妻と男の物語


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不能になった私(4)

[Res: 8437] 不能になった私(4) 安さん 投稿日:2010/01/09 (土) 01:05
シンと静まり返った薄暗い不気味な部屋に1人でいると、私は深い後悔の念に捉われた。マダムに手を引かれて部屋を出て行った妻の後ろ姿が、まるで遊郭の女将に買われていく哀れな女のように見えたのだ。
だが今更後悔してももう遅い。私は髪を掻き毟り、恐ろしく孤独な時間を耐え忍んだ。
妻が出て行って10分後、突然、壁に取り付けられた大きな鏡に光が点った。顔を上げた私は鏡を覗き込み、「あっ」と声を上げた。鏡の中に、もうひとつの部屋が映し出されたのだ。
呆然と鏡に映る部屋を覗き込んでいた私は、しばらくして、ようやくそのトリックに気が付いた。壁に取り付けられた鏡はマジックミラーとなっていて、隣の部屋、つまり602号室を覗ける仕掛けになっているのだ。

一体これから何が起こるのだろう?妖しく高鳴る胸のざわめきに息を飲んでいると、鏡の中に妻が現れた。その姿を見た私は、また「あっ」と声を上げてしまったのだ。
部屋に入ってきたのは妻1人ではなかった。その前後に妻を挟み込むようにして、2人の女がいた。1人は先ほど妻を連れ去ったこのクラブのマダム、そしてもう1人はレースクイーン顔負けの素晴らしいプロポーションをした20代前半の若い女であった。
「あぁ、憲子!」
2人に挟まれる妻の姿を見た私は、思わず名前を叫んだ。妻は唇に手ぬぐいで猿轡を噛まされ、背後に回した両手首を麻縄で厳しく縛り上げられている。そしてその縄尻をマダムに引っ張られ、まるで捕らえられた罪人のように部屋の中央に連れて来られたのだ。
雪が溶け込んだように白い妻の透き通った肌は恐怖で蒼ざめ、白足袋に草履を履いた足元が小刻みに震えている。
「憲子、大丈夫か!?」
私はソファーから立ち上がり、鏡の中の妻にすがり寄った。

マダムは手に取っていた縄尻を天井から吊り下げられている滑車に通した。
「さあ奥様、もうこれで逃げられないわよ」
若い女が唇に淫靡な笑みを浮かべ、背後から妻の耳元で囁いた。
若い女は彫りの深い整った顔立ちをしているが、その端整な容姿にはゾッとするような残忍さが潜んでいるように思えた。
「ねえ奥様、どんな悪戯をして欲しいの?」
若い女は形のいい唇を尖らせ、糸のように細い息を妻の耳元に吹き付ける。縛られた妻の体がビクッとくねった。
「あら、耳がとても敏感なようね」
若い女は妻の反応を見逃さなかった。
若い女が言った通り、耳は妻の弱点である。私の男性機能がまだ正常だった頃、夜の夫婦生活で耳を責めてやると、妻はすぐに燃え上がった。
あっと言う間に妻の弱点を見抜いた若い女は背後から妻の顎先を指先で固定し、右の耳に唇を押し当てた。
「んぐうっ!」
細く整えられた眉を吊り上げ、妻は猿轡を噛まされた唇から声にならない悲鳴を漏らす。若い女の唇と舌で執拗に耳を責められて、滑車に通された縄が大きく揺れ動いた。

それから15分もしないうちに、妻は妖しい悦楽の世界に、どっぷりと引きずりこまれた。
若い女は髪をアップにすることで剥き出しとなったうなじに唇を這わせ、はだけた訪問着の胸元から右手を忍ばせている。
「奥様のおっぱい、とても大きくて柔らかいわ」
女の体を知り尽くした同性の淫らな手で乳房を揉みしだかれる妻は、形のいい額にうっすらと脂汗を滲ませ、苦悶の表情を浮かべている。だが長年、妻の体を愛してきた私には、その苦悶の表情が悦びの表現であることが、痛いぐらいによく分かった。
「もうトロトロになってるんじゃないの?」
若い女が妻を責める姿を傍観していたマダムがソファーから立ち上がった。
「銀行の支店長夫人か何だか知らないけど、高い着物を着て澄ましているくせして、とんでもない淫乱女のようだね」
細長いメンソールの煙草を指に挟んでいるマダムは、苦悶する妻の顔に白い煙を吹きかけた。
「その高い着物の下に、どんな助平な下着を付けているか見せてご覧なさい!」
マダムはそう言って、荒々しい手つきで着物の裾を左右にいた。
「あぁ、憲子!」
私は露となった妻の下半身を目にして悲鳴を上げた。妻の女の部分を覆い隠しているのは安物の布で作られた紅い褌であったのだ。
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