妻と男の物語


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桜の咲く時(9)

[739] 桜の咲く時(9) 雨ちゅあ ◆wlX16g 投稿日:2004/11/17(Wed) 19:21
 何とか誰とも会わずに済んだものの、聖美が運ばれて着いた先は調理場だった。
もう今日の客は皆食事を終えてしまったのか、板前は誰もいなく、がらんとしていた。
調理場の時計は7時過ぎを指している。まだ聖美が『煌亭』に来てから2時間程度しか経っていなかった。

黒田「大将! 大将! いるかい? 黒田だ!」
板長「ああ、分かっている。おい、海田! 山川! 手伝え!」

 調理場の奥からいかつい顔をした大男が出てきた。この男が恐らくここの板長なのだろう。
その大男に呼ばれて、二人の若い板前が出てきた。

板長「さあ、その女をそのテーブルの上に寝かせるんだ。仰向けでいいんだな? 黒田さん」
黒田「ええ、頼みますよ板長。今日は大事な接待でしてね。私の首がかかっているんです」
板長「とかなんとか言って……実際は違うんだろ? 本当にあんたも好き者だな。……まあいい、久しぶりに傑作を作ってやるよ」

 怯える聖美に構わず、黒田、鷹司、海田、山川の4人で聖美をテーブルの上に仰向けに寝かせた。そして、聖美の体を紐のようなものでテーブルに固定すると、聖美の体はほとんど動かせなくなってしまった。
 まさにまな板の上に乗った鯉のような気分である。聖美の体は小刻みに震え、鳥肌が立っていた。
その様子を板長は見逃さなかった。

板長「なあ、黒田さん、この女素人ですかい?」
黒田「ああ、いや、その……なんだ……。色つけておくからさ……、なんとか頼みますわ」
板長「まったく……まあ俺もやる分には異議はないんだが、素人じゃやりにくいな。目隠しさせてもらいますぜ」

 板長に言われるままに、聖美は目隠しをされた。これで目線を合わせずに済むが、一体何をされるのかという恐怖感は余計募った。そんな聖美を尻目に、黒田と鷹司は板長と少し世間話をして帰っていったようである。鷹司との会話から、板長が酒井という名前だということも分かったが、聖美にとってはどうでもいいことでもあった。
 その後、聖美の体は熱めの手拭いのようなもので念入りに拭かれ、今度は氷のような冷たい何かで体を拭かれた。氷水で冷やしたものなのだろうか。その冷たさは我慢し難いものだったが、固定されているために抵抗できない。
 また目隠しされているために依然として何をされているのか分からないというのも聖美の恐怖感を倍増させた。

 やがて聖美の体の上には紙のようなものが敷かれ、その上に何かを乗せられていった。だが何かはやはり分からないままだった。
 腹の上、脚の上、腕の上と同様に作業は進んでいった……。先ほどは耐えがたかった寒気も徐々に収まってくる。どさくさに紛れて時々胸を揉まれてしまったが、胸の上での作業が終わった時、聖美の目隠しが取られた。
 聖美の目にまず映ったのは電灯の眩しい光と、三人のニヤついた男の顔だった……。
そして、目線を徐々に自分の体へと移すと……なんと聖美の体には鯛やら平目やら刺身が盛られていた。
これが俗に言う「女体盛り」というものなのだろう。

板長「どうだ? 俺も久しぶりに造ったんだが結構いい出来だろ? でもな、まだ終わっちゃいないんだ」
聖美「………………」
板長「全部目隠しでやろうかと思ったんだけど、あんたにも完成の瞬間を見せてやりたくなってね」

 板長は意地悪そうに笑うと、聖美の乳首の上にわさびを乗せ、さらにあそこには、薄くしたイカの開きを1杯分乗せた。
しばらくの間は何も起きなかったものの、何やら痒みが襲ってきた。

聖美「痒い! 痒い! 一体何をしたの? それ取って! 早く! せめて手をほどいて!」
板長「ダメだ。まあせいぜい後でたっぷりおねだりして取ってもらうんだな。それにしてもいい眺めだねーこんないい『皿』初めて見たよ。またぜひ頼むよお嬢ちゃん。……よし、海田、山川、運ぶぞ」

 どうやら乗せられたテーブルにはキャスターがついていたようだ。聖美は猿轡をされると女体盛りという屈辱的な恰好のまま、「飛龍の間」に運ばれていった。
やがて、扉を開かれ、聖美は11人の男たちと初対面した時と同じように、いやらしい歓迎を受けた。
男ばかりで白けていたであろう雰囲気が、一気に艶かしいものに変わった。

 盛られている部分には大葉のようなものが丁寧に敷かれ、腕と脚には寿司が器用に盛られ、腹と胸にはこれもまた見事な刺身が色鮮やかに盛り合されていた。乳首にはわさびが盛られ、まさに完璧とも言うべき女体盛りであったが、何故かあそこにはイカの開きが一枚まるごと乗せられている。
 そのギャップがまたいっそうあそこに目線を集中させ、イカは薄く処理されているために、透けて見えそうである。もう既に全て見られてしまったというのに、聖美は全身が熱くなるような恥ずかしさを覚えた。そして一層イカを乗せられたあの部分が痒くて仕方がなかった。

 やがて、聖美の猿轡が外され、北大路が箸をつけようとした時だった。

??「申し訳ございません、遅くなりました」

 誰かが入ってきたみたいだ。恐らく遅れてくるといった杉田という校医だろう。声からしてまだ若いみたいだ。

綾小路「あれ? 君、どうしたんだ? 杉田先生はどうしたんだね?」
??「それが先生は『幼い娘にしか興味はない。朝のあの感触を忘れないように今日はもう帰る』と仰って、私に代役を申し付けられたのです」
細川「杉田先生は筋金入りの少女愛好者だからな。まあ、人のことはあまり言えんが先生にはかなわんな。それにしても君は運がいいな、氷室君」
聖美「!!!!(氷室!?)」
氷室「ええ、今日は最高ですよ。一介のヒラ教師がこのような宴に参加できるのですからね」
京極「しかし君も杉田先生と同じ嗜好の持ち主ではなかったかい?」
氷室「ええ、最初聞いた時は私もあまり興味がなかったのでお断りしようと思いましたが……今日は特別な理由がありましたね……」 

 そしてゆっくりと聖美に近づき、聖美の顔を覗き込んだ時、氷室はニヤリと笑った。その顔は他の誰の笑顔よりも冷たく恐ろしいものだった。

氷室「ねえ、そうでしょう? 星野聖美さん」
聖美「………………(最悪……まさかこんなことが起きるなんて……)」
綾小路「どうしたんだね氷室君」
氷室「ふっ……実は私、こちらの姫様と少々面識がありましてね……」
鷹司「何だって!? 詳しく聞かせてくれ、氷室君」
氷室「私は構いませんが……こちらの姫様の口から聞いた方が乙ではないかと思いますね」
鷹司「それもそうだな……そちらの方がいっそうこの場に相応しいかもしれないな。そう思いませんか、星野さん」
星野「………………」
氷室「どうやら嫌われているみたいですね。まあ、昔から嫌われていることは分かっていましたが。姫が話そうとしないなら仕方がないですね。私から言いましょう」

(つづく)

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