妻と男の物語


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貞淑妻の火遊びから… 44

[Res: 5939] 第44話 沈粕男 投稿日:2009/01/30 (金) 23:15
「あっ、どうも…」
黒川が振り帰ると太った初老の男の姿が目に入る…声の主は隣人の徳田であった。
「何か黒川さんお疲れのようだね」
「いやあ、そんな…」
「どうだね?その辺で一杯、あっ、それとも早くあの綺麗な奥さんの顔を見たいかな?」
「そんなことは…徳田さん行きましょう」
二人は駅前のこじんまりとした小料理屋に入っていく。
「まあ、黒川さん」
徳田が銚子を差し出す。
「そんな徳田さんから…」
差し出される銚子を取り上げようとする黒川。
「いいから、いいから」
徳田が強引な感じで黒川の盃に酒を注ぐ…
そして黒川も徳田に注いだ所で…
「ああ良かった、今夜は一人で駅前で一杯やりがてら夕飯食べてくつもりだったんだ、ところで、黒川さん仕事大変なのか?顔がやたらと疲れてるよ」
徳田が盃を開けた黒川に注ぎながら、寝不足による顔色の悪さを指摘する。
「いやあ…その…仕事というより…」
「何だ?家庭の事かい?」
「まあ…そんなところで…」
「何なんだ?良かったら話してみなよ」
お互い注ぎ合いながら二人の会話は進んでいく…
「その…千絵子の奴…どうも…怪しいんです…」
「怪しいって?」
「いや…その…どうも若い男と…その…浮気をしてるんじゃないかと…」
「ほう~それは穏やかじゃないね」
徳田を信用している黒川は、悩みを語り始める…
「昨日、同僚が目撃したらしいんですよ…あいつが大学生のアパートから出て来たって…」
「ほうほう」
「それにあいつ…」
黒川は徳田に語った…外出する時しか履かないスカートを履いていたのに、昨日は外出していないと言い張る言動の矛盾…更に以前は千絵子の方から営みを求めていたのに、最近は自分から誘っても拒むこと等…そして…
「それに徳田さん…千絵子…最近妙な色気があるんですよ…」
ここで黒川は徳田への悩みの告白を止めた。
「う~ん黒川さん、元々奥さんは色気あると思うし…それだけでは断定出来ないんじゃない?それに同僚も見間違いしてるかもしれんし、まあ奥さんを信じなよ」
徳田は何か無難な返事をする。
「でもね徳田さん、気になるんですよ…最近俺達…」
「ん、何なんだ黒川さん…」
「俺と千絵子…その…」
「何だ?分かるように話してよ」
黒川の言葉に徳田が身を乗り出していく…
(ふっ、黒川は何も分かってないな)
外見は親身に相談に乗る様子だが…内心はある事からほくそ笑んでいる徳田であった…
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