妻と男の物語


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貞淑妻の火遊びから… 46

[Res: 5939] 第46話 沈粕男 投稿日:2009/02/03 (火) 22:03
「はい、どなた?」
千絵子が玄関を開けると…
(えっ、なんで…)
目の前にはスーツ姿の山下が立っていた…
「こんにちは、突然すみません」
「どうしたの?山下さん」
何か気まずそうな様子の山下に千絵子は…
(そういえば…彼…私を駅前で見かけたって言ってたわね…やだ…何の用かしら…でも主人と親しい人だし、無下に帰すには…)
山下の堅い表情に千絵子は一抹の不安を覚えるも…
「山下さん上がって」
中に招こうとする…だが…
「いいえ…ここでいいです、奥さんに言いたいことがあって…」
色白だが太めでガッチリした体型に似合わないように山下の言葉は、どこか元気がない…
「何?言いたいことって…」
千絵子の表情は不安げだ…
「一昨日見たんです…奥さんがアパートの男の部屋から出てくるのを…その男、親戚じゃないですよね?」
山下が単刀直入に切り出す…
(えっ…そんなとこまで…)
山下に達雄の部屋から出てくる所まで見られていたとは思っていなかった千絵子は、山下に対し上手く切り返せず、戸惑い気味だ…
「奥さん…失礼ですけど…そこの大学生と浮気してたんじゃないですか?」
そんな千絵子に構わず山下が続けると…
「そ、そんなことする訳ないでしょ、それに私そんなとこには居なかわ…人違いよ…」
動揺しながらも千絵子は必死に反論する…
「奥さんを見間違うはずないですよ、それに…表にある自転車に乗る所も見ました」
反論する千絵子に対し畳みかけていく山下…
(えっ…そんなとこまで…やだ…どうしよう…)
動揺が深まり言葉に詰まっていく千絵子…
「奥さん…とにかくもうやめてくださいよ、黒川さん…昨日なんか前の晩良く寝れなかったのか一日中抜殻のようでしたよ、それに今日は二日酔いで…きっと奥さんのことで悩んでたんですよ」
そんな千絵子に対し山下は続けていく…
「お願いです…黒川さん最初は俺が見かけたことも信じなかったんですよ…だからお願いです」
山下は真顔で千絵子に哀願している…だが…
(確かに…主人一昨日の夜から様子がおかしいわ…昨夜もかなり酔っていたし…でも…)
千絵子は何か開き直ったように…
「そんなの、あなたが主人に変なこと言うからでしょ、あなたのせいよ、もう帰って!」
山下の哀願を無下にする…
「そうですか…奥さんがそういう態度とるんでしたら…」
山下の表情が豹変する…そして…
゛カチャン゛という玄関の鍵が閉まる音がなった…
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