妻と男の物語


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カジノM 1

[6792] カジノM ダンテ 投稿日:2009/07/14 (火) 17:58
カジノM プロローグ

 西暦2040年。カジノが日本で認可されてから25年。
 あるリゾート地の無人島に建設されたカジノ都市は繁栄を謳歌していた。

 しかし当初の規制は甘くなり、他国の例に漏れずマフィアが支配する「特別区」のようなものに変化していた。
ただ、危険な「無法地帯」ではなく、マフィアやその下部組織の統制下で、治安はある意味「安定」し、「ルール」を守っていれば、安全快適なカジノライフが満喫できるリゾート街として、観光客、従業員、そして大金を狙うギャンブラー達で賑わっていた。ホテルや飲食店や風俗店まで、あらゆる娯楽施設が華やかに彩る街である。

 そして、この街を支配する「ルール」とは・・・それは、カジノ店などで、「ゲームのルールに必ず従う」とうことである。それは店と客の場合、客同士の場合も同じことで、事前に了解した条件での勝負については。たとえ人道から外れるような行為や人身売買などが含まれようとも、それが許され実行されるとういものである。もちろん、生命が賭けられることも・・・ある。今では国家組織も手を出せない、独立国家のようでもある。

 圭太は恋人の可奈と、初めて、この孤島のカジノ都市「ジパング」を訪れた。
 目的は、旅行ついでの生活資金稼ぎ。欲を言えば、一生分の大金を稼ぐつもりだ。
 圭太25才。各地のカジノを転々として食べているプロ?のギャンブラー。つまり無職だ。けれども、貧乏なわけではない。かなりの腕を持っているので、食うには困らない。手持ち資金も1000万円ほどある。低金利と不景気のおかげで、円の価値は50年前とほとんど変わらないようだ。世の中も預金よりカジノという風潮だ。圭太も類に漏れずカジノ中毒になった一人だ。しかし、ギャンブルの才能のおかげか、生活に困ったことはない。
 ここジパングは、他の地域と桁違いに規模が大きい。動く金も桁違いだ。圭太は、人生の勝負に出るつもりで、地方カジノからやってきたのだ。そして、一緒についてきたのが、可奈だ。

 可奈21才。大学卒業したてで、圭太と駆け落ち旅行のつもりだ。
 小柄で美人というより可憐なタイプで、顔もロリ顔だ。高校生といっても不思議に思えない幼い雰囲気がある。
 その彼女が圭太に恋し、もちろん圭太も彼女に惚れた。その彼女が「圭太君についていく」と言うから、圭太も驚いた。顔に似合わず意外に強い心に感心し、さらに好意を持った。偶然、相席になったカフェのテーブルで話がはずみ、付き合うようなったのは、わずか2ヶ月前だ。こんないい女性とは、もう二度と付き合えないだろうと確信したのが、勝負を決意させた。
 大金をここで稼いでプロポーズしようと圭太は心に決めている。


圭太たちはジパングを訪れてまずホテルにチェックインした。手持ち資金1000万円のみ残して、残額で泊まれるだけ部屋をキープしたところ1ヶ月間分あった。食事はカジノでタダで食べれるの困らないはずだ。さっそくカジノ向かおうと、「大きくて、大金が動いて、歴史が長いカジノ」をフロントで尋ねたら「M」というカジノを紹介された。食事ついでに可奈を連れて「M」に向かった。・・・・・・その後フロント男が電話した先は・・・カジノM。

カジノ「M」。豪華な造りだと圭太は感心した。クラッシックホテルのようだ。さすがにジパングのカジノは違う。ドアマンに誘導されて店内に入るとクロークがあり、案内係がやってきた。

「申し訳ございません、お客様。当店はドレスコードを設けさせて頂いておりまして・・・」

見回すと、たしかに、圭太と可奈のようなラフな服装のものはいない。どうやら由緒正しいカジノなのか・・・。ホテルではそんなことを聞かなかったが・・・・・・出直すか、別の店に行くかと可奈と相談しようとすると、先ほどの店員が、

「もしよろしければ、当店のご用意しております衣服をお使いいただいてもよろしいのですが。いかがですか?」
「借りれるの?」 と圭太が尋ねると、
「はい、お連れ様のパーティー用ドレスもご用意しております」

可奈を見るとうなずいて「圭太君、お願いしちゃおうよ」

「じゃあ、二人分お願いします」
「かしこまりました、では案内係を呼びますのでしばらくお待ちください」

30分後には、若い紳士淑女が完成した。
圭太は品のいいダークグレーのスーツ。
可奈はセクシーに背中が開いたブルーのパーティドレス。生地も薄く体のラインがくっきり出ている。少し恥ずかしそうにメイクアップされた頬を赤くしている。
圭太は、「可愛い」に「美しい」がプラスされたと感じた。そして彼女を他人に見せるのがもったいないような、誇らしいような複雑な気分になった。・・・・・・そして圭太は、すでに彼女が標的にされていることを、まだ知らない。

華やかなカジノは、人々のドレスや会話でさらに輝いていた。
さっそく一勝負しようとチップの交換コーナーに圭太が向かった。
可奈は飲み物をバーカウンターでもらって来るといって分かれた。

「ここで取り扱えるチップはいくらまで?」圭太が尋ねると係員が、
「おひとり100億円までとなっております」
!・・・・・・「今、何て?」
「ですから、おひとり100億円までチップと交換できるシステムになっております。もちろんカードが使えます」
「すごい」圭太が驚嘆していると、
「レートによってテーブルが違います。チップの金額で参加できる範囲が決まっています。」
「では1000万円を全部チップに」
「かしこまりました。10万円と1万円のチップでよろしいですか?」
係員はカードを受け取ると機械処理するとチップケースを圭太に渡した。
そして、付け加えて言った。
「チップ以外のものも賭けられますが、ルールは絶対ですからご注意ください」
圭太は頷いた。圭太もこの街のルールについては知っている。表には見えないだけでマフィアが支配しているのだ。

圭太はポーカーの台に着席した。しばらく見ていた感じでは、さほどのレベルではない。
ディーラ一人に客4人だ。カードが配られる。見事な手さばきだ。しかし・・・。
30分後チップは1300万円になっていた。可奈も横で笑っている。
次のテーブルではブラックジャックだ。ディーラーの視線の癖を見抜いてここでも圭太は勝った。1500万円。
高額の台へ移れる金額になったようで、別の台を進められた。先ほどの台では大勝ちしても、数百万だ。
圭太はもちろん台を移り、ポーカーでチップを3000万にした。

圭太と可奈はカウンターでサンドイッチ食べながらカジノの店内を観察していた。
「圭太君、ホント強いね」
「今頃 分かったのか 遅いぞ」
「ごめーん、だってこんな金額のカジノはじめてだもん」
「(オレだってはじめてだって・・・・・)」内心で圭太も興奮していた。
ただ、さっきから気になっていたのは、一対一の対戦形式の台。
1000万の対決ならどちらかが1000万失うと負け。1回の掛け金の上限が200万程度。ポーカーだ。
1ゲームで1000万が動く。圭太はそこで勝負することにした。100億円という金額を聞いてから、金銭感覚がおかしくなっていたのかもしれない。

とりあえず1000万円ゲーム。相手は初老の男性。5分後、圭太が勝利した。
「(これで4000万円。ここで一気に増やそうか。相手は素人だしイケる!)」
次の3000万円勝負にも金持ち道楽に勝ち合計7000万円。
その後も負けなしで、(途中冷や汗を各場面はあったが)ついにチップは3億円ほどになった。
「(やはり可奈は勝利の女神だ)」可奈を抱き寄せて喜び合った。
しかし、その後2時間はチップは増えなかった。圭太の強さとチップの高額さに相手がいなくなったのだ。
通常台では、チビチビ稼ぐだけになってしまう。勝負はポーカーかブラックジャックにしたい。

圭太が途方にくれているころモニター室では圭太と可奈の行動を大画面モニターで観察する者がいた。

「いかがでしょうか、オーナー?」
「悪くない。いや、なかなかの上物だ。コレにしよう。じっくり育ててやる」
「かしこまりました」
「男の方も、元気があって弄り甲斐がありそうだ」
「ではさっそく、サロンへ案内します」

圭太と可奈にとっての地獄の扉が開いた瞬間であった。
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