妻と男の物語


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オトコトモダチ

[1599] オトコトモダチ 刑法壱八参条◆VykuKg 投稿日:2006/07/06 (木) 18:17
 私は大友良介と申します。現在30歳、某中堅電器メーカーで営業を担当しております。
世間でいうところの、「しがないサラリーマン」というやつです。
 私には妻の美帆がいます。
 美帆は私と同じ30歳、専業主婦をしています。美帆は実は私と同期で入社して、会社で働いていたのです。
 やがて私たちは付き合うようになり結婚。美人の美帆と付き合うにはライバルが多すぎて私はほとんど諦めてきたくらいです。
 そんな中、「誰よりも真面目で誠実だから」という理由だけで、私は美帆に選ばれました。
同僚からは羨ましがられたり恨まれたり……。
 本当は美帆は結婚後も働くつもりだったのですが、私が不安に陥るあまり、美帆には専業主婦をしてもらっています。
 しかし、美帆は文句一つ言わずにしっかり家事をこなし、私のために毎日美味しい料理を用意してくれました。
 何も不満はないはずです……私はむしろ恵まれすぎているくらいなのです……。
 でもたった一つだけ、美帆に対して不満があります。
 それは……「男友達」が多すぎることです……。
 貴方はどう思いますか? もしよろしければ私の話を聞いていただけませんか?

……………………………………………………………………………………………………………………

 ある夜のことでした。
 その日、私は今後の販売方針を決めるための重要な会議に出る予定だったのですが、営業部長の都合が悪くなったということで、会議は急遽延期されることになったのです。
 もともと酒に弱く、あまり交友関係が広い方ではなかったこともあって、どこにも寄らずに真っ直ぐ家に帰りました。
 しかし、玄関に入ると、男物の靴があり、居間の方から楽しげな話し声が聞こえてきたのです。

 お客さんが来ているのだろうか?
 そう思って居間に入りました。

良介「ただいま。あ、どうもはじめまして」
男性「おじゃましています。すみません、ご主人のお留守中に上がり込んでしまって」
美帆「別にいいのよ。そういえば貴方、今日は会議があるんじゃなかったの?」
良介「部長に急用ができたらしくて延期になったんだよ」
美帆「ふーん、貴方もたまには一杯飲んできたっていいのに」
男性「おっと、すみません、もう遅くなってしまいましたね。私はこれで……」
美帆「もっとゆっくりしていけばいいじゃない。この人も帰ってきたんだし、二人でお酒でも飲ん   で話でもしたら? この人、一緒に飲む人がいないのよ」
男性「いえいえ、私ももうそろそろ家に帰らなくてはならないので」
美帆「そう? じゃあ、また来てね」
良介「すみません、何もお構いできませんで」
男性「いえいえ、どうもおじゃまいたしました。失礼します」

 美帆は男性を見送り、私はその間、冷蔵庫を開けて麦茶を飲んでいました。
 それにしてもセールスマンにしては随分美帆も親しげでしたし、物騒なこのご時世、そう簡単に家には上げないものです。
 また、私が入った時に随分男性が慌てたような様子で、話し方も妙によそよそしい感じがしたのが引っかかりました。

良介「さっきの人って、知り合い?」
美帆「え? なんで?」
良介「いや、なんか結構親しそうだったから……」
美帆「ちょっとね」
良介「え? 『ちょっと』って?」
美帆「ちょっとした知り合い」
良介「ふーん」

 何か釈然とはしなかったものの、あまりしつこくするのも何かと思い、私はその時、それ以上は聞き出そうとはしませんでした。
 私は美帆と一緒に夕食を食べ、先にお風呂に入ることにしました。美帆は片づけが残っているからと一緒には入ってくれませんでした。

 さて、それから30分ほどでしょうか、いつもは長風呂の私ですが、何か胸騒ぎがするような気がして、早めに上がったのです。
 何故か私は音を立てないように風呂のドアを開け、そっと声を殺しながら、脱衣場から居間の様子を伺いました。
 美帆は誰かと電話で話しているようです。私は耳を研ぎ澄まして美帆の会話を聴きました。

美帆「本当にごめんね、まさかあんなに早いと思わなかったから」
美帆「うん……うん……」
美帆「そんなに気にしなくていいって、あの人だってそんなに気にしていないってば」
美帆「うん……うん……わかった」
美帆「また寄ってね」
美帆「うん……うん……」

 会話の内容からして先ほどの男性と話しているに違いありません。
 私は今度こそ真相を突き詰めようと思い、覚悟を決めて脱衣所を出ました。

良介「誰?」
美帆「あ! え? いや、何でもないの。ごめんね、またね」

 美帆は慌てて電話を切りました。
 しばらくの間二人の間に沈黙が流れます。

良介「誰? さっきの人じゃないの?」
美帆「立ち聞きしていたの!?」
良介「たまたま聞こえただけだよ。さっきの人と何話していたの?」
美帆「そんなことどうでもいいじゃない。それよりいきなり後ろから声かけるのやめてくれる?」
良介「きちんと答えてくれ。さっきの人とどういう関係なの? 単なる知り合いにしては親しいみ   たいだね」
美帆「もうしつこいなー! 友達だってば!」
良介「友達?」
美帆「そう、友達。大学時代の友達」

 美帆はいつもこうなのです。
 何かといえば友達、友達……と。
 でも、私が会ったことのある美帆の男友達といえば、私が言うのもなんですが、地味で真面目そうで、しかももてなさそうな感じの人ばかりでした。
 それに対して、先ほどの男性はといえば、確かに真面目そうではあったのですが、どうも女の扱いに慣れていそうな、そんな感じもする人でした。
 それに、美帆は随分男友達が多いのです。
 美帆は特別男のような生活を送ってきたわけではありません。しかし、女友達よりもずっと男友達が多いのです。
 それも私が知らないような人ばかりです。

……………………………………………………………………………………………………………………

 薄暗い部屋の中、わずかな明かりだけが大きな水晶玉に反射し、フードをかぶった女性の顔を幻想的に照らし出す。

女性「事情はよく分かりました。それで貴方のご相談は? 奥様に男友達が多い……そんなことで   はないのでしょう?」
良介「はい……実は……」

…………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………

良介「同窓会?」
美帆「うん、今度ね、中3の時の同窓会があるって。もうしばらく皆に会っていないし、先生も結   構歳だから会っておきたいなって」
良介「そうか……まあ、1日くらい誰もいなくても大丈夫だろう」
美帆「ごめんね、貴方は休日出勤があるのにご飯も作ってあげられなくて……」
良介「いいって、そんなこと別に気にするなよ」

 美帆はそう言って、同窓会に出かけることになったのです。
 私は美帆が出かけた後、私は明日の朝食べるために、弁当でも買いに行こうかと思ったのです。
 ところが……。

 郵便配達が来たので、郵便受けを確認したら、なんと美帆宛に同窓会の案内状が入っていたのです。それも中3の時の。
 私はもの凄く胸騒ぎがしてきて、思い切って案内状に書かれていた幹事のところに電話をしてみたのです。

幹事「え? 今日ではないですよ、来月の5日を予定していますけど……どうしたんですか?」

 どうも私は美帆に嘘をつかれてしまったようです。
私は事情を告げずに、幹事に何度も懇願して、美帆と当時親しかった友人の連絡先を聞きました。

 それからは不審者だと思われてしまうことや、後で美帆にばれてさぞかし怒られるだろうというおかしな不安感にさいなまれながらも、次々と電話をしていったのです。
 中3の時の友人、高校時代の友人、大学のゼミの友人……。
 そして、ある一人の女性に行き着きました。松本妙恵という女性です。
 松本さんは美帆と中学校から大学までずっと一緒で、美帆の最も親しい友人の一人です。私たちの結婚式にも出てくれました。

松本「そう……美帆がね……じゃあ、あの子、本当に同窓会に行っちゃったんだ」
良介「同窓会っていつの同窓会なんですか! 教えて下さい、お願いします!」
松本「いつの……っていうより、大学のサークルの同窓会だと思うけど」
良介「テニス部の同窓会だったんですか……」
松本「あはは……まだ知らないみたいね……」
良介「え?」
松本「あの子、テニス部にいたっていうけど、ほとんど出なかったわよ。それにやっていたのはテ   ニスだけじゃないから」
良介「どういうことですか?」
松本「……そこからは旦那さんご自身が調べることだと思うけど。一応私もあの子の友達……って   いうことになっているしね」
良介「………………」
松本「まあ、あの子、今いないんでしょう? あの子の持ち物、もう一度よく調べてみたら? あ   の子の性格からして捨ててはいないと思うけどね……たとえば昔の思い出が詰まった段ボー   ルとかね」
良介「……貴方は先ほど美帆の友達だから教えられないとおっしゃいました。ではどうしてそんな   ことを……」
松本「言ったはずだけど、『一応』って。私もあの子には許せない部分ってあるから。貴方も気の   毒ね、あんな子とバージンロードを歩いただなんて」
良介「え? どういうことです?」
松本「忙しいから、これで。これからどうしたらいいのか、考えた方がいいと思うけど」

 美帆が処女ではないのは知っていました。今まで3人と付き合い、2人と関係を持ったことも。
1人は美帆の高校時代の先輩であり、美帆の初体験の相手。しかし、相手が遊びだったようで、すぐに別れ、美帆も関係を持ったことを後悔したそうです。
 もう1人は私と出会う1年前までに、約1年半付き合ったというゼミ仲間。これも相手が風俗通いしていたことを知って別れたと聞きました。

 美帆が処女ではないことは初めから覚悟していたのです。私のようなもてない男とは違い、美帆のような美人に恋人がいてもおかしくはありません。
 また、付き合ったのが3人だけというのがある意味ほっとさせられたのです。
 美帆も何の考えもなしに付き合ったわけではないと。そして、私を選んだのも、過去の彼氏のような浮気癖がなく、また彼女に言い寄ってくるようなちゃらちゃらした遊び人ではないからということでした。

 しかし、「あんな子とバージンロードを歩いただなんて」というのはどういうことでしょう。
鼻で笑うような感じで冷たく言い放っていましたが、私が以前会った時にはそんなことを言うような感じの人ではありませんでした。
 ともかく、私にはもう何もあてがなく、松本さんのアドバイスに従い、美帆には悪いと思いながらも、美帆の荷物を確認してみることにしたのです。

 そして、私はかれこれ一時間ほど荷物を物色していました。
 そうすると、美帆の化粧品が詰まった箱から単行本くらいが入りそうな小さな段ボール箱が出てきたのです。
 私はガムテープを丁寧にはぎ取り、中をおそるおそる見てみました。

 まず最初に目に飛び込んできたのは、美帆の中学時代と思われる写真です。
 体育祭なのでしょうか、友達と並んで非常に楽しそうに笑い、ピースをしてポーズをとっています。この頃はまだ美人というよりは「かわいい」という言葉の方が似合います。
 しかし、色白の肌、白く健康的に光る歯、きれいに左右に二つに結われた黒髪、そして中学生にしては豊満なバスト……さぞかしもてたことでしょう。
 体操服からブラジャーが透けて見えるような気もしますが、そうではなくとも男心をくすぐるような容姿です。

 私は一枚一枚写真を丁寧に見ていきました。
 美帆が昔飼っていたペットと写した写真、高校の入学式と思われる写真、学校祭でふざけあっている様子がうかがえる写真、サークルの歓迎会の写真、ゼミの合宿の写真……。

 なーんだ、普通の写真ばかりじゃないか。

 そう思っていました。
 最後の写真を見終わった後、私はなんだか疲れたような気がして、箱をポンと放り投げました。
その時です……バサバサバサと音を立てて、何かが散らばるような音がしたのです。
 思わず箱を放り投げた方を見てみると、ボール紙が一枚、そして無数の写真が散らばっていました。
 ボール紙を手にし、箱の中にあてて見ると、なんとぴったり隙間なくはまるではありませんか。
 つまり、底上げされていて、さらにその下に写真が隠されていたのです。

 私は何だか恐怖感のようなものをおぼえながらも、裏返しに散らばった写真を一枚見てみました。そして、全身に電撃を受けたかのようなショックを受けたのです。

 なんだ、これは?

 それは記念写真のような写真でした。ポラロイド写真のせいか、少し写りが悪いようです。
 もちろん美帆も写っています。しかし、明らかにおかしな写真なのです。
 なんと、たくさんの男が服を着て写っているのに、その中で前列の中央にいる美帆だけが裸で写っているのです。

 私は何とも言えない気持ちになり、心臓が激しく脈打つのを感じながら、他の写真も見てみました。

 全裸で脚をM字に開脚している写真、男に横から乳首を指で突かれて笑っている写真、美帆が男のモノを握り男が喜んでいる写真……。
 何でしょう、これは。次々とショッキングな写真が見つかります。
しかし、その写真は大学生時代のものばかりではないようです。容姿からして、高校生、中学生時代のものもありました。

 高校の修学旅行で泊まったホテルでしょうか。ベットの上に、美帆と男が並んで写っています。
男は美帆の浴衣の隙間から手を突っ込んで得意げな顔をしています。美帆もまんざらではなさそうです。
 どこかの家ででも撮ったのでしょうか。すっぽんぽんで右腕と左足を上げて、まるでモデルのようにポーズをとっている写真もあります。
髪型や体型からして、最初に見た写真と同じ……ということは中学生の頃の写真なのでしょうか。

 私は自分の心臓の鼓動で今にも皮膚が突き破られそうになるような痛みを感じました。
そして、冷や汗のようなものをかきながらも、頭や顔全体がカーっと熱くなるのをも感じたのです。

 私はどうしていいものかとしばらくの間悩みました。
 そして、恥をしのんで、松本さんにもう一度電話してみることにしたのです。
松本さんは相当面倒くさそうな感じでしたが、事情を話し、なんとか頼み込んで、詳しく話を聞かせてもらうことにしたのです。

 松本さんは呆れたような口調でゆっくり話し始めました……。
 「ショック死しないでね」という条件付きで……。


 あの子、昔からそうなのよ。そう、中学校の時からそうだった。
 好きな男の子のというよりは男の子全体の気を引くために、ノーブラで襟元も開けて登校してきて、前屈み気味に男の子に話しかけたり。
高校に入ったらもっとエスカレートして、わざと痴漢に狙われやすいような格好をしたり、男の子にいきなり胸をもまれても何も怒らないどころかはしゃいだり……。
 あの子、初体験の相手に冷たく捨てられたようなこと言っているけど実際は違うのよ。遊んでいたのはあの子の方。
学年で一番もてる先輩を落としてやるみたいなこと言って、色気と甘い言葉を使って誘い込んで、遊んだあげく捨てたのはあの子の方。
だから怖い女の先輩方にも目をつけられて酷い目に遭わされそうになったけど、結局それも色気を使って男の子たちの力を利用してなんとか免れていたしね。

 大学でだってそうでしょう?
 テニス部に出てこないからどうしたのかと思っていたら、あの子、何故か非公認の演劇部を作っているのよ。
しかも、入ろうとする人全員にオーディションをして、何故か入るのは男の子だけで、女の子はどんなに上手くても失格。変な噂も立つわよ。
 私も友達だっていうことで、興味本位で一回合宿に連れて行ってもらったけど、あまりにも酷くてすぐ帰ってきたわ。
だって、あの子、着いた途端裸になれって言い出すんだもの。
 合宿期間中の女の子の服装は裸だって。それで、夜まで我慢できた男の子にだけいいことさせてあげるって。
頭がおかしいんじゃないかって思ったわ。あの子は何のためらいもなく裸になっていたけど。

 私だって彼氏を何回盗られたか分からない。
 それでも友達のふりをしてきたのは、あの子にいつか復讐してやりたかったから。
それがもしかしたら今かなったのかもね……貴方には気の毒なことだけど。
 たぶん、あの子、その演劇部の同窓会にでも行ったんじゃないかしら。
 今頃、昔を思い出しながらとんでもないことしでかしているかもね。


 そう言って松本さんは電話を切りました。
 私はもう一度、あの記念写真のような写真をよく調べてみました。
そうすると……いたのです……この前会った、セールスマン風の男が。美帆のいう「男友達」が。

 私は絶望感と激しい怒りにさいなまれ、思わず寝室の床を思い切り叩きました。
 そんな私の姿を、写真の中の、中学時代の体操服姿の美帆が笑いながら見ています。
そんな美帆を見ながら、何故か私は美帆の裸をその写真に投射してしまうのです。

……………………………………………………………………………………………………………………

女性「そこでこちらに相談にいらしたということですね」
良介「はい」
女性「私は占い師であって、人生相談の専門家ではありません。ですが、せっかくいらして下さっ   たのですし、これからする占いのために確認しておきたいことがあります」
良介「はい、何でしょうか」
女性「貴方は奥様を愛していらっしゃいますか」
良介「はい、愛しています」
女性「では、奥様は貴方を愛していらっしゃいますか」
良介「……分かりません……」
女性「では、奥様は貴方のどこが好きなのだと思いますか」
良介「……分かりません……でも……こんなことがあったからかもしれませんけど……私が女性経   験がほとんどなくて、鈍感だからなのでしょうか……」
女性「なるほど……では次の質問をします」
良介「はい」
女性「貴方は奥様の昔の写真を見てしまった時、怒りや絶望感以外の感情は何も抱きませんでした   か」
良介「はい」
女性「本当ですか? 実は何か想像して興奮を覚えてしまうようなことは……」
良介「まさか! そんなことあるわけがありません!」

 そう否定はしてみたものの、私は何か心の奥底にあるものをえぐられるような気がしてなりませんでした。
 そして何故か想像してしまうのです。
 美帆がたくさんの男たちに触られ、揉まれ、吸われ、握らされ、飲まされ、ぶっかけられ、突っ込まれ、アンアン言わされている姿を。
 たくさんの男たちが笑いながら、美帆の体を順番に、美帆が休む暇なく堪能する様子を。
 そして、そんなことを想像し、すぐにそんな想像をかき消そうとしながらも、アソコを大きくしてしまう自分自身がいたのです。
 たまらなくなんとも言えない気持ちになりました。
 私は美帆に「たっぷり犯されて楽しんでこい」って言ったようなものじゃないですか。

女性「失礼いたしました。では、最後にもう一点だけ聞きます」
良介「はい」
女性「貴方は奥様を許せますか?」
良介「え?」
女性「奥様は貴方と出会う前に何人もの男性と関係をもったことでしょう。貴方が見た写真の中で   の奥様の痴態はほんの一部。まだまだ貴方の知らない奥様が存在しているのです。今、奥様   は貴方と結婚し、端から見れば平和にくらしています。しかし、その裏では、奥様の昔の痴   態を思い出しては悦に浸り、場合によっては貴方に対して嫉妬以上に優越感を抱いている人   もいるかもしれませんね」
良介「…………」
女性「貴方がこうして私のところに相談に来ているその間にも、奥様は昔の男たちとそれはそれは   淫らな宴を満喫しているかもしれません」
良介「そんな!」
女性「私個人の見解に過ぎませんが、男女の間に友情は成立しないと思います。特に思春期を過ぎ   た男女には……」
良介「う…………」
女性「現実から逃げるかどうかは自由です。しかし、奥様が既に何人もの男の味を味わっているの   は事実です。貴方のために握ったおにぎりも、何人もの男のモノを悦ばせてきた手で握られ   たのです。貴方が新婚の時に……いいえ、今もそうかもしれませんが、熱く交わしたキス    は、何人もの男の味を味わってきた唇や舌としてきたのです」
良介「もう、もうやめて下さい……辛くなります……」
女性「すみません、余計なことを話し過ぎましたね……ところで、奥様は今どこに……」
良介「…………」
女性「そうですか……では今は奥様を追いかけることはできない、全て『事が済んで』帰ってくる   奥様を待つことしかできないわけですね」
良介「………………私は明日、休日出勤がありますから………………」
女性「そうですか……では……占いましょう、貴方の悩みについて……」

 占い師の女性は意味ありげに微笑むと、タロットカードをシャッフルし始めました……。
 貴方なら………………
 貴方なら許せますか?

 自分の妻に「男友達」が多すぎることを………………

 (おわり) たくさんのご意見・ご感想をお待ちしております。 

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