妻と男の物語


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隣のおじさん2-2

[Res: 3557] Re: 隣のおじさん2 忠太郎 投稿日:2008/03/25 (火) 21:06
〔思い込み〕
美幸との関係ができてしまって、金本がもっとも心配だったのは、美幸の旦那の浩二の事であった。大阪に出張しているとは聞いたが、何の仕事をしているのかよく分からない。高級車に乗り、日曜日といってもいないときもあり、ほとんど顔を合せることもない。二度か三度、挨拶を交わしたくらいである。
まだ若いが無口で強面で、どうもそれらしい、ヤバそうな雰囲気もある。もしかして“美人局”のようなことになりはしないか、それがどうにも心配だった。いずれにしても、亭主が帰ってくるまでに奥さんの美幸と話をつけておくほうがいいと思った。

美幸は、あの事があった翌日も、何もなかったような顔で明るく挨拶をしてくる。ますます怪しい。
“これは、やはり自分が嵌められたのではないか?”
と、思い込んでしまったのである。そして次の日に、美幸が子どもを送り出した頃を見計らって訪問した。
「あら、おじさん、どうぞ、あがって……」
全く、屈託がない。金本は“やっぱり、嵌められた”という確信をもった。
「いまお茶入れるわね、どうぞ座って……」
金本は、あの時と同じ位置に座った。美幸がアイスコーヒーをもってきた。ショートパンツから剥き出しの足が眩しかった。美幸もこの間と同じ位置に座った。
美幸が座ったところで、金子は居住まいを正した。そして丁重に
「奥さん、この前はまことに申し訳ありませんでした」
と詫びると、美幸は笑いながら
「やだ、おじさん、そんなこと言わないで、わたしも悪いんだから……」
と、全く気に掛けていないような態度である。しかし、いったん思い込んでしまうと、簡単に疑惑が晴れるものではない。逆に、その美幸の態度が、怖くなってきたのである。
「しかし、ご主人にもお詫びをしなければならないし、慰謝料ということで、なんとか勘弁していただきたいのですが……」
語尾を濁した。
「やだ、パパになんか言わないで、恥ずかしいから!」
「といっても、責任を取らないわけには……」
「だから、いいの。今までどおりお付き合いしてくれれば、それでいいの!」
美幸が何と言っても、金本の思い込みは変わらなかった。そんな遣り取りがあって10分ほどで金本は帰ったが、最後に
「これはとりあえず、お詫びの印に」
といって、大きめの封筒を美幸に押し付けるようにして帰っていった。
おじさんの事だから、何処かからもらった商品券か何かをくれたのだろうと、封を開けると帯封をした一万円札が入っていた。
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