妻と男の物語


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私の足元で…36

[Res: 2017] 私の足元で…36 わくわく 投稿日:2007/06/21 (木) 12:44
アパートの近くには、公園や緑地が多く、散歩をするにはお誂えの場所です。
ふたりは、コンビニに買い物に行ったと言っていますが、もしかしたら朝の散歩を楽しんできたのかも知れません。
それも、恋人の様に手をつなぎながら…。

3人で、布団を片付け、テーブルを置くスペースを作ります。
テーブルを出そうと、早紀と桜井の手が同時に伸びて、触れてしまったようです。
「あっ、ごめんなさい」
気のせいか、ふたりは他人じゃないような気がして…。
いや、気のせいじゃありませんね。
もう、身体を許しあった仲ですから。
それに、早紀は桜井に初めて逝く事を教えてもらったのですから…。

「ねえ、トマトジュースの他にオニギリとかサンドイッチ買ってきたけれど、食べない?」
「いや、良い…。
流石に食欲がない」
「じゃあ、私たちだけで食べるね」
「ああ」
「俺、これ食べたら帰るよ」
桜井です。
「折角だから、もっとゆっくりしてって下さい。
ねえ、早紀?」
「そうですね」
ふたりとも私に気取られないように、早く離れたいはずですが…。
「そうだ、早紀。
なにか料理を作ってあげたら?」
「料理?」
「ほら、得意の」
「ハンバーグ?」
「そう。
美味しいじゃない。
桜井さん、早紀、料理結構上手なんですよ。
特に、ハンバーグがお勧めです」

なんてバカなんでしょう。
自虐行為も良いところです。
寝取られた上に、彼女の手料理まで食べさせようとしているのです。
でもおかしなことに、そうすることをあまり嫌がっていない自分がいるんです。
逆に、ふたりを見ていると、癪に障ると言うか悔しいと言うか、そう言う気持ちよりドキドキ感の方が優っている気がして…。
少し前の私には、考えられなかったことです。
やはり、昨晩のふたりの睦み合う姿を見て、寝取られが目覚めてしまったのでしょうか。

「今日は、何か用事があるんですか?」
「別にないけれど…。
良いの?
嬉しいな、早紀ちゃんの手料理が食べられるなんて」
私は二日酔いで、流石に今すぐ食べたいとは思いません。
昼過ぎに買い物に行って、遅い昼食を摂ろうと言うことになりました。
「じゃあ、僕はそれに備えて一眠りして良いですか?
天気も良いし、ふたりでどこか歩いて来たらどうですか?
ねえ、早紀、桜井さんを案内してあげたら」
「う~ん」
ちょっと考えているようでしたが
「早紀ちゃん、良いの?
早紀ちゃんとデートが出来るなんて、幸せだなあ」
ふたりの間に何もなければ、ちょっとした冗談に聞こえたのでしょうが、その何かを知っているだけにふたりのとぼけた様子がおかしくって。

ふたりで話し合って、ちひろ美術館に行くことに決めたようです。
話し合ってと言うより、早紀の希望ですが。
桜井に、いわさきちひろの絵が理解できるとは思いません。
美術館は、アパートから歩いて30分ほどのところにあります。
早紀は、何度も足を運んでいるのですが、彼女の絵が大好きらしく何度見ても飽きないようです。

ふたりが出かけた後、私は布団を敷きました。
往復で1時間、30分~1時間掛けてゆっくり見てくれば、戻るのは1時間半か2時間後です。
その間は、ひとりきりです。
そう言う開放感もあって、私は横になると昨晩のことを思い浮かべながらオナニーをしてしまいました。
酔っていたはずなのに、色々なシーンを鮮明に覚えていて、それを思い浮かべては異様に興奮してあっという間に逝ってしまいました。
それも一度ならず2度も…。
部屋に匂いがこもったので、窓を開けて換気をして、身体を清拭しました。
昨晩、早紀が桜井にやっていた行為です。
早紀が来た時、銭湯が終わっていたり、行くのが面倒な時は、お互いの身体を濡れタオルで拭きあいました。
清拭と言う言葉を知ったのも、早紀のお陰です。
痕跡を残さず後片付けをして横になると間もなく、睡魔に襲われました。
そして私は、朧行く意識の中で、よからぬことを考えていました。

無理な話ですが、今晩もふたりを泊めて、交わう姿を見ることが出来ないものだろうか…。
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