寂しい顔でした…。
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