妻と男の物語


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芙美子という名の女優(2)<完>

[4175] 芙美子という名の女優(2)<完> 角笛 投稿日:2008/06/29 (日) 17:44
(4)
 後藤に嬲られて(マッサージされて)いる芙美子は、平静と官能の狭間をフラフラと
彷徨っていた。貞淑と肉欲、清楚と淫乱の境界上をウロウロしている感じだった。
そのとき、頭の中で声がした。以前に聞いたことのある、艶かしい声であった。
――フェリス、聞こえるか? 俺が誰だかわかるか? わかるよな?――
――えっ? あなたは……ディーン?――
――いかにも、我が名はディーン。おまえのインキュバスだ――
 その声は確かにインキュバス・ディーンであった。結婚直前の芙美子が、夢の中で
さんざん弄ばれた夢魔の声であった。(拙作:#12「淫夢」参照)
――さあ、肉欲の扉を開けて、官能の虜になれ! 芙美子からフェリスに変われ!――
――ダメよ。これ以上肉欲に溺れるわけには……いかないわ……――
――何を言う。フェリスも立派なおまえの人格だ。さあ、呼び起こせ、官能を!――
――ああっ、そんな……ダメェ……我慢できない……イヤッ……ウフン……――
 その瞬間、芙美子の瞳からは貞淑な光が消え、艶やかに濡れを帯びた。
半開きの唇から、熱く、甘い吐息が漏れる。
――もっと……もっと欲しい……エッチなわたし……もっと……欲しい……――

(5)
「……ウフン……気持ち……イイわ……」
「気持ちエエか、奥さん。さあ、どこがスイッチかな? ここかな? それとも……」
 フェリスモード(淫乱モード)のスイッチが入ってしまった芙美子が嬌声を漏らすと
それに呼応するように、後藤が答えた。芙美子の膣の中に挿入した指で蜜壺の中を
探索していた。快感のツボ・スイッチを探っていたのだ。
「あっ、ダメェー、イヤぁー」
 後藤にGスポットを探り当てられた芙美子は、大量の潮を吹いた。

「奥さん、素晴らしいですよ。これはいい撮影になりますよ。さあ、私らのチンポを
しゃぶっていただけますか?」
 全裸の津川と後藤に挟まれるように、体中ローションまみれとなった芙美子は
ベッドの上に坐らされた。目はトローンとしていた。
仁王立ちしている津川と後藤のイチモツを交替でフェラチオすると、ふたりの肉棒は
あっというまに完全勃起状態となった。後藤のモノは赤黒くテラテラ光って巨大に
そそり立っていた。津川のモノも、後藤ほどではないもののかなり大きかった。
特に、カリの部分が太かった。
「……あーん、おかしくなっちゃう……。早く……、早く欲しい……。お願い……」
「ほんじゃあ、監督、先にオメコをいただきますわ」
 そう言うと、後藤は芙美子の上に被さり、正常位で挿入した。
巨大な亀頭が膣口を押し広げ、子宮に届かん勢いでブチ込まれた。
「ああっ、スゴイ……」
「おおっ、よう締まるなあ、奥さん。エエ塩梅やでェ」
 しばらくピストン運動をしたあと、後藤は芙美子の手を自分の首にからませて
抱きかかえると、騎乗位に移行した。
「さあ、奥さん、好きなようにグラインドしてや」
「……ええっ……気持ちイイわ……ああっ……ウフン……」
 芙美子がアヘアヘ言いながら前後左右に腰を振ると、すぐに後藤が悲鳴を上げた。
「アカン、アカン、奥さん。ちょっと止まって。奥さん、ものすごう締まるなあ。
アカン、動いたら……。出てしまう……。ちょっと待って……」
「おいおい、後藤ちゃん、どうしたんや。AV男優が素人さんにイカされてたら
商売上がったりやでェ」
「そんなん言うても監督、ものすごう締まるんやでェ。キュッ、キュッ、というより、
ギュッ、ギュッ、という感じ? ザラつき具合も最高なんや」
 しばらく停止していた芙美子は、
「……イヤぁーん、もう我慢できなーい……」
 と言うと、再び腰を激しく振り始めた。
「あー、アカン、アカン……、それ以上……、ウッ……」
「イクッー……、イクッー……。アッハーン……」
 後藤がグッタリした。芙美子も背中を仰け反らせた。
「……この道長いけど、初めて素人さんにイカされてしもた……」
 と後藤が呟いた。
「津川さん、エッチしましょ……」
 傍らで状況を観察していた津川の屹立する男根へ向かって、芙美子が動き出した。
後藤の元気を失いフニャッとなったイチモツを抜くと、膣口からトローリと精液が
垂れ落ちてきた。やや黄色みを帯びた白色の、かなり濃いめのやつが、時間をかけて
ゆっくりと滴り落ちてきた。
「あーん、中に出されちゃった……。ウフン……。津川さーん、セックスしましょ」
 芙美子は、津川のモノの太い亀頭部分をカプッと咥え込んだ。
フェリスとなって暴走し出した芙美子を止める術はない。

(6)
 芙美子は、後藤と津川を相手に何度も何度も交じりあった。最初は嬲られて始まった
セックスであったが、途中からはフェリスと化した芙美子が主導権を握っていた。
ふたりの精液を、膣の中や口の中に受け止め、ときには体にかけられながら、
ザーメンにまみれて芙美子はご満悦であった。
 カメラを担当していた加瀬は、その様子に畏怖の念を抱き、極力、第三者的立場を
装い撮影に徹した。その効果があったのか、加瀬は芙美子の餌食にならなかった。

 淡いピンクのシーツが張られた方のベッド――淡いピンクのシーツは、濡れた部分の
色が変わってわかり易いので、よく用いられる。実際、今回はそのほとんどのエリアが
ぐっしょり濡れて色が変わっていた――に仰向けに横たわっていた芙美子が
起き上がろうとしたとき、事務所の入り口ドアの開く音がした。

「遅れてすみませーん。『桜田社長』からの連絡にミスがあったので遅れました。
津川監督はいらっしゃいますか? 奥の部屋?」
 毛皮(フェイクか?)のハーフコートを羽織った若い女が部屋に入って来た。
栗色の髪で年は20代半ばぐらい、少しケバイ感じだがなかなかの美人だった。
「あれェ、撮影中でした?」
「君は?」
「桜田プロの『桜田社長』の紹介で来ました、栗原美玖でーす」
「えっ? 君が『桜田社長』からの紹介? 何か手違いがあったんじゃない?
この女性、柏木芙美子さんが来てくれて、もう撮影は終わったよ」
「ええっー、ウソッー。わたしですよぉー」
「そんなばかな。奥さん、芙美子さん。あなたは桜田プロの『桜田社長』の紹介で
来てくれた方ですよねェ?」
「えっ? 『桜田社長』?」
 芙美子は快楽を堪能して朦朧とする意識から現実に引き戻された。
「……わたしは主人の友人である『桜庭さん』の紹介でこちらに伺ったのですよ。
駅前の第一ビルにある『フェアリリー・プロダクション』で面接を受けるように、と」
「えっ? 『桜庭さん』? 『フェアリリー』?」
「ええ、そうですわ。『フェアリリー・プロダクション』」
「『フェアリリー・プロ(Fair Lily Production/美百合プロ)』は6階ですよ。
ここは4階。うちは『フェアリイランド社(Fairyland Co.Ltd)』です」
「えっ、ほんとうに?」
 芙美子は立ち上がってセカンドバッグを取りに行った。孝太郎に渡された名刺を
よく見ると、確かにフェアリリー・プロダクションは6階となっていた。
「そんなあー、間違って訪問していたなんて……」
「まいったなあ、こりゃあ」
 津川が頭を掻きながら呆然とした。
「ねえ、どういうことなんです? 美玖でAV撮ってくれるんでしょ?」
 気を取り直して津川が口を開いた。
「えーっと、栗原さんでしたっけ? 今回の撮影は、もう終了しました。手違いでは
ありましたが、こちらの女性で無事に撮り終えましたので、今日のところはこのまま
お帰りください。桜田社長には、私の方から連絡を入れておきます」
 栗原美玖は、えー、とか、お金が要るのに、とか、予定が狂った、とかボヤいて
いたが、加瀬が丁重に執り成して退散させた。

 津川が芙美子に向き直って話し始めた。
「あらためまして、私はフェアリイランド社の津川正義と申します。フェアリイランド
では主にアダルトビデオを撮っています。彼はAV男優の後藤くんです。
そうですか……。間違いでしたか……。どうりで……。
あなたのように清楚で美しい人妻が……、おかしいとは思ったのですが……。
まあ、いまさら後悔しても仕方ありません。契約書もこのようにキチンと
交わしていることですから、今日撮影したAVは予定通り販売させていただきます」
「えっ? そんな、困ります……」
「間違いがあったとはいえ、こちらも仕事ですから……。予定どおりスケジュールを
こなさないと会社が立ち行かなくなるのですよ。そこのところを、
どうかご理解ください。心配なさらずとも、このAVは人妻企画ものですので、
奥さんのご要望があれば目隠し線を入れるなどの処置はとらせていただきます。
もちろん、ご希望があればですけどね……」
「入れてください。わたしの顔が絶対わからないように……」
「わかりました、できる範囲で処置させていただきます。でも、AVを視るお客さんが
最低限興奮できるよう、ある程度は画像を残さないといけませんので、そこは諒解して
くださいね。それでは奥さん、今日はお疲れさまでした。契約どおりのギャラを
お支払いしますので、これで帰っていただいて結構ですよ」

(エピローグ)
 AV撮影から約1ケ月後、2月の半ば過ぎに、芙美子の手許に一通の宅配便が届いた。
差出人はフェアリイランド社であった。津川の簡単な挨拶文を同封して、件のAVが
梱包されていた。
   『トロける人妻フミコ:開けてしまった淫乱の扉』
 パッケージの写真は目隠し線こそ入っているものの、明らかに芙美子であった。
パッケージ裏の右上には、精液に顔を汚された芙美子が淫猥に微笑んでいた。

(芙美子という名の女優:完)"An Actress by The Name of Fumiko"

******次回予告******************************************************************
「芙美子のいちばん長い日」"A Longest Day for Fumiko"
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  1. 2012/12/21(金) 16:47:23|
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