妻と男の物語


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芙美子という名の女優(1) 

[4173] 芙美子という名の女優(1) 角笛 投稿日:2008/06/29 (日) 17:39
"An Actress by The Name of Fumiko"

(プロローグ)
 柏木孝太郎の許に桜庭大介から連絡が入ったのは、桜庭と堤和也の訪問
(拙作:#10「淫舞」参照)を受けてから10日後のことだった。
ぜひとも相談したいことがある、ということで、その日の夜仕事が終わったあとに
駅前の喫茶店で会うことになった。
「このあいだはありがとう。とても楽しいひとときを過ごさせてもらったわ。
奥さんにもよろしくな」
「いやいや、こちらこそ、来てくれて楽しかったよ」
「ところで、今日呼びたてたのは、折り入っておまえに相談したいことがあるんや。
厳密には、おまえの奥さんにお願いしたいことがあるんやけどなぁ」
「芙美子に?」
「ああ、そうや。うちの会社が運営するスポーツジムが新たにオープンするんやけど、
そのキャンペーン・スタッフをお願いできひんかなあ、と思って。
そんなに難しいことはあらへん。イベント・コンパニオンみたいなもんや。
ほら、おまえの奥さん、美人でスタイルいいやろ? モデル以上にカッコイイやん。
ジムの宣伝に一役買ってもらえへんかなあ」
「芙美子が? そんなことできるかなあ?」
「けっこう大勢のスタッフを募集しているんやけど、なかなか集まらへんのや。
面接だけでも受けてもらってくれへんか。頼むわ。このとおり……」
 桜庭に手を合わせて懇願され、孝太郎は断ることができずしぶしぶ引き受けること
になった。面接会場となるプロダクションの名刺を渡され、孝太郎は帰宅した。

(1)
「フミちゃん、このあいだうちに来てくれた桜庭に頼まれたんだけどさあ。
フミちゃんに力を貸してほしいようなんだ。協力してやってくれないか?」
 孝太郎から手短に内容を説明された芙美子は、最初は少し躊躇するそぶりを見せたが
事情を考慮し、結局引き受けることになった。
「これが行き先らしい。プロダクションのようだ」
 名刺には、フェアリリー・プロダクション代表取締役社長、萩原充とあった。
「すまないけど、明日にでも行ってみてくれるかい」
「わかったわ。あなたと桜庭さんの頼みとあっては、しかたないわね……」

 次の日の午後、芙美子は面接のためプロダクションへと向かった。
名刺によると駅前の第一ビルに事務所を構えているとなっていた。
「どうやらこのビルのようね。フェアリー、フェアリー……。あっ、ここかしら?」
エレベーターで4階に上がり、廊下の突き当たりへまで進むと事務所があった。
ベルを押すと40歳前後の男が出てきた。
「あのう、こちらはフェアリーさんでしょうか?」
「ええ、フェアリイランドですよ。あなたは?」
「『桜庭さん』に紹介されて面接に伺いました柏木芙美子と申します」
「ああ、『桜田社長』の紹介の……、ハイハイ諒解です。どうぞうどうぞ、
中へ入ってください。むさ苦しいところですが、さあ、どうぞ、どうぞ」
「……失礼します……」
 芙美子は男に促されて部屋の中へ入った。
「申し送れましたが、私、フェアリーランドの津川正義と申します。
現場を取り仕切っています。ええと……」
「柏木芙美子です」
「ああ、フミコさんですね。フミコさんはどういう字を書くのですか?
ああ、そうですか。『芙美子』さんと書くんですね。諒解です。少しお待ちください。
すぐにパートナーを呼びますので……」
 そう言うと津川と名乗った男は電話を掛け始めた。その際に、部屋の中にいた
もうひとりの男がカメラ担当であることを説明された。
「自分はカメラ担当の加瀬と言います。よろしく」
 20歳代半ばに見える加瀬の手短かな挨拶に芙美子は会釈を返した。

「パートナーはすぐにやって来ますから、しばらくお待ちください。
とりあえず、住所や名前など、こちらの用紙に書き込んでいただけますか?
項目ごとに空欄を埋めるように書き込んでいってください。これが契約書になります。
なあに、形を整えるだけのものですよ。書けたら、引き続き面接を始めましょう」
 芙美子は言われるままに、渡された用紙の空欄を埋めいった。

(2)
「カメラがまわっていますが、気にしないでください。それでは面接を始めます。
まずは名前と年齢をお願いします」
 ソファーに坐らされた芙美子の正面にはカメラを構えた加瀬が、その隣には津川が
席をとり、面接は開始された。
「柏木芙美子、年齢は25歳。3月が来たら26歳になります」
「身長とスリーサイズをお願いします」
「えっ?」
「お願いします。身長とスリーサイズを」
 芙美子は少し面食らったが、気を取り直して津川の質問に答えた。
「身長は168センチ、スリーサイズは上から91、56、89です」
「おおっー、そうですか。なかなか、素晴らしいプロポーションですね。
服の上からでもなんとなくわかっていましたが……。そうですか、ふうーん。
胸が大きそうですけど、ブラジャーは何カップのものを着けておられますか?」
「えっ? そんなことも言うのですか?」
「お願いします。大事なことですので……。すみません」
「……普段着けているブラのサイズは、『70F』です……」
 芙美子は恥ずかしそうに俯きながら答えた。
「ほおー、Fカップですか。ふうーん、なるほど。セーターの上からでも大きいのが
よくわかります。ところで、芙美子さんは結婚されていますよね。
いつ結婚されましたか?」
「24歳のときに結婚しました。今度の5月でちょうど2年になります」
 芙美子は左手の薬指に光る結婚指輪にチラリと視線を落とし、答えた。
「じゃあ、まだまだ新婚さんのうちですね。性感帯はどこですか? 好きな体位は?」
「えっ? そんなこと……。言えません……」
「まあまあ、そうおっしゃらずに……。その初々しい感じがイイですねェ。
ポイント高いですよ」
 そのとき、入り口のドアが開き、男が入ってきた。
「チワーッス。監督さん、いはりますか?」
「おおっー、後藤ちゃん、こっちこっち。ご苦労さん」
 津川が手招きをすると、後藤と呼ばれた男がこちらへとやって来た。
身長180センチ前後のガッチリした体形の男だった。年齢は30歳前後に見える。
「こちらが本日奥さんのパートナーを務める後藤くんです。こちらは面接に来られた
柏木芙美子さん。25歳の人妻さん」
 芙美子は後藤と挨拶をかわした。
「さあ、それじゃあメンバーが揃ったということで、場所を移そうか。
さあ、奥さん、あちらの部屋へどうぞ」
 津川に誘導されて、芙美子は奥の部屋へと入って行った。

(3)
 奥の部屋にはベッドがふたつあった。ひとつは淡いピンク色のシーツが張られた
ベッドで、もうひとつの方はブルーのビニールシートが張られていた。
ベッドの周りには、既に撮影機材がスタンバイさせてあった。
「……あのぉー……これは……どういうことでしょうか?」
 芙美子が怪訝な表情で津川に訊くと、
「心配なさらないでください。こちらで、面接・オーディション・撮影、だいたいの
ことをやってしまうんですよ」
「……はぁ……、そうなんですか?」
「ええ、大丈夫ですよ。それではね、奥さんにはリラックスしていただいてから
オーディションに入りたいので、まずはこちらに着替えていただけますか?
奥さんのプロポーションも確認させていただきながら、同時に『癒し』を体験して
いただきたいので……。あちらに更衣室がありますので、さあ、どうぞ」
 芙美子は津川から、薄い紙のような生地でできたタンクトップとショーツを
手渡され、更衣室へと案内された。
「えっ? これに着替えるんですか?」
「そうですよ。服を着たままでは奥さんのナイスバディがよくわからないですし、
リラクゼーション・マッサージを体験していただくこともできませんので。
部屋は暖かくしているので、1月ですけどむしろ暑いぐらいでしょ? さあ、どうぞ」
 津川に強引に押し込まれるようにして、芙美子は更衣室に入った。

 手渡された衣装をよく見ると、上下ともにオブラートのような半透明の生地で
できていた。タンクトップは丈が少し短めのようで、ショーツは股上をしっかりとった
オーソドックスな形のものだった。芙美子はまず、白のハイネックセーターを脱いだ。
続いてベージュのベルベットスカートを脱ぐと、丁寧に畳んでハンガーにかけた。
さらに、ベージュのノンガーターストッキングを片足ずつ脱ぎ、防寒用に着ていた
薄いピンクのアンダーシャツを脱ぐと、淡いピンク色の下着のみとなった。
Fカップのオッパイを支える3/4カップブラは、縁の部分にに可愛らしいフリルが
あしらわれており、ショーツの縁にも同様のフリルがあしらわれたいた。
ショーツのセンター、臍の下の部分には小さな赤いリボンが飾られており、
クロッチ部分以外は透ける生地でセクシーさも表現されていた。
 芙美子は、ブラジャー、ショーツの順に脱ぐと、全裸の上に先ほど手渡された下着を
まとった。胸と腰が充実している芙美子が着用すると、薄い紙製の下着は張りつめて
いまにも破れそうであった。

「……あのう……、ちょっと恥ずかしいんですけど……」
「おおっ、やっぱりナイスバディだ! さあ、こちらにどうぞ」
「奥さん、エエ体してはるわ。ええよ。とってもええよ」
 津川と後藤に賞賛された芙美子は、モジモジしたままブルーシートの張られたベッド
へと導かれた。何故か後藤は服を脱いで、ビキニパンツ一丁の姿になっていた。
「そんじゃあねえ、奥さんはこちらにうつ伏せに寝てくれますか。後藤くんの
ローションマッサージを受けてリラックスしてください。後藤くんのマッサージは
なかなかたいしたもんなんですよ。気持ちイイですから」
「やっぱりなんか、恥ずかしいですわ。これ、ちょっと透けているでしょ?」
「大丈夫ですよ。さあ、後藤くん、よろしく。さあ、奥さん、ローションですよ」
 うつ伏せに眠る芙美子の背中の上に津川がローションをたっぷりかけた。
後藤がそのローションを両手で体全体に延ばしながら、背中、腰、尻、太腿などを
巧みにマッサージし始めた。
「……あっ……」
「どうです、奥さん。揉んで欲しいとこがあったら言ってくださいよ。
奥さんエエ体してはるから、マッサージのしがいがありますわ」
 ローションを塗られてから5分も立たないうちに、芙美子は体の芯が
とても熱くなってきていることに気付いた。官能の中枢をくすぐられるような、
なんとも言えない感覚である。いつもエッチのスイッチが入ってしまう、あの危うい
感覚であった。ダメッ、熱い。思わず声が漏れる。
「……ああっ……ダメェ……」
「奥さん、だんだんエエ声が出てきましたなあ。リラックスできてきた証拠ですわ。
ねえ、監督?」
「そうだねえ。あっ、そうそう、言ってなかったかもしれませんが、ローションの中に
特別な媚薬を少し混ぜてあるので、けっこう興奮されると思いますよ」
 そんなこと、全然言ってなかったじゃない、と心の中で芙美子は文句を言いながら
言いようのない快感に、次第に身も心も支配されつつあった。

「さあ、奥さん、そろそろ仰向けになってください」
 津川はそう言うと芙美子の体をクルリとひっくり返し、体の前面にもローションを
たっぷりかけ始めた。仰向けになって、視線を体の方に向けて芙美子は気付いたが、
ローションのかかったところの下着が溶けてなくなっていた。どうやら簡単に溶けて
しまう生地でできているようだった。オブラートのような素材であると感じていたが、
案外、オブラートそのものだったのかもしれない。
 体全体にローションを塗りたくられて、芙美子はほとんど全裸といってよかった。
後藤が左右のオッパイを下から上に揉み上げたり、胸を鷲づかみにして揉んだり、
乳輪を指先でこねくりまわしたりする快感に堪えながら、芙美子が横に視線を這わすと
津川が服を脱いでパンツ一枚になろうとしている姿が目に入った。
もう、いったいどういうことよ、と不満を漏らす代わりに、
「……あっ……ああっ……アン……」
 という悦びの声が漏れた。後藤の手がウエストから腰の充実した肉塊へと移り、
その大きな手でマッサージされると、確かに気持ちよくウットリさせられた。
下腹部に手が這ったときには、その次に続くであろう期待に胸がふくらみ、
陰唇へと手が移動した際には思わず体がビクンと反応してしまった。
「……ああっ、ダメェ。……イヤッ……、気持ちいイイ」
「中の方も大事にマッサージさせてもらいますでェ」
 後藤の中指が陰唇を割り、アソコの中にズブリと挿入された。
「……ああっー……」

(続く)"An Actress by The Name of Fumiko"

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