妻と男の物語


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妻の復讐

[5201] 妻の復讐 エロロジー推進者 投稿日:2008/11/15 (土) 22:00
「あなた,私がどこにいるか分かる?ホテルのバーラウンジよ。すてきな人に出会えたの。エッチな話で盛り上がっちゃった。」
酒に弱い妻が,ほろ酔い機嫌でしゃべっている。
時計は午後11時をちょっと過ぎたあたりだ。
「私,今日あなたの知らない人に抱かれるわ。あなたに仕返しするの。あなたの浮気が分かった時,私がどんな気持ちになったかあなたに分からせてあげるわ。」
「夕里絵,すまない。許してくれ。相当酔ってるんだろ。お願いだから馬鹿なまねはしないでくれ。」
「ダメよ。信じていた人に裏切られたのよ。仕返ししなくちゃ私の気が収まらないわ。」
「夕里絵を裏切ったのはすまなかった。自分勝手なことをした俺を許してくれ。お願いだから他人とするのだけはやめてくれ。」
「あんなひどいことしたのにまだそんな事言うの。もう決めたの。優しそうな人だから。明日のお昼には帰るわ。それじゃ。」
「夕里絵,待ってくれ。俺以外の男に抱かれるなんて言わないでくれ。頼むよ。お願いだ,待ってくれ。」
「・・・・・・」
電話は切れていた。

同い年で20代の前半に結婚し,まもなく10年を迎えようかという先週,たった1回の浮気がばれてしまった。
浮気をしてその仕返しをする。まさかと思った。あの貞淑な妻が,他人となんて。あり得ない。俺を苦しめるための芝居か?と。
何処のホテルかも分からなかったが,いてもたってもいられず,最上階にラウンジのある駅前のシティホテルへと車で向かう。
しかし,ホテルに着いた時には,もうすでにバーラウンジは閉まった後だった。
駅の公衆電話コーナーの電話帳を片手に片っ端からホテルへ電話を入れる。
妻の名前での宿泊者はいなかった。
もしかしたら今頃夕里絵は誰かと・・・。妄想が頭をよぎり心拍数が跳ね上がる。
いやいや偽名で泊まっているのだろう。明日になったら,「心配した?」って帰ってくるのだろうと,自分に都合の良いように考えて駅を後にした。

午前2時に後もう少しと言う時に携帯の鳴る音で目が覚めた。
帰ってからも妄想は収まらず,ウイスキーをがぶ飲みしているうちに,いつの間にかソファーで寝ていたらしい。
妻の名前が携帯に浮かび上がる。
「夕里絵。悪かった。早く帰ってきてくれ。反省してるよ。」と神妙な声で呼びかけた。
電話に出たのは男だった。
「夕里絵って言うのか。免許証は無いし携帯にも身元が分かるもの何にもなかったからな。」
「えっ,誰だ?」
「俺は,名乗るほどのものではないけどね。奥さんの愚痴をさんざん聞かされたよ。奥さんはあんたの言うことを聞いていたのに裏切られたって言ってたぞ。」
「誰だ,何処にいる。夕里絵は近くにいるのか」
「ホテルの一室とだけ言っておこう。バーで俺と酒を飲んでいるって連絡あったろう。そのホテルの奥さんの部屋だよ。」
「それだけじゃ分からない。何処のホテルだ」
「まあ,そう怒るなよ。奥さんは今,俺の横で酔いつぶれて寝ているよ。俺は,見かけからもうまるっきり中年って感じだから,あんたの奥さん安心したんだろうな。いろんな事を喋ってた。あんた結構嫉妬深いんだってな。誰にも裸を見せたくないとかごねて,おかげで産婦人科行くときも女医さんのところを探すのに大変だったって話で盛り上がったよ。それに,奥さんはあんた以外の男知らないんだろ?」
「そんなことあんたには関係ない。夕里絵には手を出すなよ。」
「おいおい,俺は,あんたから命令される筋合いはないね。それにあんたの奥さんが日頃思っている不満とやらを聞かせてやろうと親切心で電話してるんだぜ。いやなら切ろうか。」
「ま,待ってくれ。すまなかった。」
ここで電話を切られてはまずい。次に男の声が聞こえるまで何とも息苦しい間があった。
「あんた浮気したんだって?あんたに復讐するって息巻いてたからどんな復讐するのか聞いてみたら,あんたは嫉妬深いから,一晩無断外泊して眠れない位心配させてやるって言ってたぞ。かわいいじゃないか。あんたも馬鹿だよな。あんないい奥さんほったらかすなんて。まあ,明日帰ったら,優しくしてやるんだな。でも俺が喋ったことは黙っておけよ。」
「分かったから,早くそこから出て行ってくれ。お願いだ。」
夕里絵が見も知らない男と一つの部屋にいる。無事に帰ってくるのならなんでもしよう。
「まあ,あんたの気持ちも分からないではないがな。このままじゃ,復讐にならないんじゃないのかと思ってな。あんたの頭の中を妄想と嫉妬でいっぱいにしてやらないと奥さんの復讐とやらにならないんだろう?違うかい?あんたは奥さんを裏切った,だからあんたは罰を受けなくちゃいけないんだよ。」
「貴方には関係のないことだ,私たち夫婦の問題だ。もう妻を一人にしてくれないか。」
「さっきまで奥さんと話をしていて,どうも肩入れしたくなってね。このままじゃ復讐にならないから,ちょっと手伝ってやろうとね。俺は,もうしばらくあんたのかわいい奥さんの寝顔を眺めるとしようか。そうでもしなけりゃ復讐にならないんじゃないのかい。それじゃせいぜい苦しむといい。」
男は一方的に喋ると電話を切った。
「頼む,夕里絵に何もしないでくれ。お願いだ。」
切られた電話につぶやくしかなかった。
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