妻と男の物語


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淫舞⑧(完)

[3952] 淫舞⑧(完) 角笛 投稿日:2008/05/24 (土) 23:14
(8)
 寝室には、汗と精液と愛液の入り混じった、甘酸っぱい匂いが漂っていた。
芙美子は、桜庭と堤のふたりを相手にさまざまなセックスを楽しんでいた。
最初は玩具にされていた芙美子ではあったが、徐々に主導権を握り始めると
逆に芙美子が彼らを玩具にしていると言ってよかった。
 桜庭も堤も、何十発もの精液を芙美子に搾り取られてかなり疲労していた。
芙美子の美貌が素晴らしく、妖しいフェロモンに欲望を誘発されるとは言っても
精力にだって限界がある。貫けない守備ラインはない、高速徹甲弾とまで言われた
ランニングバック桜庭のシンボルも、今はグッタリとして元気がなかった。
現在正常位で芙美子とセックス中の堤も――かつては奇跡の状況判断力を持つと言われた
クォーターバック堤も――意識が虚ろになってきており、状況を把握できるだけの余裕は
既になかった。ただ、芙美子に命じられるまま、腰を動かしているにすぎなかった。
「……堤さーん……。もっと激しく突いてェー……。あっ……」
「……芙美子さん……もう……限界……です……。勘弁……して……ください……」
「あーん、ダメェ……。もっと……。もっと欲しい……。あー、イイわぁー……」
 桜庭に続いて、堤もダウン寸前であった。残された精力を、最後の最後まで
芙美子に搾り取られてるといった状況であった。

(9)
 暖房がよく効いているので寒いことはなかったが、何かスカスカする感じがして
孝太郎は目を覚ました。頭がボンヤリしており、一瞬今の状況を理解することが
できなかったが、すぐに記憶を取り戻し始めた。時計を見ると明け方の5時であった。
 昨夜は堤と桜庭を招待して鍋料理で宴会をしていたはずであった。
だが、いまは周りに誰もいない。芙美子も堤も桜庭も、誰もいない。
食事を終えたあとも酒を呑みながら談笑し、楽しい時間を過ごしていた気がするが、
いったいどうしたのだろう? そうだ、眠ってしまったのだ。
では、何故眠ってしまったのだろう?
孝太郎は記憶の糸を手繰り寄せて思い出そうとしていた。
そうそう、確か、桜庭がコヨーテダンスがどうとか言っていたような気がする。
エクササイズDVDと衣装があるからと言って、芙美子に勧めていたはずだ。
芙美子は衣装を持って寝室へ着替えに行ったような気がする……。
孝太郎は眠りに落ちる寸前の記憶をほぼ取り戻し、ハッとなって辺りを見まわした。
 床には白のタンクトップとショーツらしきものが落ちていた。
タンクトップはかなり丈の短いものだった。この丈だとオッパイは半分も隠れないだろう。
ショーツは布地面積の小さいTバック形状で、かなりきわどいデザインようであった。
これを芙美子が着ていたのか? 孝太郎はさまざまなことを想像し始めていた。
着替えたはずの衣装が脱いである。ということは、芙美子は、いま、いったい……。
 孝太郎は、さらに辺りを詳しく観察して、床に点々と白い粘液が落ちているのを
確認した。顔を近づけて、念のため匂いを確認すると予想どおりの結果であった。
「ザーメンだ。これは精液だ……。やはり、芙美子は……」
 孝太郎は自分に言いきかせるように小さく呟いた。

「ダメェ、もっとー」
 という声が寝室の方から聞こえてきた。孝太郎は、やはりそういうことか、
と思いながら静かな足取りで廊下に出た。寝室のドアの前に辿り着いたとき、
「もう、ダメよ……。もっと……。もっと、エッチしましょう……」
 という芙美子の声をハッキリ聞いた。芙美子の淫乱にも困ったものだ。
そんなことを考えながら、孝太郎はゆっくりと寝室のドアを開けた。
「芙美子!」

「あっ、あなた……。ごめんなさい……。堤さんと桜庭さんが……」
 芙美子は桜庭の上で、桜庭のイチモツを掴んで膣に挿入しようとしていた。
しかし、桜庭は肉棒と同じように全身グッタリとして元気がなく、
挿入はうまくいっていない様子であった。壁を背にして坐っている堤も元気がなかった。
「あなた、ダメなの……。桜庭さんも堤さんも元気がなくて……。
ふたりとも相手をしてくれなくなったの……。あなた……」
 芙美子が孝太郎に話しかけているのを聞き、堤と桜庭は孝太郎の存在に気がついた
ようであった。ふたりとも体はグッタリしたままだったが、狼狽した表情で口を開いた。
「柏木、スマン。これにはいろいろと理由があって…………。とにかくスマン……」
「勘弁してや、柏木。成り行きとはいえ、奥さんにエッチなことしてしもた。
ほんまに勘弁してや……」
 堤と桜庭の咄嗟の言い訳を聞きながら、孝太郎はおもむろに口を開いた。
「わかってるって。だいたいのところは想像できる……。芙美子のことは私がいちばん
知っているんだから……。芙美子の性欲についていけなかったんだろ?」
 堤と桜庭は互いに顔を見合わせてから、もういちど孝太郎の方に向いた。
孝太郎はさらに言葉を続けた。
「芙美子にはニンフォマニアの顔があるんだよ。いったんエッチのスイッチが入って
しまうと、とことん満足するまでセックスを求め始めるんだよ。官能の限りを尽くして
快楽を得ようと底無しに要求してくるんだ。男のエキスの最後の一滴を搾り尽くすまで」
 堤と桜庭はもういちど互いに顔を見合わせて、驚いた表情を示した。
孝太郎が説明を続ける。
「お前たちも、とことん搾り取られたんだろ? どうだった? 気持ち良かったか?」
 堤も桜庭も首を縦に振るのがやっとで、声はほとんど聞こえてこなかった。
芙美子はあいかわらず桜庭のチ○ポを勃起させようとしていたが、手でさすっても
口に含んでもいっこうに硬くならない男根に見切りをつけて孝太郎に向き直った。
「あなた……。エッチしましょ……。芙美子とセックスしましょう……」
「ああ、いいよ。エッチしよう……。おいで……」
 孝太郎はそう言うと服を脱ぎ始めた。

(エピローグ)
 堤と桜庭とさんざんセックスを楽しみ、それなりに性欲を満足させたあとの芙美子を
相手にするのは、孝太郎にとって幸いであった。比較的、飽くまでも比較的ではあるが、
ちょっとは満足を得たあとのニンフォマニアの扱いはいつもより楽であったのだ。
 しかし、芙美子の男を惑わす力には驚かされる。孝太郎は芙美子の妖艶な美貌について
あらためて考えた。もともと美しい芙美子であったが、結婚してエッチを重ねるうちに
どんどん艶やかさが増していった。男を誘うフェロモンを無意識に放っている芙美子は
いったんスイッチが入るととことん淫らな女に変身した。
孝太郎はそれがうれしくもあり、恐ろしくもあった。
 芙美子のフェロモンは、男が100人いたら105人を勃起させる力がある。
ならば、その特性を利用して彼女の性欲の一部を解消しながら、自分とのエッチも
楽しんでいくようにすれば、少しはニンフォマニアにも対抗できるかもしれない。
孝太郎はそんなことを考えながら、彼の横で今は天使のように眠っている芙美子の
かわいい寝顔を眺めていた。

(完)<The End of "A Voluptuous Coyote Dancer">
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