妻と男の物語


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潜在意識11

[2323] 潜在意識11 未熟者 投稿日:2007/08/10 (金) 22:41
「おはようございます」
富士子が皆に挨拶して出社してきた。
昨晩のチャットでの会話を思い出す。
「昨日はあれからオナニーしたのかな?」
「欲求が溜まってるのならいつでも相手するのに」
山田は椅子に座っている富士子の後ろ姿を見つめながら
心の中でつぶやいた。
「○○出版社の大森です」
あちこちの電話で会話が聞こえる中、山田
の耳には富士子の声だけが鮮明に聞こえる。
午後から自費出版の依頼者宅に校正紙を届ける
ようだ。
富士子はプリントアウトされた校正紙を持って
大型のコピー機があるコピー室に向かった。
山田はデザイン室に行き、表紙デザインを持って
部屋に帰ってきた。
部屋の入口そばにあるコピー室で大森が悪戦苦闘
していた。
「どうしたんですか」
「用紙が詰まってしまって、取れないの」
機械部分の蓋が開けられたコピー機を覗き込んだ
まま富士子は答えた。
パンツスーツを履いた尻が山田の目の前にある。
背中にはブラウス越しにブラジャーの線も見える。
山田はパンティーのラインがくっきりと出ている
尻から目が離せなっかた。
「私が見てみましょうか」
「すみません」
富士子は屈めていた体を伸ばし、振り向いた。
目の前の富士子と目があった。
山田は許されるならこのまま抱きしめたいと
思った。
「あった、あった」
山田は機械の奥に詰まってるコピー用紙
を見つけた。
破れて残らないように慎重に引き抜く。
富士子は時おり山田の横にしゃがんで様子
を伺う。
腕を奥に差し込むため山田は体を横向き
にすると、富士子の顔が目の前にあった。
「大丈夫?取れそう?」
富士子が心配そうに声をかける。
「取れました」
山田は蛇腹のように縮れたコピー紙の破片
を引き抜いた。
「ありがとう、山田さん」
富士子は山田に礼を言った。
「でも、どうしてなんです?これって自費
出版の校正紙ですよね。コピーなんて取らなく
ても製作へ言えば何枚でも持ってきますよ」
「そうなんだけど、最初の原稿はこうして取って
おかないと手直しなどでデータが残らないでしょ」
「大森さんはいつもこうして残してるんですか」
「全部じゃないけど、大口のお客さんのはね」
「凄い量になるでしょ。どこに保存してるんです?」
「発行後1年だけ保存してるの。机の下のダンボール箱
に入れて、ある程度たまったら家に持ってかえって保管
してるのよ」
「凄いな。出来上がってからのクレームって多いですからね」
「そうなのよね。そんなときのために取っておけば役に
立つかもしれないから」
富士子は再びコピーをとり始めた。
「へー、この箱ですか。たくさん入ってますね」
取り終えたコピーを箱に入れようとしたとき
山田が富士子の机に来て、下にあるダンボールの
箱のを覗き込んだ。
「そろそろ持って帰らないと」
富士子は箱の重さを確認するように手で揺すった。
「これだ」山田は閃いた。
(つづく)
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