妻と男の物語


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ドルチェヴィータ⑤

[2980] ドルチェヴィータ⑤ 角笛 投稿日:2007/12/19 (水) 03:17
(5)
 「瓜生先生、今日からよろしくお願いいたします」
月・水・金の週に三日間、芙美子は瓜生センシュアルクリニックでアシスタントカウンセラーに就くことに
なっている。本日は月曜日。おとついに日本を発った孝太郎は、もういない。
「こちらこそ、よろしくお願いします。まずはロッカーで着替えていただけますか? アシスタントとして
柏木さんに着ていただく服はこちらになります。一応、これがスタンダードな衣装になりますが、業務上
特別治療の内容によってはいろいろな衣装にその都度着替えていただくことになります」
芙美子は瓜生から衣装を受け取った。女性看護士が着る白のナース服で、左の肩口から順にボタンを留める
細身タイプのものだった。ロールカラーのワンピースで、スカート丈がかなり短そうだ。
これだと膝上20センチぐらいではなかろうか?
 「スカートの丈がかなり短めで、超ミニになっているかと思います。患者さんの多くが勃起不全など、
刺激を必要とされるケースがほとんどなので、必然的に悩殺系のデザインにならざるをえないのです。
それと、メジャーを渡しておきますので身体の寸法をキッチリと測っておいていただけますか?
計測項目はこちらにリストアップされていますので……。他にも身体にピッタリフィットした衣装を
着ていただくことがありますので、そのための準備です」
芙美子はメジャーを受け取り、ロッカーへ向かった。

 芙美子はクリーム色のワンピースを脱ぐと、手短に各部の採寸を済ませてリストに書き込んだ。
続けてナース服のボタンを全て外して袖を通してみた。ボタンを留めると胸と腰が張り付いて少し窮屈だったが、
けっこう伸縮性の良さそうな生地だったので動きにくいということはなさそうだ。さらにバックベルトを絞って
ゆったり余裕のあったウエスト部分を引き締めると、マイクロミニのキュートなナースが出来上がった。
本当にスカート丈が短いので、ノンガーターストッキングがほとんど丸出し状態になりエロイ。

 「あのー、かなり恥ずかしいんですけど……」
着替えを終えて芙美子が診察室に戻ると、瓜生は机に向かってカルテに目を通しているところだった。
「ほおー! 死語かもしれないけど、セクシーダイナマイト! とってもキュートですよ」
瓜生は振り返って芙美子の姿を見ると、目を細めて感嘆の声を上げた。
「さて、準備が整ったところで、本日の患者さんについて確認しておきましょう。
柿沼豪造さん、62歳。約1年前から勃起不全でお悩みの患者さんです。
奥さん以外に若い愛人――というよりセックスフレンド――をお持ちの方なのですが、その愛人を前にしても
ここ一年ぐらいは勃起できていないということなのです。元々、奥さんに対して勃起できなくなったのを悩み、
愛人を囲ったということなので、年齢とマンネリからくる倦怠だと思うのですが……。
患者さんの希望は、もう一度男としての機能を取り戻したい、というものです。
柏木さんには、おそらく『カンタリス』の役を演じてもらうことになると思います」
「『カンタリス』? 何ですか?」
「ああ、すみません。カンタリス自体は、確かハンミョウ科か何かの昆虫だったと思うのですが、
私が言っています『カンタリス』は三山のぼるさんの漫画のことです。かなり昔の作品ですが。
魅力的な肢体を艶かしく見せつけて、男の機能を失って悩んでいる患者さんに元気を取り戻させる
女性セックスカウンセラーのことですよ」
「セックスカウンセラー? エッチなことをするのですか?」
「いやあ、飽くまでも『見せる』だけですよ。視覚に訴えるわけです」
「はっ、はあー。わたしに務まりますかしら?」
「まあ、そんなに難しく考えないでください。イヤなことはやらなくて結構ですから……。
でも、くれぐれも忘れないでくださいね。アシスタント業務は柏木さんの治療も兼ねているということを。
柏木さんが状況をどのように感じ、どのように反応され、どのように対処されるかを、私は観察しています」
「はい。わかりました」
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  1. 2012/10/30(火) 06:34:35|
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