妻と男の物語


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金融奴隷

[2008] 金融奴隷 カカロット 投稿日:2007/06/13 (水) 17:56
世の中の景気が悪く、山田圭吾の経営する美容室も流れに逆らえず、従業員を解雇。

ここ三ヶ月は夫婦で切り盛りしていました。

山田圭吾34歳、妻宏美32歳、子供6歳。


圭吾は深夜の警備のアルバイトも始めましたが、借金返済にも追いつかず四苦八苦の状態。

妻の宏美も家計を知っているので必死にやりくりしますが、支払うものに追いつけず、圭吾に内緒で金融に飛び込み限度額の30万を手に入れました、

金融A「奥さん、毎月1万ずつ返せばいいんですよ」
宏美「い、一万づつでいいの?」
金融A「はい、無理なく返済下さい」


金融の言葉に救われたように思った宏美ですが、借りた30万、無駄に使っていないのに見る見る内に2万円・・・・。

宏美が金融に取りあえず今月の1万円を支払わなくてはと、金融の中に足を踏み入れると、体格の良い60代の男性が若い強面の方を横に座らせていました。

宏美はなるべく目を合わせないようにしていると、前回接客してくれたAさんがやってきました。

A「お支払いですね、おいくら入金致しますか?」
宏美「あ、あの1万円・・」
A「はい、1万ですね、お預かり致します」

宏美「あ、あのまた借入、出来ますか?」
A「いいですよ~」即答でAが応えると宏美は思い切って聞いて良かったとホッとした表情になりました。

Aは宏美に近づき、「いくら、欲しいんですか?」と宏美の耳元で囁きました。

宏美「30、30万、いいですか?」
A「はぁい、30万ですね、いいですよぉ」

宏美はAに30万入った封筒を貰うと足早に金融から出ました。



しかし、結局は一ヶ月前に返済の為に金融に行くのではなく、借入の為にまた金融に行くと、

A「返済出来なくなりますよ~、山田さん!」
宏美「必ず、必ず返しますからっ・・」
A「皆、同じ事いうんですよねぇ・・」
宏美「お願いしますっ!」
A「山田さん、でもあなたはツキがありますよ・・」
宏美「えっ?」
A「この間、うちの社長が、あなたを見てえらく気に入りましてねぇ、あなたがお困りで来たら、社長がお会いしたいといってましたよ」

宏美「えっ?どう言う事ですか?」
A「あなたに仕事をさせたいんじゃないですか?」

宏美「で、でも、私は・・」Aは言葉を遮るように、宏美の手を引き、表に止まっているメルセデスに乗せて走り出しました。

宏美はAに質問しますが、笑って「心配ないですよ」としか言わず、暫くして高層マンションに横付け宏美は降ろされました。

A「この番号を押すと、ロックが解除出来て中に入れます、最上階で社長が待っていますから、後は良く聞いて下さい」

そう言うと、Aは宏美をエントランスに歩かせました。

宏美は訳分からず、言われた通りに中へ入り、エレベーターに乗り込むと、最上階25階を押しました。


考えるヒマも無く25階につき、扉が開くと目の前には、以前金融で見た60歳代の大柄な男がいました。

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