妻と男の物語


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ニンフのように(芙美子覚醒)②

[2540] ニンフのように(芙美子覚醒)② 角笛 投稿日:2007/11/25 (日) 19:06
 帰国した孝太郎を迎えに行き、芙美子たちはマンションに帰ってきた。
孝太郎と談笑しながらマンションのオートロックを解除しようとしたとき、芙美子は誰かに腕を掴まれた。
振り返って見たが見知らぬ男であった。腕を掴んでいるのは三十代半ばのスポーツ刈りの男で、
その横には二十代と見られる茶髪の男が立っていた。スポーツ刈りの男の手にはナイフが握られていた。
「そのまま鍵を開けて」
ナイフをちらつかせながら低い声で男は言った。
茶髪の男は芙美子から孝太郎を引き離し、肩から首に腕をまわしていた。
茶髪の男もナイフを持っていた。

 芙美子たちの部屋に上がりこむと、スポーツ刈りの男が口を開いた。
「わしらはちょっと追われててなあ。すまんけど、しばらくのあいだ匿って欲しいんや。悪いなあ」
ナイフを持った右手を振りながらスポーツ刈りの男は愛想笑いを浮かべていた。
「アニキ。冷蔵庫に缶ビールがありますが、呑みますか?」
孝太郎のために買って冷やしておいた缶ビールを、茶髪の男が見つけたようであった。
「おお、いただくとするか? お前も、呑み過ぎるなよ」

 男たちはビールを一口呑むと、同時に「プファー」と声を上げた。
「一息ついたところで訊くけど、あんたら結婚しているんか? 奥さん若くてべっぴんさんやなあ。
いくつや? いつ結婚したんや?」
とスポーツ刈りの男が訊いてきた。
「24歳です……。結婚してもうすぐ一年になります……」
と芙美子はしかたなく答えた。
「ほおー、まだ新婚さんやなあ。マンションの入り口ではえらいベタベタしとったけど、新婚やしか?
なんぞ他にも理由があるのんか?」
スポーツ刈りの男に問われて孝太郎が口を開いた。
「海外駐在から三ヶ月ぶりに一時帰国してきたんです」
「へえー、この美人の奥さんと三ヶ月も離ればなれやったんか? そらあキツイなあ。溜まっているやろ。
なあ、テツ。お前やったら我慢できるか? 三ヶ月、この美人と離れての生活やゾ!?」
スポーツ刈りの男は缶ビールを呑み干して、茶髪の男に問いかけた。
どうやら茶髪の男は「テツ」と呼ばれているようだ。
「ムリムリ。無理っスよ。三ヶ月も我慢できないっスよ」
テツが芙美子を、足先から顔まで舐めまわすように視線を這わせた。
「そうやろなあ。おまえは元々エッチ好きやもんなあ。わしもだいぶ溜まってるけど……」
「そうっスよねえ」
「そうか……。三ヶ月ぶりに美人妻の元に帰ってきて、旦那さんは今晩はエッチ三昧のはずやったんやなあ。
わしらが厄介になってスマンことやなあ。旦那さん、ほんま、すまんなあ。
そしたら、わしらはわしらにできる方法で感謝の意を表することにするか……。なあ、テツ?」
スポーツ刈りの男は孝太郎に向き直ると、
「旦那さん、悪いけどパンツ一丁になって、そっちの椅子に坐ってもらえるか? テツ、旦那さんを椅子に
縛り付けろや」
「諒解っスよ」
意味を察知したテツの瞳の奥がキラリと光った。
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  1. 2012/09/28(金) 06:36:20|
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