妻と男の物語


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不能になった私(2)

[8437] 不能になった私(2) 安さん 投稿日:2010/01/08 (金) 21:23
妻から離婚を切り出されたが、もちろん私はその申し出を即座に拒否した。
「僕たちはこれまでにも様々な問題を2人で乗り越えてきたじゃないか。僕たちならこれからもきっと上手くやっていけるさ」
夢にも思っていなかった話の展開に激しく動揺していた私は、ひどく上ずった声で妻を説得した。
「そう、私はこれまで妻としてあなたを支えてきたわ」
妻はまるで、これまで2人の間に発生した問題は、全て私に問題があるような言い方をした。さすがに私はムッとしたが、だがよく考えてみれば妻の言うとおりで、子供が出来ない原因といい、精神的な病といい、そして今回の男性機能の不能といい、夫婦間に起こった問題はいつも私に原因があったのだ。
私が何も言い返せなくなってしまったことを知ると、妻は一気にまくし立てた。
「あなたは本当にいい夫で、尊敬できる人よ。それに子供に恵まれなかったことは残念だけど、私はそれほど落胆はしていないのよ。でも今度の問題は別よ。私、子供のいない生活には耐えられても、セックスのない生活には耐えられないのよ!」
話しているうちに感情が昂ぶった妻は、最後はヒステリックに吐き捨てた。
穏やかな性格の妻の豹変に私は呆然と息を飲んだ。17年間生活をともにしてきたというのに、妻がこれほど性に対して貪欲な女であったとは、私は全く気付かなかったのだ。

それでもどうしても妻を失いたくない私は粘り強く説得を続けた。すると妻が妥協案を出してきた。それを聞いた瞬間、私は後頭部を鈍器で殴られたような衝撃を受けた。
妻の出した妥協案、それはこれまで通り結婚生活を続ける条件として、週に1度の浮気を公認して欲しいというのだ!
もちろん私はその提案も即座に首を横に振った。どの世界に妻の浮気を認める夫がいるというのか!?
だが妻の方も、今度ばかりは頑として要求を撤回しようとはしなかった。離婚するか、浮気を公認するか、2つに1つだと突っぱねた。話は平行性を辿り、結局答えが出ないままに、その夜の話し合いは物別れに終わった。
それからの日々はまさに地獄だった。仕事で疲れ果てて帰宅すると、妻から答えは出たのか?と詰め寄られるのだ。私はパニック状態に陥り、鬱病が再発する直前にまで追い込まれてしまった。
そんな地獄の日々が始まって2週間が経とうとした頃、私はついに打開策を見つけ出したのだ。
その日、私は仕事帰りに喫茶店に立ち寄ってスポーツ新聞を読んでいたのだが、アダルト面のある記事に目が留まった。それはレズビアンの性癖を持つ女性を紹介する記事で、『女同士のセックスの味を知ったら、男なんていらなくなる』とのコメントが掲載されていた。
記事を読み終えた私は呆然と物思いに耽った。妻が結婚生活を続ける条件として提案してきた週に1度の浮気は絶対に受け入れることは出来ない。妻が私以外の男に抱かれるなんて事は、想像するだけで気が狂いそうになってしまう。だがもし妻の相手が同じ女性だとしたら・・・。私は妻が女に抱かれる場面を想像してみたが、不思議な事に不快な気持ちは全く生まれてはこなかったのだ・・・。

「SMクラブ!?」
妻は私の申し出に、大きな目を更に丸く見開いた。私はうんと頷き、考え抜いた計画を説明した。
妻の積もり積もった欲求不満を発散する相手が男であるのは、夫としてどうしても認める事はできない。だがその相手が女であるならば、私は我慢する事ができる。レズビアンの女性に妻の性欲を満たして貰えれば、妻が男に抱かれる事なく全ての問題を解決する事ができるのだ。
私はスポーツ新聞の記事からその素晴らしいアイデアを思いついたのだが、問題がひとつだけあった。それは妻の相手をして貰うレズビアン女性をどのように見つけ出すのか?という問題であった。男の性欲を満たすための風俗店はそれこそ星の数ほどあるが、女性用の、しかもレズビアンの女が在籍するなんて店は聞いた事がない。
だがその難題も、スポーツ新聞の同じ紙面に解決策が載っていた。記事から少し視線を落とすと、風俗店の広告が掲載されている。その中のSMクラブの広告に『カップル、女性客もOK』との文字が躍っていたのだ。
「SMクラブって何だか怖いわ。それに相手は女なんでしょう?」
妻はさすがに戸惑いを露にしたが、私はそんな妻を諭すように説明を続けた。
私は事前にそのSMクラブに電話を掛け、事前交渉を済ませていた。妻の体を一切傷つけることなく、欲求不満だけを解消して欲しい、その旨を伝えると、電話に出たマダムらしき女は、そんな事は全て分かっているといった風に意味深な笑いをこぼした。
「鞭や蝋燭を使う事だけがSMじゃないんですよ。お客様の要望通り、奥様を傷つける事なく、欲求不満を解消してあげますよ。私たちのテクニックでね。フフフ」
受話器越しに響くママの妖艶な笑い声に、私は背中がゾクゾクと震えるほどの興奮を覚えた。と言っても、股間のペニスはピクリとも反応しなかったが・・・。
「いいわ、一度、そのSMクラブに行ってみるわ」
説明を聞いた妻は、拍子抜けするほどあっさりと、私の提案を了承した。今から思えば、妻はよほど切羽詰った状況に追い込まれていたのだろう。
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