妻と男の物語


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嘘と真実3

[Res: 8768] 嘘と真実3 沢木 投稿日:2010/02/10 (水) 12:34
 その日の夜。仕事から帰宅し、いつものように夕飯を妻と二人で食べていた時の事です。
「あなた、今週の金曜日なんだけど…」
「…ん?」
「会社の人達が私の歓迎会を開いてくれるって言うのよ…行って来てもいいかしら?」
 来たか!私は昼間の事を思いながら、どう返事をするべきか逡巡していました。
「まだ入社したばかりだから断りづらくて…」
 どうやら妻は行くつもりのようです。久し振りに羽を伸ばしたいという思いもあるのでしょう。どうにも駄目だとは言いにくい状況です。昼間私が見聞きした内容を、妻に話して聞かせるのも憚られます。悩んだ末、
「いいよ」
 と、言う他ありませんでした。会社の女子社員の話を餌に、同僚と盛り上がるなどよくある話です。私にだってそれくらいの経験はあります。そう自分に言い聞かせ、私は必要以上に心配するのを止めました。
「ありがとう!出来るだけ早めに帰って来るからね」
 妻は、無邪気に喜んでいます。若い男性社員達に、自分がどんな淫猥な目で見られているのかも知らずに…。私は、一抹の不安を覚えながら祐子のそんな姿を見つめていました。


 週末の金曜日。妻は、いつもの地味な服装ではなく明るい色のワンピースに身を包み、出掛けて行きました。やはり久し振りの夜遊びという事で、少しはしゃいでいるようです。改めて見る祐子は、確かにスタイルも良く年齢を感じさせない若々しさに満ちていました。その上、人妻特有の妖艶な雰囲気も併せ持っています。男性社員達が、欲望の眼差しで妻を見るのも頷けました。
(やはり止めるべきだったかな…)
 私は、そんな事を考えながらため息と共に一日の仕事を終え、妻のいない我が家へ帰りました。
 時間は、午後9時過ぎ。当然、妻はまだ帰宅していません。私は、いつもより早めの時間ではありましたが風呂に入り、TVを見ながら独り晩酌を始めました。1時間ほどが経過した頃でしょうか。メールの着信を知らせるメロディが私の携帯から流れました。慌てて受信ボックスを開く、私。
『ごめん、もう少し遅くなりそう…先に寝てていいからね。ごめんね!』
 妻からです。既に10時30分を過ぎていました。私は、そろそろ帰って来る頃だろうと思っていましたので、この時間帯に『もう少し遅くなる』という連絡は予想外でした。急に不安が大きくなる、私。
(まさか、あの男達に祐子は…)
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