妻と男の物語


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淫舞②

[3912] 淫舞② 角笛 投稿日:2008/05/18 (日) 16:59
(2)
 食事は済んだが、酒を呑みながら依然として談笑は続いていた。
芙美子も、久しぶりに賑やかで楽しい夜を楽しんでいた。
適度に酔いがまわり、心地よく体は火照っていた。
 話題が切れたところで、日本酒を手酌で呑んでいた桜庭が、あっ、そうだ、
と声を上げた。
「そうそう、お前らコヨーテダンスって知ってるか?」
 孝太郎も堤も、知らない、と首を振った。もちろん、芙美子も初めて聞く言葉だった。
「うちの会社はスポーツ&アミューズメントを取り扱っていると言ったと思うけど、
最近、エクササイズ施設等に展開しつつある主に女性向けのダンスのことなんだ」
「ふうん」
「『コヨーテ・アグリー』っていう映画の中で主役たちがバーカウンターを舞台にして
スタイリッシュでセクシーに腰を振って踊るシーンがあるんやけど、それ視たタイの人が、
これは当たる、と考えて『コヨーテダンス』のエッセンスを母国に持ち帰ったらしい」
「ほおー」
「それがスゴイのよ。ベリーダンスから品を取り除いてポピュラーにした感じなんやけど
かなりエッチな感じなんや。そやけどな、そのエッチなところが、女性が女性らしさを
意識することになるので良いらしい。女性を美しくするホルモンの分泌が良くなる
とのことや。今日も得意先を回っていたから、プレゼンに使ってるDVD持って来てる
けど、試しに視てみるか? 勉強になるかも。芙美子さんもいいですよね?
セクハラだなんて言わないでくださいよ。立派なエクササイズなんだから」

 エクササイズDVDを再生すると、単調だがノリのいいアップテンポの曲にのって
画面の袖から女性が6人現れてきた。日本人かアジア系か区別のつかない美人たちが
音楽に合わせて踊り始める。どの女性もプロポーションが抜群なのだが、それ以上に
その扇情的な衣装に目を奪われた。
 丈が極端に短い白のマイクロミニタンクトップと、大切な三角地帯を申し訳程度に隠す
股上の短い白のTバックスキャンティ。これらを身につけた女性たちが、腰を振りながら
全身を揺らすようにして、艶かしく踊っていた。タンクトップの下からは、オッパイが
こぼれ落ちそうな勢いで胸も揺れていた。とてもエロイ光景であった。
「タイのクラブとか、過激なところだと星型のニプレスを付けたダンサーたちは
タンクトップを脱いだりするらしい。それを手に持って、ブンブン振ったり、
口に咥えたりしながら踊るらしいで。"YouTube"でも配信されているわ」
 孝太郎も堤も、目を見開いて画面を食い入るように見つめていた。
芙美子も、女性たちが艶かしく踊る姿から目が話せないでいた。
酔って火照った体がますます熱くなってくるような気がした。
「この衣装でこの踊りだと、どうしても男性の目を意識するやろ? それがいいらしい。
女性が女性であることを自覚することで、ますます女の美しさが磨かれていくらしい。
もちろん、ダンスやからエクササイズしているわけで、その効果もあるしな……」
 かなり酔いがまわっているはずの桜庭は、かなり饒舌になっていた。
そして、芙美子に対してもかなり友好的に――悪く言えば、なれなれしく――なって
きていた。
「そうや、試供用に持ち歩いている衣装があるけど、芙美子さんも試しに踊ってみます?
クラシックバレエや高跳びやったはったんでしたら、体を動かすのは好きですやろ?」
「えっ? わたしが? 無理ですよ。恥ずかしいし、そもそも踊れませんもの」
「誰でも最初から何でもできませんよ。せっかくだからチャレンジしてみられたら
どうですか? 芙美子さんがさらに美しくなられたら、柏木も嬉しいでしょうしね。
なあ柏木、そうだろ?」
「うっうん、そうだなあ。でも、ちょっと過激だなあ。大丈夫かなあ?
フミちゃん、やってみる?」
「えっ? イヤン、あなたまで……。あんな風に……。やっぱり無理よ。恥ずかしいわ」
「まあまあ、そう言わんと。これに着替えてトライしてみてください。
きっとおもしろいから。ねっ? さあさあ、どうぞ」
 袋に入れられた新品の衣装を鞄から取り出すと、桜庭は芙美子に手渡しつつ、
奥の部屋へと押しやった。
「DVDの音楽と動きに合わせて踊ったらいいんですから、大丈夫。
初めてでも踊れますよ」
 芙美子は、最初は躊躇していたが、意を決して寝室に入っていった。

(続く)
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