妻と男の物語


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凌辱の時

[1585] 凌辱の時 紫 投稿日:2006/06/29 (木) 00:15
 午前1時をまわり、里恵は一人暮らしのアパートへと帰宅する。
都内の飲食店に社員として勤める里恵の帰宅時間は、いつも終電ぎりぎりのこの時間だった。
埼玉南部のベッドタウン、団地やマンション、アパートが数多く立ち並ぶこの街に、里恵は半年前から住み始めた。
高校を卒業して、地元青森から上京…都内の大学に通ったものの、やりたい事は見つからないまま、知人の紹介で飲食店に就職した。もともと冒険心の無い性格と生真面目さから、すでに5年勤めていた。
職場には毎年、自分のように漠然とした憧れや夢を抱いて上京する若者が就職してくる。
そんな若者のために、里恵は都内にあった寮を追い出されてしまったのだ。

駅からは歩いて10分掛からない。シャッターの閉まった街路灯だけが光る商店街を歩き、帰途につくのが里恵の日常だった。

そろそろ結婚でもして、地元に帰りたいなぁ…最近、里恵の頭を常に占領している考えだ。
里恵には恋人がいる。周囲には驚かれる事が多いが、故郷の高校に通っている頃から10年以上付き合っている、智幸という男性だ。お互い27歳になった今も、まだ結婚という言葉を口に出してくれない。
あと僅かで30代に手が掛かってしまう…里恵にはそんな焦る思いもあった。
智幸はまじめな男性だ。
地元の企業でしっかり働き、1ヵ月に一度はこっちに会いに来てくれる。
週に何回かは電話もくれる。
自慢じゃないが、里恵は上京して9年…浮気をした事が無かった。智幸もそうだと信じている。
仮によそ見をするような事はあったとしても、自分の事を常に大切に思ってくれている…その思いは感じられた。

今週末には約一ヵ月ぶりに、智幸が逢いに来てくれる。金曜の夜、最終の新幹線で上京し休日を一緒に過ごすのだ。
1ヵ月ぶりの智幸とのセックス…何か特別なプレイをするわけではないが、馴染み合った体が絡み、愛する男性に抱かれるその時間は、里恵にとってとても大切な物だった。
もともと性欲が強い方ではなく、淡泊で強いて言えば、性に関して保守的な里恵…智幸以外の男性に抱かれるなど、考えただけでも嫌悪感さえあった。
一ヵ月に一度しか、女としての喜びを与えられない自分の肉体を、自ら慰めるという行為もしない里恵だったが…唯一、智幸が上京する前の一週間だけは、少し気持ちの昂ぶりを感じ、毎晩地味にだが自慰をしてしまう習慣があった。

日付が変わって今夜は火曜日…あと4日で智幸に逢える、そう考えると自然に体の疼きを感じ、下腹部と膣のあたりが熱を帯びたような火照りを発していた。
午前1時少し前にアパートに着き、鍵を探した。
バッグの中を手探りしている時、なんとなくだが人の気配を感じ、周囲を見回してしまった。
辺りに人影も無く、鍵を探し出したところで、里恵の意識はまた智幸と過ごす週末へと向かっていた。

部屋に入りシャワーを浴び、軽くつまみを作って缶ビールを飲む…平日の日課のようなものだ。
時間は午前2時半…1時間ほどで缶ビールを2本空け、里恵はほろ酔いになる。酔いも手伝って、性的な意識も強くなってしまうようだ。
里恵は智幸との、ツーショットの写真が入った写真立てをテーブルに乗せる。
写真の中の恋人を見つめながら、左手はパンティの中に滑り込ませた。
自分は変態なのか…と自虐してしまうが、すでに股間は蜜で溢れている。
ヌルヌルした蜜の感触を指先に絡ませながら、指を一本ずつ膣穴に吸い込ませて行く…
3本も入れたところで、里恵は目をつむり智幸とのセックスを思い出す。
ゆっくりゆっくり、自分の肉体を気遣ってくれながら、奥まで入ってくる智幸。顔が見えた方が安心する…いつか里恵が言った言葉を大切にして、今でもほとんど正上位しかしない。
そんな智幸の優しさと温もりに包まれる、一ヵ月に一度のセックスが大好きだった。
3本の指を少しずつ激しく出し入れし、里恵は喘ぎ声を上げ始める。
片方の手でパンティを脱ぎ、着ているシャツも脱ぎ捨てる。
誰も居ない部屋で、全裸になった里恵は自慰にふけっていた。
くちゅ‥くちゅ…くちゃ…里恵の蜜を掻き回す音だけが響いていた。
絶頂を迎える頃には、「とも…きて…もっといっぱい…とも‥とも‥とも…いくぅ…いっちゃうよ…」と、押さえきれない思いを声に出し、果ててしまうのだった。
しばらくは意識が飛んだような感覚が襲い、少しずつ体の痙攣が止まってくる。そうすると、今度は一気に羞恥心に苛まれ、里恵は智幸の写真を伏せてしまうのだった。
あと4日…4日待ったら、智幸はここに居て、自分を抱いてくれる。
その時は羞恥心に苛まれる事も無く、愛する恋人を子宮で感じながら、全てを投げ出して快楽に身を委ねる事ができる…      4日後には、愛する男性に抱かれている…里恵は信じて疑わなかった…確かにそのはずだった…

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