妻と男の物語


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背徳に溺れて⑧(完)

[2371] 背徳に溺れて⑧(完) 角笛 投稿日:2007/09/17 (月) 16:55
(8)
 東の空が白みかけてきていた。あれから何度交わり、何度フェラチオしたことだろう。
何度中出しされ、何度精液を呑み込んだのか、芙美子にも正確な回数はわからなかった。
秘裂から愛液と精液を滴らせ、口の中と口のまわりを精液に汚され、芙美子はベッドに横たわっていた。
髪は乱れ、目はトローンと焦点を失っていたが、頬は紅潮していた。疲れて弛緩していた身体からも
性に満足した艶やかなオーラが放たれていた。孝太郎に悪いと思う芙美子ではあったが、肉欲から逃れることは
できなかった。女の部分が男を求めていた。そこを宝力につけこまれた、と言えるのかもしれない。
ベッドの脇に目をやると宝力がそそくさと服を着ていた。たまっていたモノを最高の獲物に放出できて、
宝力の顔にも満ち足りた笑みが宿っていた。

 「奥さん、それでは私は帰りますけど、また、何かありましたらいつでも言ってください。昨日の晩、
いや、今日と言った方がいいのかな? いずれにしても最高でしたよ。ねっ? 奥さんも良かったでしょ?
中出しはとても感じるでしょう? 不倫、背徳といった感覚が後めたくて興奮するでしょう? ねっ?
また遊びましょうね? なんだったら、柏木くんの海外赴任を延長してもいいですからね」
と言うと、宝力はさっさと部屋を出て行った。しばらくすると玄関のドアが閉まる音がした。

 芙美子はベッドの上で宝力の最後の言葉を反芻していた。
孝太郎の海外赴任を延長……。そんなぁ……。
そんなことになったら、ますます……ますます……背徳の底なし沼から抜け出せなくなってしまうわ……。
快楽に溺れて……どうにかなってしまいそう……。
そんなことをボンヤリ考えながら、芙美子は宝力にもてあそばれた昨夜の出来事を想い起こしていた。
(The End of "Immoral Act for a Married Woman")
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