妻と男の物語


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隣のおじさん4-2

[Res: 3585] Re: 隣のおじさん4 忠太郎 投稿日:2008/03/28 (金) 20:57
〔お別れ〕
パーティの翌日は、さすがに美幸も体中が疲労感でいっぱいだった。健太もいないので、昼近くにだるい体を起こした。全裸のまま浴室にいき、熱いシャワーを浴びた。それにしても、年寄り達の元気なことに昨夜は驚かされた。
タオルを巻いただけで、ぼやーっとしてリビングにいると、黒木から携帯に電話が入った。
「奥さん、黒木です、昨日はお世話になりました。いろいろと……」
始めから声がにやけている。美幸は、電話番号を教えたことを後悔したが仕方がない。
「あら、黒木さん、こちらこそ、どう~も、お世話様でした……」
「奥さん、こんど食事でもいかがですか。ぜひ、どうぞ、いつでも、今晩でも、奥さんの都合の良いときに、必ず………」
強引である。美幸は適当に返事をして電話を切った。この調子では毎日のように電話が来るかもしれない。

救急車のサイレンの音が聞こえてきた。隣のおじさんの家の前に停まった。急いで外に出てみるとお手伝いさんがいた。
「どうしたんですか?」
「なんか、金本さんが急に苦しみ出して、心臓かもしれないと思って救急車を呼んだんですけど、今は少し落ち着いたみたいで……」
おじさんは救急車には乗らなかった。救命士が診断をして落ち着いたようだった。美幸も心配で顔を出した。
「どうしたんですか? 大丈夫ですか、おじさん……」
おじさんは、ソファーに横になっていた。美幸の顔を見ると起き上がった。顔色も落ち着いたようだった。
「すみませんね、心配かけちゃって、大丈夫ですよ、もう」
「一度、病院にいって診てもらったほうが、いいですよ……」
「そうだね。そしたら、また見舞いに来てくれるかね?」
おじさんの顔がニコニコしてきた。
「いいわよ。おじさんが元気になるんなら、いってあげるわ」

次の日、おじさんは本当に入院することになった。
“無理をしたんだろうな、やっぱり。バイアグラを頼りにしても、基礎体力が問題なのでは”と美幸は思った。
優しい美幸は、入院した翌日に見舞いにいってあげた。おじさんは、またあの豪華な個室にいた。 美幸の顔を見たおじさんは笑ったが、顔色は優れない。点滴を受けている姿が痛々しい感じだった。
「お、奥さん、少し、無理しちゃったね………この前は」
「でも、早く元気になって、おじさんがいないと寂しいから……」
これは美幸の本心から出た言葉である。おじさんも嬉しそうに頷いた。
「奥さん、きょうは、パンツは……」
「穿いてないわよ……」
「ちょっと、だけ……」
「体に悪いから今日はダメ!」
子どもが叱られたような顔が寂しそうだった。美幸は少し心が痛んだ。
「ほんの少し……たのむよ……」
やっぱり頼まれると、美幸は弱かった。
「ほんとに、ちょっとだけよ」
ワンピースを捲くって、おじさんの顔の近くで見せてあげた。おじさんの手が伸びてきたが弱々しい。美幸はその手をつかんで自分の繁みに押付けてあげた。
「今日はここまでよ。また元気になったらね!」
これが、おじさんとのお別れとなった。
3日後に、おじさんが病院で亡くなったという知らせがあった。
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