妻と男の物語


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誠実な人(3) 3

[Res: 4546] Re: 誠実な人(3) イワタ 投稿日:2008/08/21 (木) 07:38

「考えた末、奥様に正直に伺いました。」
「正直にですか?」
「ええ、『聞き間違いで無ければ、今、私の妻になるとおっしゃいませんでしたか?奥様にはだんな様がいらっしゃるのに?』と。」
「妻はなんと?」

権藤さんは妻の台詞を繰り返します。

「『ええ、私には夫が居ます。とても愛している夫が居ます。そして、権藤さんもとても愛している奥様がいらっしゃった。でも、亡くなられて、今は居ない。私は、夫を愛することが出来ますが、権藤さんは出来ない。私は夫をとても愛している分だけ、権藤さんの辛いお立場がわかるのです。だから・・・』」
「だから?」
「『権藤さんのお気持ちが少しでも楽になればと・・・』」
「そんなことを?」
「ええ、そうおっしゃって頂けました。」

愛するものがいるから、愛するものが居なくなったものの立場がわかる。
だからこそ、愛するものが居るのにもかかわらず、愛するものが居なくなったものの慰みを引き受ける・・・。
つまり、私を愛しているからこそ、権藤さんの奥様の身代わりになるのだということ・・・。
権藤さんがいたたまれなかったというのはわかります。
けれども、屈曲している論理に、私は、困惑してしまいました。

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