妻と男の物語


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嘘と真実8

[Res: 8768] 嘘と真実8 沢木 投稿日:2010/02/12 (金) 12:26

 男の話が嘘なのか真実なのか、考える事も出来ません。私は冷静な思考能力と判断能力を失っていました。情けない話ですが、それ程打ちのめされていたのです。男の話をこれ以上聞きたくないという思いと、もっと詳細を知りたいという思いの狭間で揺れ動く、私。
 白く艶やかな肢体が若い男の荒々しい愛撫で朱に染まり、喘ぎ声を上げ悦楽の表情を浮かべる妻…。大きく両脚を開かされ、蜜壺に差し込まれる無骨な指。丹念に膣口を弄ばれ、濡れそぼる肉芽をも男の眼前に晒す…。
 私の知っている妻ではない『雌』がそこにはいました。空想…妄想…他人の口から語られただけの虚構…。私は、強引に心の整理をしながら仕事に戻りました。


 一日の仕事を終え家に帰ると、妻はシャワーを浴びているところでした。
「あなた、お帰りなさい。もう少し遅くなるかと思って先にシャワー浴びちゃった。すぐにご飯の支度するね」
 磨りガラス越しに妻が言います。
「いいよ、ゆっくりで」
 うっすらと見える妻の肢体が、いつも以上に魅力的に感じられました。
「ごめんね」
「うん」
 私は、上の空で返事をして自室に向かいます。着替えを済ませリビングへ行きましたが、妻はまだシャワールームのようです。あの磨りガラス越しに見た妻の肉体に、他の男の手が触れたのかと考えるだけで、気分が滅入ります。
 ふとテーブルの上に目をやると、祐子の携帯が置いてあるのに気付きました。無意識の内に携帯を手に取りメールを開く、私。普段なら考えられない行動に、自分でも驚きました。先週の金曜日に何があったのか、真相が知りたい…。そんな欲求に負けたのだと思います。私は、震える手で恐る恐る受信メールを確認しました。聞いた事のない名前の受信メールがトップにあります。登録名は『三宅君』となっていますので、男なのは間違いありません。胸が痛みました。内容は、
『金曜日は楽しかったねぇ…また近い内にお誘いするよ♪それから今日はちゃんと約束守ってたみたいだね!みんな気付いたかな?明日もヨロシクね!』
 彼からの受信メールはそれだけです。次に送信メールを確認しましたが、妻からの返信履歴はありませんでした。私の確認した、男から届いたメールの内容。意味深といえは意味深でしたが、特に浮気を匂わせるような内容でもありません。
 私は、肩透かしを喰った気分で携帯を元に戻しました…。
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