妻と男の物語


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思い出の中の男(4)

[961] 思い出の中の男(4) 雨ちゅあ ◆wlX16g 投稿日:2005/05/16(Mon) 17:27
第四話 審判の時

 瀬川は俺に「敗北」を喫した後、しばらくの間は部屋に引きこもっていたが、しばらくすると出てきて綾香に言い寄っていた。
 綾香も俺の方をチラチラ見て少しは気にしているようではあったが、瀬川の話術にどんどん引き込まれていっているようだった。

 やがて晩飯の時間が来て、俺と瀬川は依然として険悪なムードであった反面、綾香と瀬川はどんどん親密になっていった。
 高校時代が懐かしいのか、綾香も瀬川との思い出話に盛り上がっていた。
俺と綾香とは高校時代には全く接点がなかったので、到底二人の話に割り込める余地がなかった。
それでもなんとか瀬川の暴走を止めようと話題を変えようとするが、逆に綾香に「ごめん、ちょっと待って」と言われて放置される始末。
 せっかく昼には夫としての威厳(?)を見せつけてやったものの、今度は完敗だ。
やはり「過去」というものは強い。俺の知らない話題ばかりが出てきて、俺はますます嫉妬心にかられた。

 俺にとっては長い長い晩飯の時間が終わり、俺、瀬川、綾香の順番に風呂に入った。
 俺が入っている間は瀬川と綾香の二人きりになってしまうのが心配だったが、もとはといえば、瀬川にも綾香とやらせるつもりで計画したことだ。俺については自業自得みたいなものなんだし、ある程度は覚悟しなくてはならない。
 それに俺が風呂に入っていても、瀬川も綾香もまだ風呂に入っていない状態だ。無神経な瀬川ならそのままやりかねないが、綾香は嫌がるだろう。また、瀬川がルールに違反すればそれだけ付け入る隙ができるというものだ。

 俺が風呂から上がった時も、幸いなことに、二人はまだ何もしていないようであったが、思い出話に花を咲かせていたようだ。
俺が背後に立っていると分かるやいなや、綾香はしばし沈黙し、重苦しいようななんとも言えない空気が流れた。
 例えるなら、怖い教師が休んだと聞いて喜んでいたのもつかの間、その教師がいつも通り授業に来てしまった時の教室のような、あの嫌な空気だった。

 瀬川が風呂に入り、俺と綾香だけの二人きりになっても会話は弾まなかった。綾香はずっとテレビを見ていて、俺と顔を合わせようとしなかったし、俺が話題を振っても大して興味がないかのように適当にあしらうだけだった。さっきまでの綾香とはまるで別人のようだった。

 綾香が風呂に入り、俺と瀬川が二人きりになってからは、お互い一言も口をきかずに綾香が上がるのを待っていた。
 昼間、綾香が決めた約束では、22時00分に今晩どうするかを決めることになっている。
ちょうど綾香が風呂から上がればいい時間になるだろう。そう思っているうちに、綾香が風呂から上がってきた。

 21時56分・・・・・・

「ちょっと早いけど・・・・・・あの件のこと、決めちゃおうと思うの」
「ああ・・・・・・なら、俺から聞こう。瀬川には今日でも明日でも・・・・・・とにかく瀬川ともやるのか?」
「うん・・・・・・」
「やったー! やっぱりそうなると思っていましたよ綾香さん! 俺、頑張りますよ」

 少しだけ期待していただけに、ショックがないと言えば嘘になる。だが、これで本格的に瀬川とやり合えるのだとプラスに考えるしかない。さっきまで自信満々で瀬川の化けの皮を剥がしてやろうと意気込んでいたのに、いつの間にか自信を喪失していくのが自分でもよく分かった。

「なら・・・・・・今夜はどっちと寝る? 俺か? 瀬川か?」

 俺だと言ってくれと願った。とにかく今は瀬川に一矢を報いてやりたかった。明日といわず、今夜で決着をつけてやる。今夜で綾香の心を取り戻して、瀬川が自分から撤退していく様子を見届けてやる。そう思っていた。だが、現実は厳しかった。

「今夜は・・・・・・瀬川君がいいな」
「本当ですか! やったー! 旦那ぁー、じゃなくて中村、どうだ? 綾香さんは俺を選んでくれたぞ!」
「貴方、いいよね?」
「あ、ああ・・・・・・」

 何故俺に同意を求める? 俺が言い出したことだ。駄目だと言えるわけがない。
でもどうして俺じゃなくて瀬川なんだ? 嫌な事は後回しがいいというが、まさにそうだ。瀬川に抱かせるなら明日の方がいい。とにかく今は、俺を先に指名してもらいたかった。
 そうすれば明日瀬川に抱かれるとしても、俺が先に指名されたという優越感ができたのに・・・・・・。俺は半ば谷底に蹴落とされたかのような衝撃を受けながら、「あ、ああ・・・・・・」と答えるのが精一杯だった。

「よーし、じゃあ、早速・・・・・・といきたいところだけど、夜は長いですしね、たっぷり楽しむために準備しましょう。栄養ドリンクありましたよね? あれ飲みましょうよ」
「はい、冷蔵庫に・・・・・・」

 昼間からそうだったが、瀬川は勝手に冷蔵庫を開けて栄養ドリンクを2本取り出した。

「アンタは飲まないよな? アンタ飲む必要なさそうだし。耳栓でもしてぐっすり眠った方がいいだろうな」
「悪いが俺にもやる事があるんでね。徹夜で溜まった仕事でも片付ける。自分で飲むからいい」

 俺は強がって自分で1本栄養ドリンクを取り出して一気に飲み干した。それを見て瀬川がバカにしたように笑う。
綾香も瀬川に手渡された栄養ドリンクをチビチビと飲んでいた。

 それじゃ・・・・・・と早速立ち去ろうとする瀬川に俺が釘を刺す。

「おい、くれぐれもゴムはしろよ。あと、綾香が嫌がるようなことはするな。約束は守れよ」
「分かってます、分かってますって。あ、そうそう、綾香さん、こいつにも見せてやりましょうよ、下着」
「下着?」
「うん・・・・・・瀬川君が私にって・・・・・・。どう?」

 何かの気の迷いだと思いたかったが、綾香は自らスカートをめくり、大胆な下着を見せつけた。
秘所を隠す布は少なく、生地はスケスケで、後ろなんかTバックどころか紐同然だ。
瀬川の奴め、俺にせびった情報料とかで買いやがったんだな。
 ただ、それにしてもこんな下着一枚で綾香の心が動かされてしまったのか、それにこんな下着をもらったとためらいもなく俺に見せつけるだなんて・・・・・・俺って一体何なんだと思う。
 だいたい、今からその下着さえも脱いでお前らはHするんだろうが! そんなもの見せつけて・・・・・・何考えているんだよ一体!

 再び「それじゃ・・・・・・」と言い残し、瀬川は綾香の肩を抱きながら客室に消えた。
今夜は眠れそうにない・・・・・・・正直瀬川とやっている綾香のよがり声など聞きたくもないのだが、このまま眠れるような気持ちじゃなかったし、さっき飲んだ栄養ドリンクのせいもあって眠気がささない。

 くそ・・・・・・何をしていても、綾香のあの大胆な下着姿が目に焼きついて離れない。
わずかな布しかないというのにシースルーの前側・・・・・・もう少しでも下にずらせば、綾香の薄い恥毛も丸見えだろう・・・・・・。
 リボン状に軽く結ばれて不安定な左右の紐・・・・・・瀬川があれをほどくのだろうか?
 そして、何よりも、Tバックでさえもなかなかない、本当に細い紐一本だけのバック・・・・・・そんなもので当然隠せるわけがなく、尻丸出しどころか、尻の穴まで丸見え。アソコだって少しはみ出してしまっている・・・・・・。
 そんなものを履いて喜ぶ綾香。そんなものを見せて喜ぶ綾香・・・・・・考えるだけで気が狂いそうだった。
 そして、俺には下着だけ見せたが、これから下着の中身まで瀬川に見せる綾香・・・・・・。どうしたものか、俺のアレも熱くなってきた・・・・・・。

 一旦は本当に静かな部屋で仕事でもやろうかと思ったくらいだが、俺の体は自然に客室の隣の部屋に向かっていた。
瀬川が綾香に酷いことをしたら俺が止めてやる。そう言い聞かせて、俺は壁に耳を当てていた。

 本当の夫ともあろう者が、何とも惨めな姿だ。

 綾香のよがり声は遅くまで響き渡り、何度も「イった」ような声も聞こえた。時々二人の笑い声なども聞こえてきた。
その晩、俺は遅くまで「盗聴」していたが、二人の声が小さくなるにつれて、自然に「限界」が来てそのままそこで眠ってしまった。

(つづく)

[Res: 961] アンケート実施 雨ちゅあ ◆wlX16g 投稿日:2005/05/16(Mon) 17:34
 不評で打ち切りとなった前作(『桜の咲く時』)と比較しても、今回は不評のようで、見たところ読者数0かもしれない……ということなので、今後どうしようかと迷っているところです。
 そこでアンケートを実施しようと考えました。
 もし宜しければ、ご意見・ご感想等をメールにてお教え下さい。メールを下さった方には、なるべく全員に返事をしようと思いますが、場合によってはできない場合もありますのでご了承下さい。
 なお、単なる暴言や誹謗中傷に過ぎないものや、添付ファイル付きのメール、HTML形式のメールにはお返事できませんので、その点もご了承下さい。

[Res: 961] 読んでます。 ちょうさく 投稿日:2005/05/16(Mon) 23:17
前作、桜の咲く時も途中中断を残念に思っていました。
今回も、下半身がうずうずするような文章でとても楽しみに見ております。
前作も今回の作品も全てテキストで保存してよまさせていただきますので
是非続けてください。お願いします。
出来れば前作も続きを読みたいです。

[Res: 961] しばらく様子をみてみます 雨ちゅあ ◆wlX16g 投稿日:2005/05/17(Tue) 18:13
 ちょうさくさん、レスありがとうございました。
前作『桜の咲く時』は、もともとこのサイトで投稿することを想定して書いていたものではなかったのです。
それで、不評の原因も、このサイトの閲覧者の趣向と異なっていたのではないかと考え、打ち切りに至りました。

 今作は前作と違い、最初からこのサイトで投稿することを想定して企画しました。
前作は長編であったうえに、投稿と執筆を完全に同時進行で行っていたのに対し、今作は短編であり、しかも完結までの目処が立っています。
 それだけに前作以上に不評であるという結果は残念でした。

 しかし、1人でも読んで下さる方がいると知っていくらか安心しました。
 依然メールの方には誰からも意見等が寄せられていなく、不評の程度が知れるのですが、しばらく様子を見て、それでもなお不評である場合は打ち切りとしようと思います。

 因みに打ち切りにしてしまうのは、需要のない作品を投稿することによって、過去の作品を閲覧できなくなってしまうからです。
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